水やりはいつも深夜だけど の商品レビュー
電車の中で「シャボテンの咆哮」読んで、なんか無性に泣きそうになった。それでもきっと、自分に子供がいたらまた違う視点で作品と向き合えるのだと思う。エロはゼロですが、心にズンとくる作品ばかりでした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
一気に読んだ。おもしろいんだもん。 なんか、とかなんとなく、でしかうまく説明できないことを、こんな風に作品にできるなんて、作家さんはすごいな。
Posted by
「ソノ ヒトミニハ ナニガ ウツッテイルノ?」 どこか儚げで、悲しげな表紙の少女にそう問いたくなった。何か惹かれるものがあった。 窪さんはずっと気になっていた作家さんの一人。私にとってこの本が初の窪美澄作品となった。 誰の身にも起こりうる、意識してなければただ何となく通り過ぎ...
「ソノ ヒトミニハ ナニガ ウツッテイルノ?」 どこか儚げで、悲しげな表紙の少女にそう問いたくなった。何か惹かれるものがあった。 窪さんはずっと気になっていた作家さんの一人。私にとってこの本が初の窪美澄作品となった。 誰の身にも起こりうる、意識してなければただ何となく通り過ぎてしまいそうなことに光をあてた家族の話。でも、だからこんなにも身近に感じたのだろう。 登場人物たちの心の動き、動作、仕草が実に丁寧に表現されていて精巧。それでいて作りこまれた感がなく、ごく自然。ドラマを見ているような感覚に陥った。 家族には、その家庭家庭で様々なイロ、カタチがある。本来、その家族のイロやカタチを誰かが否定したり、肯定するものではない。でもそういう人たちがいるから、人はいい夫、いい妻、いい子供を演じ「いい家族」を装う。本当のことなんて外からはわからない。たとえ“家族”という世間的に認められ、守られた一つの集団の中にいても、言いようのない不安やさみしさを誰しも抱えている。みんなさみしくて誰かに寄りかかりたいんだ。 家族だからこそ、目をつむったり、曖昧にすることも時には必要なのではないかと思う。強い繋がりだからこそ、一度壊れてしまったらもう元には戻せない。だからそうなる前にぶつかり合ってでも解決の糸口を見つけ、前に進もうとする。それはやっぱり“家族”でいたいからなのだろう。 読んでいる間中、切なくて、苦しくて、心がヒリヒリした。だから、少しずつしか読むことができなかった。 こんなにも心がざわついてしまった自分もまた、もしかしたら水やりを必要としているのかもしれない。土が乾ききってしまうその前に水やりをしよう。誰にも気付かれないように、そっと。今夜、深夜に。
Posted by
初めて読む窪美澄。短編5作品。それぞれが、それぞれの想いを抱えて生きている。 読んでいる時は、重くて疲れたけれど、救いのある話でよかった。
Posted by
短編集5編。 幼稚園の子がいるそれぞれの家庭のそれぞれの問題。妹が発達障害だった「ゲンノショウコ」と健気な父子家庭だった「サンカヨウ」が良かった。
Posted by
5つの短編集。タイトルが好きです。壊れそうな心や家庭、そのそれぞれが、前向きに一歩を踏み出す瞬間が描かれています。後味は良いが、主人公が悩みを抱えている話は読んでいて疲れてしまうので苦手です。
Posted by
みんな幸せになりました。めでたしめでたし。 と、そこまで簡単じゃない。 でもしんどい思いをしている人が、答えはそれだけじゃないんだよ、と気付いたり、ギリギリのところで踏み止まれたり、それが自分からの気付きじゃなくても、他人の姿から得られた解答であっても、いいんだよ、そんなことは...
みんな幸せになりました。めでたしめでたし。 と、そこまで簡単じゃない。 でもしんどい思いをしている人が、答えはそれだけじゃないんだよ、と気付いたり、ギリギリのところで踏み止まれたり、それが自分からの気付きじゃなくても、他人の姿から得られた解答であっても、いいんだよ、そんなことは。 みんなもっと気楽に生きられたらいい。 幸せにいることが、自然と周りをも幸せにするんだから。 少なくとも幸せの方向が見つけられたら、ゆっくり進んでいけばいい。ちょっと曲がったって修正できるんだから。 回り道も、後で振り返れば、大した遠回りじゃなかったな、と、思えるから。
Posted by
今年初の☆5つ。やや出来すぎた設定がなきにしもあらずだったものの、それを補って余りある内容だったと思う。5編すべての主人公に対して、読みながらがんばれ、がんばれと心で声を掛けていた。自分とほぼ同じ世代に属する家族たちの在り方がリアルに描かれていて、時に薄ら寒い気持ちになりつつも最...
今年初の☆5つ。やや出来すぎた設定がなきにしもあらずだったものの、それを補って余りある内容だったと思う。5編すべての主人公に対して、読みながらがんばれ、がんばれと心で声を掛けていた。自分とほぼ同じ世代に属する家族たちの在り方がリアルに描かれていて、時に薄ら寒い気持ちになりつつも最後はすべてに救いがあったこと自体が救いだった。これまでの窪さんの作品で一番好き。
Posted by
凄くリアルで感情移入しすぎて疲れてしまうほどだった。どの話しも希望ある終りかたで読後感が凄く良かった。やっぱり窪さん好きだな。
Posted by
5つの家族の物語。 「ちらめくポーチュラカ」 嫌われママにならないように今度こそ失敗しないと心に誓う。 「砂のないテラリウム」 確信など持てない揺れ動く男心が描かれている。 女子高生の視点から見る家族とは? 「かそけきサンカヨウ」が秀逸。 物語の隅っこに自分がいる。 色々思...
5つの家族の物語。 「ちらめくポーチュラカ」 嫌われママにならないように今度こそ失敗しないと心に誓う。 「砂のないテラリウム」 確信など持てない揺れ動く男心が描かれている。 女子高生の視点から見る家族とは? 「かそけきサンカヨウ」が秀逸。 物語の隅っこに自分がいる。 色々思い出しながら読み進めた。 「みんなさびしいんじゃないだろうか。」 そっか、みんなさびしいのか。同じなんだなぁ。
Posted by