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最貧困女子 の商品レビュー

3.8

174件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

    39

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

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2018/12/24

女性の貧困についてのルポ。 特に提案や主張はほとんど無く、淡々と、貧困女性の状況について取材した事実を述べている。 貧困の種類や、性産業との関わりについてとてもわかりやすく整理されて書いてあった。 この本にあるような状況に近いところにいる生徒には、いままでよりも更に強く、他者と...

女性の貧困についてのルポ。 特に提案や主張はほとんど無く、淡々と、貧困女性の状況について取材した事実を述べている。 貧困の種類や、性産業との関わりについてとてもわかりやすく整理されて書いてあった。 この本にあるような状況に近いところにいる生徒には、いままでよりも更に強く、他者とのつながりの大切さを伝えていきたい。

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2018/10/08

ここの書かれている事例は、絶望的で救いようがないものばかりだ。格差が昨今、社会的議論な議論を呼ぶ中で、こうした社会の底辺にいる人達については、自己責任という言葉を持って切り捨てる空気が存在するが、著者は取材を通じて酷い現実に直面し、そうした空気が間違っている事を主張している。 ...

ここの書かれている事例は、絶望的で救いようがないものばかりだ。格差が昨今、社会的議論な議論を呼ぶ中で、こうした社会の底辺にいる人達については、自己責任という言葉を持って切り捨てる空気が存在するが、著者は取材を通じて酷い現実に直面し、そうした空気が間違っている事を主張している。 こうした最底辺でなんとか食いつないでいる女性達は、3つの縁が断絶しているという。家族との縁、教育機会との縁、そして社会保証との縁だという。多くの場合、そもそも家庭環境に問題をかかえ、親から虐待を受け、まともな愛情を受けた経験が無く、また最近問題が表出化する事が多い育児放棄の状態で成長したため、思考力や理解力も人並み以下となって貧困へと落ちていくのである。 更には、知的障害や発達障害、精神障害を抱えた女性も同じく、貧困に吸い込まれ二度とそこから脱出することが出来ない。こうした女性達が行き着く先は、例外なく風俗である。しかし、その風俗産業とて、格差が存在し、容姿に恵まれていない、もしくはコミュニケーション能力がなければ、必然的にさらに愚劣な環境の元で、風俗産業というよりは、売春で食いつなぐだけのその日暮らしの毎日を送る事となる。彼女たちは生きるための売春をしているのである。 この問題に解決策があるかというと、かなり悲観的にならざるを得ない。結果的に風俗や売春が貧困を支えるインフラのような形となることで、公的なセーフティーネットによっても捉えきれないこうした層が生きながらえているというのが現状であろう。 貧困は親から子の世代へ連鎖し、その禍根を断ち切る事が重要だろう。しかし、それは簡単ではなく、これをすれば解決できるという類の問題ではない。

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2018/07/09

家出して セックスワークしてネカフェを渡り歩く そんな彼女たちをある程度 本人の自由だ と思う気持ちは この本を読むと吹き飛んでしまいました 生きるために 性しか使えないというのはなんとも恐ろしい 女郎屋や赤線みたいな自分の体を道具として酷使する話は まだちゃんと現実としてあるん...

家出して セックスワークしてネカフェを渡り歩く そんな彼女たちをある程度 本人の自由だ と思う気持ちは この本を読むと吹き飛んでしまいました 生きるために 性しか使えないというのはなんとも恐ろしい 女郎屋や赤線みたいな自分の体を道具として酷使する話は まだちゃんと現実としてあるんだとショックを受けた本でした

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2018/05/16

鈴木大介 著「最貧困女子」、2014.9発行です。働く単身女性の三分の一が114万円以下、中でも10~20代女性を貧困女子と呼んでるとか。更に、3つの無縁(家、友、社会制度)と3つの障害(精神、発達、知的障害)で売春や性風俗で稼ぐしかない女子を最貧困女子と呼んでるそうです。非行少...

鈴木大介 著「最貧困女子」、2014.9発行です。働く単身女性の三分の一が114万円以下、中でも10~20代女性を貧困女子と呼んでるとか。更に、3つの無縁(家、友、社会制度)と3つの障害(精神、発達、知的障害)で売春や性風俗で稼ぐしかない女子を最貧困女子と呼んでるそうです。非行少女から始まり、家出、そして最貧困女子に。著者は、なぜ非行に走ったのか、その原点に視点を置き、その実態に迫らんとしています。入口を探れども出口の見えにくい難しい問題に思えます。読んでて辛くなります。

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2018/05/04

どう救えばよいのかわからない人がいることに愕然としました。普段そのような人と接する機会がないだけで、同じ市や町に住んでいる。読んでいて苦しくなるのですが、現実を知っておいた方が良いと思いました。 ■メモしたい言葉 ・「貧困と貧乏は違う」:貧乏とは単に低所得であること。低所得であっ...

