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イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る の商品レビュー

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40件のお客様レビュー

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2015/11/03

日本の高度経済成長は、爆発的な人口増加があったから。松下幸之助や本田総一郎のようなすばらしい経営者が居て、メイドインジャパンの自動車や家電が世界を石鹸した、日本人の職人手金あものづくりが大きな原動力になって日本を牽引したというのは、妄想に過ぎない。  GDPで技術大国ドイツを抜い...

日本の高度経済成長は、爆発的な人口増加があったから。松下幸之助や本田総一郎のようなすばらしい経営者が居て、メイドインジャパンの自動車や家電が世界を石鹸した、日本人の職人手金あものづくりが大きな原動力になって日本を牽引したというのは、妄想に過ぎない。  GDPで技術大国ドイツを抜いたから、日本の技術の方が優れているというような考え方が当たり前のように語られているが、一人当たりのGDPでは、日本が1881ドルに対して、ドイツは2989ドルと、明らかにドイツの方が高い。日本の技術がドイツに勝ったというのは、数字として証明できない。 OECDのドル基準実質GDPの購買力平価換算で、日本は1939年、戦前すでに世界第6位だった。 終戦を迎えた時点でおよそ7200万人の人口だった日本は、そこから爆発的に人口が増えていく。戦前すでに先進国としての経済基盤を確立していたうえ、戦後復興に向けて建築やインフラ整備が急がれ、山ほど仕事があった。人口も増えて仕事もある。これでGDPが急成長しないほうがおかしい。 14億の中国のGDPがアメリカを追い抜いて世界一になるのは時間の問題。日本の高度経済成長が、技術立国の「日本でしか起きなかった奇跡」と語る人が多いが、妄想に過ぎない。 効率の悪さ。IMFにより一人当たりの購買力平価(PPP)でみた国民一人当たりの生産性では、日本は25位。ドイツは17位、アメリカ10位である。 日本の男性就業率が80%なのに対して、女性の就業率は62%。ウーマノミクスを実行して女性の就業率が男性並みになれば、日本は最大12%GDPを増やせる。しかし、女性就業率が70%を超えている国は無い。実際のウーマノミクスの効果は、それほどではない。 輸出入に機会がある。日本の輸出はGDPで15%。輸入は12%である。そのうえ、輸出は自動車産業に偏っている。これで貿易大国というには無理がある。輸出を増やした場合、可能な限り輸出入均衡を保つというのが国際社会の暗黙のルール。日本はこれまで守ってこなかった。輸出入によっていろいろな交流が生まれ、国内の刺激になる。 観光業に機会。観光業は世界的に9%であるのに、日本は2%。観光業は国内を消費してもらうという考え方で、輸出にカウントされる。 スケーラビリティ。 農業というが、GDPの1%しかない産業で経済成長が果たせるとは到底思えない。500兆円のGDPを成長させるというのは容易ではない。世界を見渡してもこのような経済規模の国は少ない。ものすごく巨大な船。シンガポールに学べというが、シンガポールは東京23区ほどの面積に人口も日本4%、500万人で、GDPが30兆。シンガポールでカジノがで効果があったからといって、日本がまねをしてカジノをやっても効果は小さい。 1億円企業がやれば利益が倍増するのを真似て1兆円企業が期待できることはない。日本がシンガポールから学べるものは少ない。

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2015/10/25

耳が痛いし、カチンと来る所も無いではないが傾聴すべき点は多い。大企業であるほど、偉くなるほど無能になる(というか、無能な人間が多くはびこっている)、根っからのフォロワー気質でリーダー資質の無い日本人像。まるでWGIPのようだが、多くの優れたリーダーの必要な現代に国としてリーダーを...

耳が痛いし、カチンと来る所も無いではないが傾聴すべき点は多い。大企業であるほど、偉くなるほど無能になる(というか、無能な人間が多くはびこっている)、根っからのフォロワー気質でリーダー資質の無い日本人像。まるでWGIPのようだが、多くの優れたリーダーの必要な現代に国としてリーダーを育てられない仕組みは亡国的とさえ言えるだろう。 観光立国ありき、のような後半には疑問も残るが、観光立国とかオ・モ・テ・ナ・シを題目にすると金儲け根性が出てしまうので、若者の雇用の受け皿としての「職人」の市場を拡大するという見方にすると俄然期待感が増す。

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2015/09/24

著者は本書と、あと2冊を立て続けに書いているのだが、最初の一冊としてこれは妥当だろう。 なぜ外国人が日本文化を語るのか、なぜ日本を豊かにしたいのか、なぜ一般的に言われていない結論が導き出されているのか。 2015年6月に出版された“新・観光立国論”には彼の言いたいことが詰まってい...

著者は本書と、あと2冊を立て続けに書いているのだが、最初の一冊としてこれは妥当だろう。 なぜ外国人が日本文化を語るのか、なぜ日本を豊かにしたいのか、なぜ一般的に言われていない結論が導き出されているのか。 2015年6月に出版された“新・観光立国論”には彼の言いたいことが詰まっている。そちらにも著者について書かれてはいるが僅かである。 彼を知るためには、先ずこれから読むべきである。 なお、同じく講談社α新書から出ている“イギリス人アナリストだから〜”は“新・観光立国論”の内容薄いバージョンなので、あえて買う必要は無いと思われる。

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2015/05/25

元ゴールドマンサックスのカリスマアナリストとして日本の金融再編に多大な影響力を与えながら、日本の国宝・重要文化財を守る江戸時代より続く老舗企業の経営者へと転身したデービッド・アトキンソン氏が、オックスフォードの日本学とゴールドマンサックスの財務分析を駆使し、「日本」の経済と文化を...

