イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る の商品レビュー
文化財保護と経済成長の話をうまく関連付けようと狙っているが発散しちゃった感じ。最後まで読めばつながりはわかるのだが読むのが少しつらい部分もある。 どちらかに分かりやすく比重をおいた方がよかったかもしれない。
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日本経済に対する厳しい見方と、現在関わっている文化事業の在り方と 二つのテーマが重なる部分がある様でも有り、ストーリーを難しくしている 日本経済については、戦後「高度成長」を皆で頑張ろうというムードでできた 問題はその後、「サイエンス」を習得することが出来なかった 年功序列の仕...
日本経済に対する厳しい見方と、現在関わっている文化事業の在り方と 二つのテーマが重なる部分がある様でも有り、ストーリーを難しくしている 日本経済については、戦後「高度成長」を皆で頑張ろうというムードでできた 問題はその後、「サイエンス」を習得することが出来なかった 年功序列の仕組みが、実力主義も革新も否定する 著者は戦後日本の成功の大部分は生産年齢の人口増によるものとする いわゆる「人口ボーナス」である これから逆回転をしようとする日本の前途は悲観と言うこと アベノミクスの経済政策も2−3年で出来るわけはなく、 サッチャーイズムと同じなら、10年かかる 問題は金融が持続可能ではないと言うこと 文化事業の発展はそのとおり ハードからソフトに変えていかなければならない
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日本の一人当たりのGDPについて調べてみると、この本が出版されて6年も経っているのに、世界における順位は3位も下がっており、数字としては6000ドルほどしか上がっていない。周りの国も上がっているからしょうがない、と思うかもしれないが、そこで、他の国も上がっているから自分達も上げる...
日本の一人当たりのGDPについて調べてみると、この本が出版されて6年も経っているのに、世界における順位は3位も下がっており、数字としては6000ドルほどしか上がっていない。周りの国も上がっているからしょうがない、と思うかもしれないが、そこで、他の国も上がっているから自分達も上げるべきだ、という姿勢で好成績を出している国から積極的に学ぶ姿勢が重要であると考えられる。 日本はご都合主義である、ということに大いに納得した。みんなすぐに隠蔽を試みる...サイエンス誌でも世界で一番データの改ざんが多い国ランキングで、日本は不名誉にも1位を獲得した。科学従事者としても、これらが与える印象は大きく、自分達の論文の正当性が疑われる結果につながるのではないか、と危惧してしまった。これらの根底にあるものが日本人の気質だとしたら恥ずかしいばかりである。 観光業についてはまさにその通りという、気づいているけれど面倒くさいから、一人ではどうにもできないし、という思いで放置していることに気づかされた。英語が公用語でない国でも、英語ツアーを簡単に見つけることができる。それらは主にボランティアではなく、商業的に行われている。そして、内容もかなり充実したもので、5時間ずっと歴史について語ってもらうものだったりすることもある。また、イタリアやスペインでも英語だけではなく、アジア諸語やヨーロッパ諸語のガイドを見つけることができた。こういうところはどんどん見習って、内向的な国ではなく外交的な国になっていく必要があるな、と考えさせられた。 文化財保護について、デービットさんは本当に日本人以上日本文化を愛してくれて、守ろうと必死になってくれている。私も家族で、職人を守る試みとして、華道道具、書道道具、茶道道具、まな板や食器は職人から購入するようにしている。つい先日も近所の神社に一人1マ年ずつ修復寄付をしたばかりである。こういう個人個人の興味が日本文化を救うことに繋がれば良いな、と思う。 個人的には、こういう批判的な本を読むのは日本を客観的に見ることができて面白かった。こういう本を読んで、「いや日本は...」や「外国人に何が分かる」と思ってしまう人は、愛国心が強すぎるあまり、盲目的になってしまっているのかな...?
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アナリストの脳みそがわかって面白い。日本経済が主題で、アベノミクス1つとっても頭ごなしに全否定するわけではなく、良いところは良い、悪いところは悪いとズバズバ切っていきます。いかに日本のニュースに踊らされていたかを痛感した、そんな本です。後半、著者の本業である文化財関連にテーマが移...
アナリストの脳みそがわかって面白い。日本経済が主題で、アベノミクス1つとっても頭ごなしに全否定するわけではなく、良いところは良い、悪いところは悪いとズバズバ切っていきます。いかに日本のニュースに踊らされていたかを痛感した、そんな本です。後半、著者の本業である文化財関連にテーマが移ってしまったのが、少し残念でした。
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タイトルから妄想 「元ゴールドマン・サックスの凄腕の人が日本の国宝に魅せられて…はたまた日本の美術品か寺社仏閣の修復する会社の跡取り娘と恋愛して苦労しながらも会社を継いでいく苦労話ストーリー」なのかな~と思っていたら… あ~た! もう全然違う内容に読みながらびっくり! (いや…勝...
