アイネクライネナハトムジーク の商品レビュー
著者の作品は、以前読んだ本以来苦手意識があり、ずっと気になりながらも手に取らずに来ていました。 人気作家さんなのに、どうして苦手なのだろうと悩んでいましたが、今回、勇気を振り絞って読む事に。 結果は大正解! 物凄く面白かったです。 時代を19年前後しながらの連作短編集。 この人...
著者の作品は、以前読んだ本以来苦手意識があり、ずっと気になりながらも手に取らずに来ていました。 人気作家さんなのに、どうして苦手なのだろうと悩んでいましたが、今回、勇気を振り絞って読む事に。 結果は大正解! 物凄く面白かったです。 時代を19年前後しながらの連作短編集。 この人はあの人のアレ、とあちこちに繋がりがあり、それを探すのがとっても楽しかったです。 メイクアップの復讐劇未満の事件。 結衣と佳織がとても気持ちいい。そしてその夫も。 この後の展開は、この本の中にはなかったですが、どこかにあるのでしょうか?
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ロングレンジに続き、伊坂作品では珍しい「日常」が描かれた短編集。平凡代表みたいな生活を送っている私からすると、世界チャンピオンのボクサーが身近にいるなんて、とんでもなく「特別」ですが… 短編集とはいえ、登場人物が少しずつリンクして1つのお話しになっています。 サブマリンの終わりの...
ロングレンジに続き、伊坂作品では珍しい「日常」が描かれた短編集。平凡代表みたいな生活を送っている私からすると、世界チャンピオンのボクサーが身近にいるなんて、とんでもなく「特別」ですが… 短編集とはいえ、登場人物が少しずつリンクして1つのお話しになっています。 サブマリンの終わりの方で、陣内と若林青年と武藤が快気祝いを行った北京ダックバーと、窪田と小久保が鉢合わせする職場近くに出来たばかりの北京ダックバーはもしかして同じ場所なのでは? こういうリンクがあるから、伊坂作品はやめられない!
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最初のきっかけは斉藤和義さんからの依頼だったそうです。それがこんな膨らみを見せる、さすがの伊坂ワールドです。「アイネクライネ」から始まる5つの短編はそれぞれ一つのお話として読めるのに登場人物が少しずつ重なって、時系列もずれるというお得意の仕掛け。こういう関連やその後を楽しめる連作...
最初のきっかけは斉藤和義さんからの依頼だったそうです。それがこんな膨らみを見せる、さすがの伊坂ワールドです。「アイネクライネ」から始まる5つの短編はそれぞれ一つのお話として読めるのに登場人物が少しずつ重なって、時系列もずれるというお得意の仕掛け。こういう関連やその後を楽しめる連作の形は大好きなのでのんびりと世界に浸りました。ラストの「ナハトムジーク」はある程度分かったつもりでいた私の想像の上を行き、綺麗な回収に気持ちの良い読後感で本当に満足しました。優しい世界は私の心まで綺麗にしてくれた気がします。
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人はどこかで繋がっている。 ただ、その繋がりが見えるときとそうでないときがある。 誰かの為に頑張るわけではない。でも、自分の頑張りが誰かを励まし、生きる力を与えることがある。それは逆も言えることで、誰かの頑張る姿が自分を助け、自分を強くし、自分に生きる希望を与えてくれることもあ...
人はどこかで繋がっている。 ただ、その繋がりが見えるときとそうでないときがある。 誰かの為に頑張るわけではない。でも、自分の頑張りが誰かを励まし、生きる力を与えることがある。それは逆も言えることで、誰かの頑張る姿が自分を助け、自分を強くし、自分に生きる希望を与えてくれることもある。 きっと自分というものは東京の地下鉄以上に複雑な繋がりによって構成されているのだ。
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市井の人々の繋がりと、ささやかな奇跡に主眼を置いた連作短編集。言葉の一つ一つが染み込むように軽やかで、非常に読みやすく文体のリズムもいい。個人的には、収録短編の中では、文字通り「奇跡」がウェイトの多くを占めた「ライトヘビー」が一番面白く読めた。それ以外の短編も面白く、伊坂特有のリ...
市井の人々の繋がりと、ささやかな奇跡に主眼を置いた連作短編集。言葉の一つ一つが染み込むように軽やかで、非常に読みやすく文体のリズムもいい。個人的には、収録短編の中では、文字通り「奇跡」がウェイトの多くを占めた「ライトヘビー」が一番面白く読めた。それ以外の短編も面白く、伊坂特有のリンクの繋げ方がはっきりとしていて読んでいて頬が緩む場面が多い。加えて、本作は恋愛とあとがきで語っているわけだが、それ以上に「絆」という側面を強く感じ、それが前述したリンクの使い方と噛み合っているのが良い。特に深い人生哲学や気づきがあるわけではないのだが、よりシンプルに削ぎ落とした市井の人々のありふれた生活実感や、最大公約数的な雑感を丁寧に切り取るバランスが良さが魅力に繋がっているのだろう。近年出た伊坂幸太郎の新刊の中では、誰にでも勧められるいい短編集だと思います。
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映画公開に備えて読む。何これ伊坂幸太郎の恋愛小説かと思いこのままリレー方式で物語が続くのかと思ったら、やはりそのまま予定調和的な物語が続くわけもなく、時代が10年20年行ったり来たり、付いていくのが大変だった。とまれ著者には珍しく殺しもバイオレンスもなくしみじみと終わってしまった...
映画公開に備えて読む。何これ伊坂幸太郎の恋愛小説かと思いこのままリレー方式で物語が続くのかと思ったら、やはりそのまま予定調和的な物語が続くわけもなく、時代が10年20年行ったり来たり、付いていくのが大変だった。とまれ著者には珍しく殺しもバイオレンスもなくしみじみと終わってしまった。映画ではやはりキュルキュルと巻き戻し仕法が使われるのかしら。中程で「ともにやっていくことのできない他国とは、距離を置く方がお互いの国民のためだからな」とあるが、昨今の彼の国との関係を予見していたのだろうか。
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2019.04.20読了。 今年9冊目。 ひさしぶりに伊坂さん。 面白かったけどいつもよりスピード感はなかったような。 恋愛のお話だったからかな。 織田一真がツボw
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上手い短編連作で何とも心地よい。インパクトに欠け、おそらく記憶から薄れていくのも早いだろうが、彼の作品を読み継いでいきたいと感じさせる
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前の話の脇役が次の話で主人公になったりする、各話が細く繋がる連作短編集。全体としてのまとまりもあり、名前の付いている登場人物は子供も含めて繰り返し登場しますので、人物相関図を作りながら読むと良いかも。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編なんだけど、登場人物が他の話に出てきたり関わっていたりして、みんな繋がっている。 ひとつひとつのお話もおもしろいけど、続けてひとつの物語として読むとさらに楽しめる。 結衣と佐藤さんがすき。佳織さんも結構すき。 ナハトムジークの、ラウンドボーイと小野さんのシーンがよかった。 どなたの娘か知っているのか作戦おもしろかった笑
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