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ヤモリ、カエル、シジミチョウ の商品レビュー

3.4

76件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    27

  3. 3つ

    24

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    4

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2018/11/21

やもりんという響きがかわいい。 拓人は友達ができて、社会化した途端、今まで普通にできていたことができなくなるんだな。 大人からみると安心する変化だと思いますが、拓人と同じ目線でストーリーを追ってみた身としては残念さも感じました。 人を傷つけることに無責任な人たちが出てきます。 世...

やもりんという響きがかわいい。 拓人は友達ができて、社会化した途端、今まで普通にできていたことができなくなるんだな。 大人からみると安心する変化だと思いますが、拓人と同じ目線でストーリーを追ってみた身としては残念さも感じました。 人を傷つけることに無責任な人たちが出てきます。 世間の常識から外れてても、でも軽やかに生きてる。

Posted byブクログ

2018/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

植物や虫と話ができる独特の感性を持つ拓人と、しっかり者の姉育実、母の奈緒と絶賛浮気中のテレビマン耕作のドラマチックなことはないなんてことはない物語。 話がいくつかのパートで構成されており、拓人の視点ではほとんどの文字がひらがなで書かれており単語も難しい言葉を使わない。ある、とか、いる、とかくうきのかんじとか、こう言葉には出来ないくてうまく伝えられない感じが文字にされていてすごいと思った。 本当に夫婦関係は浮気問題は何も片付かないし、育実も年相応の成長をするだけの話。 拓人目線の今後の話を見てみたい。やもりんかわいい。

Posted byブクログ

2018/01/31

図書館で。 一度何かの本を読んで自分には合わないなぁと思ったのに又なんで手に取ったのか… やっぱり合わなかった。 ひらがなだけの文章がめちゃめちゃ読みにくかったのと、これから何か起こるのかなぁ、この人が登場した意味はなんだろう?とか色々考えていたのに結局、アレ?これで終わりなん...

図書館で。 一度何かの本を読んで自分には合わないなぁと思ったのに又なんで手に取ったのか… やっぱり合わなかった。 ひらがなだけの文章がめちゃめちゃ読みにくかったのと、これから何か起こるのかなぁ、この人が登場した意味はなんだろう?とか色々考えていたのに結局、アレ?これで終わりなんだ…という感じで終わってしまった。毎日の繰り返しのように見える日常でもそうでは無くて、人には退屈な人と思われても当事者にしてみたら違うんだとか、不可解な事も、解決しない問題も時間は飲み込み、人生は続いていくのだ…!なんてのは小説で読まなくても(自分は)現実世界だけで十分だな…なんて思ってしまったからかもしれませんが。なんかすっきりしない。これだけ厚い本なので何かが起きると期待して読んでしまったからか。ウウムゥ。 後オクサンが結構メンドクサイ。だからどうしたいの?という問いに答えが出ないのはわかるけど。でも愛人にあたるよりは自分の夫にあたれよ、とは思う。ウン。

Posted byブクログ

2017/12/12

読みづらかったけど、好きでした。特に拓人と育美の話が。 そこに居る、ことを伝えている。空が晴れてて地面は湿っていて虫たちが鳴いている。全てが充足している。 幼い頃のただ状況を享受して満足していた頃を思い出した。 長くて時間がかかったけど、毎回江國さんの作品がそうであるように...

読みづらかったけど、好きでした。特に拓人と育美の話が。 そこに居る、ことを伝えている。空が晴れてて地面は湿っていて虫たちが鳴いている。全てが充足している。 幼い頃のただ状況を享受して満足していた頃を思い出した。 長くて時間がかかったけど、毎回江國さんの作品がそうであるように、読んでいる時間が楽しい時間だったので長く浸れて良かった。

Posted byブクログ

2017/10/23

図書館で借りたものの、分厚くてなかなか読み始められなかったもの。きれいな表紙はきくちちきさんのイラストでした。 最近家族ものが多い江國香織さん。これは、虫とお話ができてちょっと発育が遅い幼稚園児の拓人が主人公です。タイトルは拓人が仲良しの虫たち。 でも、拓人の姉でしっかり者の育...

図書館で借りたものの、分厚くてなかなか読み始められなかったもの。きれいな表紙はきくちちきさんのイラストでした。 最近家族ものが多い江國香織さん。これは、虫とお話ができてちょっと発育が遅い幼稚園児の拓人が主人公です。タイトルは拓人が仲良しの虫たち。 でも、拓人の姉でしっかり者の育実視点になったり、拓人の母の奈緒視点になったり、滅多に家に帰らず愛人を優先させるテレビマンの父・耕作視点になったり、愛人の真雪視点になったり、隣人のテレビに大声で話しかける老婆視点になったり、拓人と育実のピアノの先生・千波やその母親の志乃視点になったり、霊園の孤独な男性・児島視点になったり。いろんな登場人物の生活や心情が交錯します。 子供の小さくて人間以外のものに近いシンプルな世界と、大人の俗的な世界とが対照的に描かれているようでした。 何が言いたいのかよくわからないんだけど、「ただ、いる」ということに重きを置いた作品だったのかな? 奈緒と耕作が夫婦喧嘩をしていても、拓人にとってはどうでもよくて、「ただ、いる」ということが大事と書かれていたので。そして、現在の形はどうであれ、「心でつながっている」というありふれた言葉だけど、その強さなのかなぁ。 まあ、答えはない作品かなぁと思うので、あんまり深く考えずにその様子を追いました。 最後は、大きくなっても拓人と育実は仲良しなのねと安心しました。

Posted byブクログ

2017/03/25

江國香織さんの小説には、交互に複数の登場人物の視点から同じストーリーが進んでいく構成のものが多いが、同じ場所に生きていても、人によってこんなにも違う世界に感じるんだという驚きと発見があった。 特に拓斗の目を通せば「人」だけではなくて、植物や動物も同じ世界を「感じ」ながら生きてい...

