水声 の商品レビュー
たしかにいつもの文体。 経験したことのない気持ちすら、 体の中に、同じ浸透圧で入ってくることばたち。 だけれどもこれは、今までとはなにか違う世界。 そう、熊がしゃべったりするよりも異質な世界だった。 人間しか出ては来ないのに。霊的なものを感じさせる。 何年かしたらもう一度読んでみ...
たしかにいつもの文体。 経験したことのない気持ちすら、 体の中に、同じ浸透圧で入ってくることばたち。 だけれどもこれは、今までとはなにか違う世界。 そう、熊がしゃべったりするよりも異質な世界だった。 人間しか出ては来ないのに。霊的なものを感じさせる。 何年かしたらもう一度読んでみたい。それまで評価はおあずけ。
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この方の本にしては、珍しくスムーズに読み終わった 読みやすかったのです。 でも、家族の物語?というのは違うと思うし 不思議な世界感でした。
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女史の作品をすべて読んだわけではないので、あまり偉そうなことは言えないのだけれど、久しぶりに女史の小説を読んだ感想としては、なんだか今までの作品と違った印象を持ちました。もともと繊細な感性を感じる能力に乏しい私の劣化がこのような印象に結び付いたのでしょうか。私の同年代の主人公の会...
女史の作品をすべて読んだわけではないので、あまり偉そうなことは言えないのだけれど、久しぶりに女史の小説を読んだ感想としては、なんだか今までの作品と違った印象を持ちました。もともと繊細な感性を感じる能力に乏しい私の劣化がこのような印象に結び付いたのでしょうか。私の同年代の主人公の会話としては、とても子供じみているように想えたもので。少しく残念に思いましたです。以上。
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読んでいる最中、これは江國香織さんの小説だったかしら?と、ふと思うことがたびたび。 とても好きな世界。 道徳とか常識とかに囚われない家族の物語。 そして今年いちばん好きな装丁。
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主人公の都は中年になってから弟の稜と昔住んでいた一軒家に暮らし始める。 大好きなママ、開かずの部屋、親戚、幸せな家庭のようで、どこか歪んでいる関係。
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やはり川上弘美氏の作品とは相性が悪いらしい。。。 長編と帯にはあったがたいした長さでなかったので良かった^_^; 家族でうんちゃらものは苦手なんだよな(笑)
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距離のことを言っているのだろう、と思った。 あなたと私を隔てる距離、過去と今を隔てる距離、 生と死を隔てる距離。 焦がれるのは、あなたと私の間に、どうしようもない距離があるからだろう。 あなたと私が違うものだからなのだろう。 けれど違うものだと思うから、 嫉妬したり、期待したり...
距離のことを言っているのだろう、と思った。 あなたと私を隔てる距離、過去と今を隔てる距離、 生と死を隔てる距離。 焦がれるのは、あなたと私の間に、どうしようもない距離があるからだろう。 あなたと私が違うものだからなのだろう。 けれど違うものだと思うから、 嫉妬したり、期待したり、比べたりしてしまって、 私は時々、他人との距離の取り方が、 自分自身との距離の取り方が、 過去との距離の取り方が、 分からなくなってしまうのだ。
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川上弘美さんの作品は大好きなので全部の著書を読んでるといっても過言ではないほど、読んでます。 この作品はかなり雰囲気が違う。江國香織さんの作風にとても近い印象をはじめもった。江國さんの『神様のボート』にとてもよく似ている(そしてわたしにとってそれは大好きな作品なのでとても嬉しいこ...
川上弘美さんの作品は大好きなので全部の著書を読んでるといっても過言ではないほど、読んでます。 この作品はかなり雰囲気が違う。江國香織さんの作風にとても近い印象をはじめもった。江國さんの『神様のボート』にとてもよく似ている(そしてわたしにとってそれは大好きな作品なのでとても嬉しいことである) 風変わりで飄々としたママと、血筋では父親ではないパパ、娘の都と、一つ年下の陵。さまざまな事柄、あの夏の日のこと、過去のこと、ずっとずっと過去のこと、夢の中のこと、そしてこれからの未知なことたちのこと。 言葉の一つ一つにときおりうっとりとしてしまう。ため息がこぼれて、ぼーっとする。冷たくひんやりとしている、そんな物語。すごく好き。禁忌を、禁忌として描かないこと、危険なママの香り、不鮮明な家族、だけどそれはまるで昔からそうであったかのような形でしかないこと。ふわふわと、さらさらと、さめざめと。つかみどころがない、まさに水を抱くような、そんな物語。溺れないように流れる川ん漂流しているかのような、そんなひんやりとした、美しい物語。
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+++ 過去と現在の間に立ち現れる存在「都」と「陵」はきょうだいとして育った。だが、今のふたりの生活のこの甘美さ! 「ママ」は死に、人生の時間は過ぎるのであった。 +++ 「ママ」の存在の大きさと、彼女を取り巻く人たちの距離感。死んでもなお影響を与え続ける圧倒的な存在感。いつも...
+++ 過去と現在の間に立ち現れる存在「都」と「陵」はきょうだいとして育った。だが、今のふたりの生活のこの甘美さ! 「ママ」は死に、人生の時間は過ぎるのであった。 +++ 「ママ」の存在の大きさと、彼女を取り巻く人たちの距離感。死んでもなお影響を与え続ける圧倒的な存在感。いつもどこかに彼女の声を聞きながら、姉弟として育った都と陵は自分の身の内にある水の声に耳を傾けながら、かけがえのない存在を身近に感じながら生きているのである。途方もなく甘美でありながら哀しく切なすぎる一冊である。
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