逢沢りく(下) の商品レビュー
好きな時に涙することができる美少女・逢沢りくの覚醒と成長を描いた作品。上下巻からなり本作は下巻。 * * * * * 関西で繰り広げられる、まるで漫才のようなやりとり。出会う人たちが見せる自分への距離感。戸惑い、毒気を抜かれつつも、しだいに自分の中の変化に気づ...
好きな時に涙することができる美少女・逢沢りくの覚醒と成長を描いた作品。上下巻からなり本作は下巻。 * * * * * 関西で繰り広げられる、まるで漫才のようなやりとり。出会う人たちが見せる自分への距離感。戸惑い、毒気を抜かれつつも、しだいに自分の中の変化に気づいていくりくが描かれています。 例えば谷口ジローさんの絵のような精密なタッチではないし、心情描写が克明に描かれているわけでもありません。なのに、登場人物の想いがきちんと伝わってくるのです。これは文芸作品と言ってもいいでしょう。 直截的な物言いはせず、相手に察してもらう話し方。りくの両親と大叔母夫婦。どちらも同じですが、察してもらう中身が違いました。 自分への優しさを要求するりくの両親。相手や周囲への思いやりを込める大叔母夫婦。その差は大きい。 りくへの思いやりをセキセイインコが知らせてくれるシーン。さらに時ちゃんが見せるストレートな好意。 それらに触れることで、本当の意味での感性や自立心が育っていなかったりくの心が解きほぐされ変化していくラストシーン。本当にすばらしかった。名作だと思います。
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毎日のお勤めがなくなって、数年たちました。急激に世間に疎くなった結果の先に「老い」を予想してビビっていますが、たとえば、ほしよりこさんのこんなマンガが、新しい経験になることを実感しています。 何が新しいのかうまく言えませんが、この絵で、この結末を書く人がいることに、とてつもな...
毎日のお勤めがなくなって、数年たちました。急激に世間に疎くなった結果の先に「老い」を予想してビビっていますが、たとえば、ほしよりこさんのこんなマンガが、新しい経験になることを実感しています。 何が新しいのかうまく言えませんが、この絵で、この結末を書く人がいることに、とてつもない新しさを感じています。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202104210000/
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何度読んでも、ラストでいつも泣く。 なんだろう、これ。 どうしてこんな人間味溢れた素晴らしい作品を生み出せるんだろう。 ほしよりこという人の個性と才能にひれ伏す。
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ウソ泣きができなくなったあたりからフラグはたっていたけど、わかっていてもラストにやっぱり泣かされる。 「オネーチャン マトカ セヤナ」がいじらしくて。。 あとはお母さんが心配。 りくはあの家庭で幸せにくらしていけるかな。。 著者関西人なのかな?と思ったら京都出身とのこと。 外側から見た関西な感じで、でも会話のテンポが関西人すぎてうまい。 ネーム段階のような絵は好みが分かれそう。
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読み終わって、あーここに連れて来たかったんだ。言葉では表現しづらいこの気持ちを、伝えたかったんだって感じました。
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関西弁が大嫌いな、東京在住で中学生の女の子が、ひょんなことから関西の親戚の家に住まなくてはいけなくなるお話。 自分が大阪出身ということもあり、苦手な親戚とのやりとりがとてもリアルなので、学生時代にタイムスリップしてしまったかと思った。 家族や親戚のウザさ描写では今まで「天然コケッコー」という漫画が自分の中で1位だったのだけれど、逢沢りくに追い抜かれた。
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このラフな絵で、なんでこんなに伝わってしまうのか・゜・(つД`)・゜・ いいなあ。 映画になればいいのに、と、 さいご、 主人公が×ってああなるので、 そうおもいました。
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逢沢りくは、お母さんがしてほしいことがわかる。それをやってあげてる。母娘関係が、母視点からもかなり詳しく描写されている。逢沢りくは本当に思っていることをトキ坊にだけは言った。トキ坊には言いたいことが伝わっていないが、本当のことを他人に言ったことが決定的だった。
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淡白で感情を素直に出せない少女、逢沢りく。本当は悲しくなくてもここぞという場面では水道の蛇口をひねるように嘘の涙をこぼすことが出来た。そんな彼女が関西の親戚の家にホームステイをすることに。関西弁なんて嫌い。私は環境に染まらない!と意地を張るけどいつもりくの周りの人達は機関銃のよう...
淡白で感情を素直に出せない少女、逢沢りく。本当は悲しくなくてもここぞという場面では水道の蛇口をひねるように嘘の涙をこぼすことが出来た。そんな彼女が関西の親戚の家にホームステイをすることに。関西弁なんて嫌い。私は環境に染まらない!と意地を張るけどいつもりくの周りの人達は機関銃のような関西弁でしきりにお世話を焼いてくる。それでもなかなか心を開かないりく。ですが、自分をお姉ちゃんと慕ってくれる親戚の子の時ちゃんに自分でも知らないうちにいつしか情が移って…最後にはセーブしていた感情がわーっとほぐれていくとこがとても良かったです。 もらい泣きした~!すごく良いお話だった!! クールなりくと関西の人たちのお笑い系ノリのギャップがかなり面白かったです。親戚の人たちの会話が楽しくて古き良き時代の懐かしのホームドラマを見ているようなほっこりした気分になってしまいました。 ほしよりこさんって猫村さんの方なんですね。猫村さんも読んでみたいな。
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主人公は、蛇口を捻るように涙が出せる女の子。りくの気持ちも分かるし、お母さんの気持ちも分かるし、ときちゃんは可愛い。下巻の後半は泣きました。
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