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店長がいっぱい の商品レビュー

3.7

54件のお客様レビュー

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2014/12/28

近年の山本幸久作品の中では一番面白かった。 外食チェーンの店長の話で、実際は作中ほど前向きじゃなく辛いことばかりだろうけど楽しく読めた。主人公たちも一話を除けば応援したくなる人ばかりで非常に良かった。 特に好きなのは渋川での話。

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2014/12/22

他人丼のチェーン店のお話。 フランチャイズのオーナーや社員など、本当に店長がいっぱい(笑) 吉野家とか行ってみたくなった。

Posted byブクログ

2014/12/09

冒頭─── 穴山浩輔は寸胴鍋から豚のバラ肉とたまねぎを甘辛く煮込んだものを、お玉で掬い取った。汁もいっしょにだ。それらをあらかじめコンロに載せてある小さな鍋へ移す。右手でお玉を寸胴鍋に戻し、左手でコンロのスイッチを入れた。家庭用のとそう大きさは変わらないが、火力は強い。 1,2,...

冒頭─── 穴山浩輔は寸胴鍋から豚のバラ肉とたまねぎを甘辛く煮込んだものを、お玉で掬い取った。汁もいっしょにだ。それらをあらかじめコンロに載せてある小さな鍋へ移す。右手でお玉を寸胴鍋に戻し、左手でコンロのスイッチを入れた。家庭用のとそう大きさは変わらないが、火力は強い。 1,2,3,4,5.口の中で数える。そのあいだに寸胴鍋とは反対側のスペースにある蓋とお椀を手に取った。お椀の中には殻を割ってだしておいた卵が入っている。すでに箸でかき回した状態だ。 ────── 豚肉と卵を使った他人丼ならぬ友々丼をチェーン展開する、友々家の店長たちや社長、会長などのエピソードを綴った連作短編集。 全体的にほのぼのとした物語だが、最後の二編、社長が店員経験をする話と創業者である社長の母親の会長が回顧する話はには、ちょっとほろっとさせられる。 山本幸久氏独特の軽く読めて心がほっこりするような作品です。

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2014/12/06

+++ 夫を亡くしたばかりの真田あさぎは、小学生のひとり息子を育てるため、「友々丼」と名付けた“他人丼”の専門店「友々家」を開いた―。あれから30年余り。いまでは、百二十店舗を数えるまでになった。東京、神奈川、群馬…今日も、あちこちの「友々家」では、店長たちが、友々丼をせっせと提...

+++ 夫を亡くしたばかりの真田あさぎは、小学生のひとり息子を育てるため、「友々丼」と名付けた“他人丼”の専門店「友々家」を開いた―。あれから30年余り。いまでは、百二十店舗を数えるまでになった。東京、神奈川、群馬…今日も、あちこちの「友々家」では、店長たちが、友々丼をせっせと提供している。それぞれの事情を抱え、生きるために「友々丼」をつくり続ける7人の店長と、共に働く人々のちょっぴり切ない七つの物語。 +++ 「松を飾る」 「雪に舞う」 「背中に語る」 「一人ぼっちの二人」 「夢から醒めた夢」 「江ノ島が右手に」 「寄り添い、笑う」 +++ 友々家の各地の店の店長がそれぞれの章の主役である。店ごとに客層もスタッフの質もさまざまで、店長になったいきさつもそれぞれである。各店の抱える悩みや、店長個人の屈託、スタッフとのかかわり方など、ひとつとして同じ例はなく興味深い。そして、店長たちの物語ではあるのだが、それを大きく包んだ形で、創業者の真田あさぎとその家族の物語でもあるのが、さらに味わい深い。やり手で美人の霧賀さんもしあわせになれそうな感じなのも、つい嬉しくなってしまう。友々家に行ってみたくなる一冊である。

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