元ゴールドマンサックスのカリスマアナリストとして日本の金融再編に多大な影響力を与えながら、日本の国宝・重要文化財を守る江戸時代より続く老舗企業の経営者へと転身したデービッド・アトキンソン氏が、オックスフォードの日本学とゴールドマンサックスの財務分析を駆使し、「日本」の経済と文化を深く考察。日本人だけが知らない「日本の弱みと強み」をわかりやすく解説する。

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2015/05/21

固い内容かな?と心配していたのですが非常に読みやすい 日本の文化財も経済の切り口から守れる事。日本の観光業が文化財を上手に活用していない事 等々が非常に分かりやすく書いてある。読み進んでいて楽しささえ感じる。 また日本人のそれなりのポジションに就いてしまった人たちに共通している ...

固い内容かな?と心配していたのですが非常に読みやすい 日本の文化財も経済の切り口から守れる事。日本の観光業が文化財を上手に活用していない事 等々が非常に分かりやすく書いてある。読み進んでいて楽しささえ感じる。 また日本人のそれなりのポジションに就いてしまった人たちに共通している 数字を分析をしない 面倒くさくてやらない 机上論 事なかれ主義 etc... 外国人から&アナリストの視点を通して面白いほど端的に書かれていて逆に小気味良い感じすらした。  本当に成長したければ 分析と実践 事なかれ主義ではダメという事! 良い本☆

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2015/05/05

読み終わってこんなにすっきりした本も珍しい。 著者のデービッド・アトキンソンさんは、元ゴールドマン・サックスのアナリスト。日本の不良債権を暴くレポートを発表して注目を浴びます。 発表当時は物議をかもしましたが、その後の経緯を見ればどちらが正しかったかはっきりします。アトキンスさ...

読み終わってこんなにすっきりした本も珍しい。 著者のデービッド・アトキンソンさんは、元ゴールドマン・サックスのアナリスト。日本の不良債権を暴くレポートを発表して注目を浴びます。 発表当時は物議をかもしましたが、その後の経緯を見ればどちらが正しかったかはっきりします。アトキンスさんのレポートがかわいく見えるくらい、日本の不要債権はとんでもないことになっていたわけですから。 現在は、国宝や重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社の会長兼社長を務めています。 そんな日本通の著者が、辛口で日本の問題点を指摘してくれています。人によっては感情的に不快になるのかもしれませんが、僕はすっきりしました。意味不明に繰り返される日本礼讃にうんざりしていたからです。   <目次 > 第一章 外国人が理解できない「ミステリアスジャパニーズ現象」 第二章 日本の「効率の悪さ」を改善する方法 第三章 日本の経営者には「サイエンス」が足りない 第四章 日本は本当に「おもてなし」が得意なのか 第五章 「文化財保護」で日本はまだまだ成長できる 第六章 「観光立国」日本が真の経済復活を果たす つづきは⇒ http://amba.to/1zX8OIG

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2015/04/03

文化財の修復等を手がける小西美術工藝の社長であり、かつてはゴールドマン・サックスのアナリストだった英国人による日本への提言。 「ごもっとも」とうなずく事多し。 日本が自らの抱える問題点から目をそらしている現実を冷静かつわかりやすく指摘。 「おもてなし」「技術立国」などの、自己陶...

文化財の修復等を手がける小西美術工藝の社長であり、かつてはゴールドマン・サックスのアナリストだった英国人による日本への提言。 「ごもっとも」とうなずく事多し。 日本が自らの抱える問題点から目をそらしている現実を冷静かつわかりやすく指摘。 「おもてなし」「技術立国」などの、自己陶酔Wordに対して「本当にそうなのか」と分析しているところとか、けっこう面白いです。 苦言って大事。

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2015/03/30

著者の主張は「おわりに」に集約されている。 観光資源を他国並みに活用すれば、GDPで7%上乗せできるという主張はデータと経験に裏付けられており、説得力がある。 企業経営が感覚的、情緒的で合理的でない、サービスが受益者目線でなく、供給者の都合を優先しているなど、極めて正しい指摘...

著者の主張は「おわりに」に集約されている。 観光資源を他国並みに活用すれば、GDPで7%上乗せできるという主張はデータと経験に裏付けられており、説得力がある。 企業経営が感覚的、情緒的で合理的でない、サービスが受益者目線でなく、供給者の都合を優先しているなど、極めて正しい指摘と思う。 それにしても文化財保護の国家予算が80億ちょっとというのは、余りにも少なくないか。

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2015/03/03

てっきり保護や修復のことがあるのかと思いきや、 日本企業、それも文化的な業務をされておられる筆者が、 アナリストとしての経験をもとに、物ならぬ日本の経済の修復について書かれた本でした。 タイトルに「国宝」ってあるから、物の修復の話だと思って買ってしまい、読み進めてものすごーくガ...

てっきり保護や修復のことがあるのかと思いきや、 日本企業、それも文化的な業務をされておられる筆者が、 アナリストとしての経験をもとに、物ならぬ日本の経済の修復について書かれた本でした。 タイトルに「国宝」ってあるから、物の修復の話だと思って買ってしまい、読み進めてものすごーくガッカリしています。 タイトルのつけ方がお上手ですね、講談社さん。 文化にお金を払わない国だということは知ってるから、お金返して(笑)。

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2015/02/09

外国人から見た日本のおもてなしにまつわる誤解や、日本の高度成長の秘密の真実など、興味深いものであった。

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