最後のトリック の商品レビュー
キャビアがイクラ…じゃなかった、いくら高級で世界の三大珍味のひとつに数えられるといっても、苦手な人は苦手なわけで、小説の好きな私にも、苦手なジャンルがあるとすれば、それは本格推理。 これはもう善し悪しの問題ではなく、苦手という以外ありません。 どうしてここまで物語が入り組んでいな...
キャビアがイクラ…じゃなかった、いくら高級で世界の三大珍味のひとつに数えられるといっても、苦手な人は苦手なわけで、小説の好きな私にも、苦手なジャンルがあるとすれば、それは本格推理。 これはもう善し悪しの問題ではなく、苦手という以外ありません。 どうしてここまで物語が入り組んでいなければいけないのだろう、どうしてこんなに不自然でややこしいのだろう―という疑問が読んでいる間中、頭にあって離れないものですから、事件が解決した時にはカタルシスどころか疲労感に満たされるわけです。 耐性がないともいえます。 本書はそんな本格推理に属する小説。 なら、なんで買うねん! と、大阪弁で突き込みを入れられそうです。 書店で本書のタイトルを見て強く心を惹かれ、8秒後には本書を携えてレジの前に立っていたのです。 「最後のトリック」とは何か? それは「読者が犯人」という、ミステリー界最後の不可能トリックといわれるものです。 ね? これを聞いただけでワクワクしませんか? そりゃもう貪るように読みましたよ。 ぎっくり腰なので自宅にいるときは横になっている以外ないのもあって、ほぼ1日で読了しました。 リーダビリティーも高くてすらすら読めるんですね。 で、ラストの大仕掛けが炸裂して大団円。 なるほど、これは「私が犯人」です。 本筋とはあまり関係ないですが、かなりの紙幅を割いているあの話は、この「読者が犯人」というトリックに奉仕しているのですね。 よくまあ、こんな緻密な構成を考えつくものだと脱帽します。 でも、それでも、やっぱりスッキリしないものがあるんです。 うーん、苦手意識は払拭されませんでした。 すみません、私が悪いんです。
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オビに大書された「読者全員が犯人」というコピー、そして冒頭にて作家・深水黎一郎に送られてきた手紙の中で、差出人の香坂誠一が述べている「読者が犯人」というアイデアから、私たち読者が犯人という結末は推測できました。 ただ、そんな大風呂敷を広げておいて、納得できる形で物語を終えられるの...
オビに大書された「読者全員が犯人」というコピー、そして冒頭にて作家・深水黎一郎に送られてきた手紙の中で、差出人の香坂誠一が述べている「読者が犯人」というアイデアから、私たち読者が犯人という結末は推測できました。 ただ、そんな大風呂敷を広げておいて、納得できる形で物語を終えられるのか、そんなことを考えながらページをめくっていきました。 <以下はネタバレと言えなくもない内容を含みますのでご注意を> 先にも述べたように、本作は作家・深水黎一郎に対し、香坂誠一という男から送られてくる複数の手紙を中心に物語は進みます。 「読者が犯人」というアイデアを二億円で買ってほしいと要求する内容と、突然に突拍子もないことをいう自分のことをわかってもらうための自伝的な内容とがしたためられた手紙。 (後者は「覚書」と銘打たれています) まず、この手紙自体がとても読み応えがあり、その不思議な雰囲気に呑まれるように、物語に引き込まれました。 やがて読み進めるにつれ、その手紙のことも含めてこの小説全体が、深水黎一郎が実際に体験していることをありのままに綴った新聞連載小説であることが判明します。 さらに、端々に挿入される超能力研究の教授とその実験のエピソード。 どこにどう連れて行かれるのか、足元のおぼつかない感じのまま、でも気になってどうしようもない気持ちにぐんぐんと引っ張られながら、一気に終盤まで持っていかれました。 結末にいたって、被害者が誰であるかが明かされ、読者が犯人であることの謎解きがおこなわれます。 個人的には、「なるほど、参りました。」と素直に認めることができる内容でした。 ただ、作者の本意ではないかも知れませんが、この小説の面白さはその力技それ自体よりも、やはり香坂誠一の手紙と覚書が持つ異様な迫力と考えます。 ラストも香坂誠一の手紙で締められるのですが、「ジキル博士とハイド氏」や「そして誰もいなくなった」を思い起こさせられ、余韻もバッチリでした。
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うーん?? まぁー落ち的にはそんなもんか! ありがちっていえばありがちだし 今までなかったって言えばなかった気がする
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本の帯に読者全員が犯人。と書いてあったので興味津々で購入。確かに読者全員が関わる展開になる結末だが、やられた感が無いのは強引すぎる流れのせいか?斬新さも感じず終わった。
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ラストに驚愕!犯人はこの本の≪読者全員≫!アイディア料は2億円。スランプ中の作家に、謎の男が「命と引き換えにしても惜しくない」と切実に訴えた、ミステリー界究極のトリックとは!?
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著者のデビュー作。なかなか文庫にならないなぁと思っていたら、講談社ではなく河出書房から文庫化された。 リーダビリティが高く、先が非常に気になるミステリ。盲点を突いたとも言うべきトリックの発想が凄い。但し好き嫌いは別れそう。個人的に大技を使うミステリはぜひ応援したいw どうせ絵空事...
著者のデビュー作。なかなか文庫にならないなぁと思っていたら、講談社ではなく河出書房から文庫化された。 リーダビリティが高く、先が非常に気になるミステリ。盲点を突いたとも言うべきトリックの発想が凄い。但し好き嫌いは別れそう。個人的に大技を使うミステリはぜひ応援したいw どうせ絵空事なら大嘘を強引にでもつき通して欲しいじゃないか。
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