どう救えばよいのかわからない人がいることに愕然としました。普段そのような人と接する機会がないだけで、同じ市や町に住んでいる。読んでいて苦しくなるのですが、現実を知っておいた方が良いと思いました。 ■メモしたい言葉 ・「貧困と貧乏は違う」:貧乏とは単に低所得であること。低所得であっても、家族や地域との関係性が良好であれば決して不幸せではない。一方で貧困は低所得は当然として、あらゆる人間関係を失い、もう一歩も府みなせないほど精神的に困窮している状態。

Posted byブクログ

2018/02/19

この本に書かれてあるような女性を働く意思がないから、立ち上がろうとしないその人せいだと思っていた。でもいろんな要因で選択肢が狭まっているのだと知った。心も体も疲れきっていたら何かを考える気力も起きないだろう。自分のものさしはすごく小さくて狭いと思い知った。

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2018/02/06

日本は若者の自殺率が高い。イジメが原因とか色々と言われてるけど、もしかしたらこの本にあるような貧困が原因なのではないかと思った。心を支配する闇は深く、不可解。しかも著者が何度も使っているように、きっと本当に面倒くさい 性格なんだろう。 その愛しにくさゆえに、さらに貧困にハマってい...

日本は若者の自殺率が高い。イジメが原因とか色々と言われてるけど、もしかしたらこの本にあるような貧困が原因なのではないかと思った。心を支配する闇は深く、不可解。しかも著者が何度も使っているように、きっと本当に面倒くさい 性格なんだろう。 その愛しにくさゆえに、さらに貧困にハマっていく。著者の言う恋愛だけが彼女たちを救える気がする。

Posted byブクログ

2017/11/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ネットニュースのコラムから興味を持った本。 納得する部分が、私には多かった。 気になった部分 ・『人は低所得に加えて、「三つの無縁」「三つの障害」から貧困に陥ると考えている。』 ・『「貧困と貧乏は違う」』 ・『「おにぎりとコスメ」がある。』 ・『彼女らの異様に高い「恋愛自爆率」だ。 彼女らは恋愛に救いを求め、恋愛でつまぅき、恋愛でひとたび抜け出した貧困の中に舞い戻る。』 ・『恋愛、失敗、孤独、貧困。繰り返すほどに傷は深まり、人生の選択肢は狭まっていく。』

Posted byブクログ

2017/10/19

読んだ後の疲労感と脱力感、そして無力感がすごい。これがこの世の現実なのかと。 著者も言う通り、自分にはほとんど何もできないし、この状況がすぐに変わるわけでもないと思う。それでも、まずは知ることから始めたい。なぜなら最貧困層は今まで見向きもされてこなかったのだから・・・ 可視化して...

読んだ後の疲労感と脱力感、そして無力感がすごい。これがこの世の現実なのかと。 著者も言う通り、自分にはほとんど何もできないし、この状況がすぐに変わるわけでもないと思う。それでも、まずは知ることから始めたい。なぜなら最貧困層は今まで見向きもされてこなかったのだから・・・ 可視化してくれた著者に感謝の星5つ。

Posted byブクログ

2017/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最貧困の状態にある様々な女性を紹介し、問題提起、とにかく可視化することに注力された本。セックスワークの社会化(売春ワークは違法)、公的民営的に救いの手を差し伸べる社会にすること、が書かれています。 個人的な意見感想です。読んでもウシジマくん的な世界で想像できない。色んな環境の人がいるし、そこからどうなるかも人それぞれだから、一方的な感想も持てない。それしか方法がなかったのかと思うのもあれば、甘えだと思うこともあった。いわゆる普通の人でも色々抱えて踏ん張ってるのは同じだという気持ちもある。 自分が女故にセックスワークがそもそも合法化されていることもわからない(わからないことが恵まれていると言われるとそれこそどうしようもない)し、それがなくなって需要供給両側に困る人がいるのも事実。 あらゆる方面から考えなければいけない問題で、本では全く触れられていないが、救済が必要とされる被害者が加害者に変わり、その二世三世と続くことを避けることも同時に考えなければいけないと思う。言葉が適切でないのは承知しているが、育てられないようであれば、子を持ってはいけない人も確実にいる。やっぱり子供に罪はない。 どんな環境であっても、自分でいつか道を選べるよう、教育が大事で、貧しくとも、住むところがあること、食べ物があること、教育を受けられること、これはやはり国が保障しないといけない。それ以外というと冷たいかもしれないが、待ってるだけではなく、求める努力もしなければならない。 その子供たちが大人になる時、自分の知恵で道を選べるように、少しでもそうなればいいと思います。 一番ショックだったのは、障害を持っていて、セックスワークにしか身を置けない人たちもいるということ。これはちょっと上記の意見には当てはまらないな。 読むべき本!とは言えないけど、知らないことも罪な気もしました。

Posted byブクログ