江國香織さんの小説には、交互に複数の登場人物の視点から同じストーリーが進んでいく構成のものが多いが、同じ場所に生きていても、人によってこんなにも違う世界に感じるんだという驚きと発見があった。 特に拓斗の目を通せば「人」だけではなくて、植物や動物も同じ世界を「感じ」ながら生きているということが伝わってきた。 同じ子供でも姉の育実にはまた別の世界があり、父や母にもまたそれぞれの現実的な世界がある。誰も間違っていないし、誰にも正当な言い分もあるのだが、不倫やら誤解やら摩擦が起こってしまう。そしてそれが世界のすべてだと思ってしまう。 この小説を読むと、それぞれが抱える世界が違うからこそ起こる悲劇をいちいち取り上げるのではなくて、もっと大きな目線で、「まあそういうことはあるよ、それが当たり前だよ、だって皆違うんだもの」と言われているような気がした。

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2020/11/22

江國さんの小説を読むのは久しぶりだったけれど、相変わらずの江國ワールド、といった感じ。 他の子どもよりも少し言葉の発達が遅く、虫と会話ができる5歳の拓人を中心に、拓人の姉でしっかり者の育実、母の奈緒、父の耕作、父の愛人の真雪、拓人と育実が通うピアノ教室の講師で婚約中の千波、千波の...

江國さんの小説を読むのは久しぶりだったけれど、相変わらずの江國ワールド、といった感じ。 他の子どもよりも少し言葉の発達が遅く、虫と会話ができる5歳の拓人を中心に、拓人の姉でしっかり者の育実、母の奈緒、父の耕作、父の愛人の真雪、拓人と育実が通うピアノ教室の講師で婚約中の千波、千波の母の志乃、そして拓人と育実がよく遊びに行く霊園で管理の仕事をしている児島が順繰りに語り部となる物語。 大きな展開や、すっきりしたところに着地することを求めて読めば肩透かしを食らうかもしれない。 けっこう分厚い本だけど、とても淡々と、登場人物たちの日々や想いが綴られている。言ってしまえば、“それだけ”の小説。 拓人の章は全部ひらがなだから少し読みにくいけれど、それがもたらす効果は大きい。 子どもには子どもの世界があり、大人には大人の世界がある。お互いがお互いをきちんと理解するのは難しいけれど、何となく察するものがあったりもする。 子どもは家のなかに流れる雰囲気で、大人の世界のことを察したりする。だけど基本的には、子どもの世界のなかで生きている。 タイトルの生き物たちは、拓人と育実がとりわけ仲良くなる生き物で、彼らと触れあうシーンは物語の中心と言ってもいい。 大人の世界では、不倫やら婚約破棄やら生々しいことが起こるのだけど、カエルやヤモリが出てくるふわふわしたシーンがその生々しさを薄めている。 何かを得たり考える機会を与えられる小説ではないけれど、純粋に流れを愉しんで、子どもの頃に自分もいた世界に思いを馳せて…という1冊。 個人的には霊園にいる児島のキャラクターがとても好き。この人はきっと、子どもの世界に近い場所にいる大人なのだと思う。

Posted byブクログ

2016/10/29

大好きな江國香織さんの本で挫折するとは。。 虫好きの拓人くんの描写が全て平仮名なのが鬼門だった。 全然文章が入ってこないし 読むのがしんどすぎる。。 たぶんそこが1番大事なんだとわかっても。無理だったなぁ。 不倫やら結婚のドタキャンやらなんだか心穏やかでない話題が多すぎたのも原因...

大好きな江國香織さんの本で挫折するとは。。 虫好きの拓人くんの描写が全て平仮名なのが鬼門だった。 全然文章が入ってこないし 読むのがしんどすぎる。。 たぶんそこが1番大事なんだとわかっても。無理だったなぁ。 不倫やら結婚のドタキャンやらなんだか心穏やかでない話題が多すぎたのも原因かなぁ。

Posted byブクログ

2016/09/04

相変わらず、江國さんの世界はとても居心地が良くて、あったかい毛布に包まれている気分になる。 でも、今回は時間のスピードや、優しい雰囲気は好きだったんだけど、分からない部分がちらほらあって、もやっと感が残ってしまった。 どうして、拓人は墓守さんの心の声に反応しなくなったのだろう。...

相変わらず、江國さんの世界はとても居心地が良くて、あったかい毛布に包まれている気分になる。 でも、今回は時間のスピードや、優しい雰囲気は好きだったんだけど、分からない部分がちらほらあって、もやっと感が残ってしまった。 どうして、拓人は墓守さんの心の声に反応しなくなったのだろう。それが成長ということなのか。 それなら、その後、どうして葉っぱの声が分かったのか。 江國さんの登場人物はいわゆる正しい位置には収まらないけど、その人たちがその後も穏やかな人生が続いていくのが感じられていたと思ってたけど、今回は、光が見えないまま終わったような印象。 崩壊したまま。 私の読み込みが甘かったのかな。

Posted byブクログ

2016/03/26

ひらがなの文章は読みにくかったが、 だけど、終わりにつれて漢字がまざってくると、それはそれで落ち着かなくなった。 人の心を読める、虫とはなしができる不思議な拓人。 その弟を守る姉、 家に帰らない夫、 若い愛人、ピアノの先生家族、霊園の職員。

Posted byブクログ