タイトルから妄想 「元ゴールドマン・サックスの凄腕の人が日本の国宝に魅せられて…はたまた日本の美術品か寺社仏閣の修復する会社の跡取り娘と恋愛して苦労しながらも会社を継いでいく苦労話ストーリー」なのかな~と思っていたら… あ~た! もう全然違う内容に読みながらびっくり! (いや…勝手に内容を妄想した私が悪いんだが…) 日本の経済界のバカバカしいところやらからくりやらを説明しつつ「観光大国になるには根本考え直さなきゃムリ~」っていうのを解説している内容だった! でも、ある意味これがおもしろかった。 日本の経済界の大物たちはデータではなくカンで仕事してる話やら、(だから占い師とか頼っちゃって詐欺とかの事件が起こりがちなんだな~)アベノミクスなんて本当は効いてるかそうかなんて今は全くわからないってな話をイギリスのサッチャーさんの話も交えてしてくれてるんだけど、めちゃくちゃ説得力ある。たしかに経済なんて落ちるのは早いけど、1年とかで回復するとか結果出すなんて難しいよね。 あと海外の人が求める「おもてなし」ポイントと日本人が考える「おもてなし」ポイントがずれてるとかの話も納得。 そうか・・・日本の国宝を守っているのはきっと全く別の目で見ているデービッドさんみたいな人たちなんだろな…。 とは言いつつ…日本人としてはなかなか耳が痛い話&胸が痛い話も多く…。文化財の大切さなんてわからないイマドキの日本人も多いんだろな…。
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過去の成功体験にしがみついている場合ではない。 現状を客観的に分析して、変えるべき所は変える。 ―というようなお話。 そう、その通りなのだけれど、それが難しい。 一部の美談を国民全般に拡大する、シンプルアンサーに飛びつく、といった点は、もしかしたら日本人だけではなくありそうな気...
過去の成功体験にしがみついている場合ではない。 現状を客観的に分析して、変えるべき所は変える。 ―というようなお話。 そう、その通りなのだけれど、それが難しい。 一部の美談を国民全般に拡大する、シンプルアンサーに飛びつく、といった点は、もしかしたら日本人だけではなくありそうな気がするけれど、まあ、そうならないようにしたほうがいいことだよね、と思う。 日本人が誇りにしている「おもてなし」。 それが供給者の都合が優先され、本当の顧客本位ではないという指摘に驚く。 自分があまりおもてなしを受けたことがないので、どうかわからない。 日光東照宮の補修も手掛ける美術修復を専門とする会社の経営者となった著者。 実は、補修に関するあれこれの話があるのかと思って読み始めて、期待が外れてしまったのだが、まあ、それでよしとしよう。
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なんと言うか、違和感があるのは否めない。ちゃんとした人なのだろうが。日本人に対して媚びへつらうことなく物を言う姿勢はよいと思う。
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2015.5記。 日本の文化に魅せられた金融プロフェッショナルが世を儚んで茶道に没頭し、京都の古民家に隠遁していたところ、請われて文化財修復会社の社長に。その奮闘記。 えーと、本のタイトルから受けるイメージと実際の内容にかなりのギャップあり。僕としては門外漢ならではの鮮烈な日...
2015.5記。 日本の文化に魅せられた金融プロフェッショナルが世を儚んで茶道に没頭し、京都の古民家に隠遁していたところ、請われて文化財修復会社の社長に。その奮闘記。 えーと、本のタイトルから受けるイメージと実際の内容にかなりのギャップあり。僕としては門外漢ならではの鮮烈な日本文化へのまなざし、みたいなものを想定していたが、中身はあくまで日本経済論、すなわち過去の本業(銀行アナリスト)の思い出話、及びそれをベースとした日本企業の体質論。 国宝、はどこに出てくるんだという感じだが、「日本経済はここが問題、とくにこのままでは『観光業』は立ち行かない、文化行政にもっと予算を」というのが主たるメッセージ。 こうなると往々にして「結局は金目当てか」と怒り出す人が出てくるが、「日本の文化財行政はなってない。うちの会社にカネを落とせばずっとかっこよくしてやるぜ」という主張は分かる(英国の文化財保護との比較部分はやや虫がよいが)。本書は、「理屈でなく情緒で」非効率を温存してきた日本に警鐘を鳴らし、しかしだからこそポテンシャルも莫大であることを訴える本、ということができそうだ。
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外国人から見る日本というものの、 確信をついているところが本当にいい 本当に実行すれば、どんなによくなることであろうかと。 しかし、抵抗勢力強いんだような。
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本書の発刊は2014年6月であるが、その1年後の2015年6月発刊の『新・観光立国論』を先に読んでいたため、内容の重複も多かった。 日本のGDP全体に占める観光産業は2%であるが、世界平均は9%である。 したがって観光産業はまだまだ伸びしろがあり、そのためにはきちんと日本文化を伝...
本書の発刊は2014年6月であるが、その1年後の2015年6月発刊の『新・観光立国論』を先に読んでいたため、内容の重複も多かった。 日本のGDP全体に占める観光産業は2%であるが、世界平均は9%である。 したがって観光産業はまだまだ伸びしろがあり、そのためにはきちんと日本文化を伝えるサービスを提供するべきである。 京都には約200万人の外国人観光客が来るが、大英博物館は年間420万人が訪れる。京都でさえまだまだ伸びしろがあるのだ。 日本の文化財保護は単に保護することを目的としてきた。 客を楽しませる観光資源であるという発想がなかったのだ。 しかも、観光産業は女性の比率が高いため、観光産業が元気になれば、女性の雇用が生まれる。また、シルバーガイドなどを活用して、高齢者にも雇用を生む可能性がある。 日本優先のプロダクトアウトのおもてなしはダメだ。客人に合わせ、客人に仕える気持ちで、外国人観光客に楽しんでもらうための仕掛けを埋め込む必要がある。
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