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世界から猫が消えたなら の商品レビュー

3.5

871件のお客様レビュー

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2023/06/11
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※このレビューにはネタバレを含みます

◾️record memo 何かを得るためには、何かを失わなくてはね 人間は何も失わずに、何かを得ようとする。でもそれは奪う行為に他ならない。 だれかが得ているそのときに、だれかが失っている。 だれかの幸せは、だれかの不幸の上に成り立っているのだ。 どうして人は、自分でもできないことを他人に期待してしまうのだろうか。 人生は近くで見ると悲劇だけれど、遠くから見れば喜劇だ いままで、僕だってそれなりにがんばって生きてきたつもりだ。 意味を考えていたって始まらないよ。意味なんてどうでもいいじゃないか。生きていくことは美しくすばらしい。くらげにだって生きている意味がある きっとそうなのだ。どんなものでも、そこに存在することには意味があるのだろう。くらげだって、道ばたの小石だって、盲腸にだって意味があるんだ。きっとね。 道を知っていることと、実際に歩くことは違う いいものは、いいのだ 昔からそうだった。ツタヤは何か人を助けるときには、そこにまるで理由など存在しないかのように、あっさりとそれをやり遂げるのだ。 「あってもなくてもよいもの」が集まり、その外形を人型にかたどって「人間」というものが存在している。 例えば僕にとっては、僕が観てきた無数の映画と、その映画に結びついている思い出たちがかたどっている姿こそが、僕そのものなのだ。 そうだ。あのときひとりで窓の外を見ているツタヤに、僕はとても救われた気がしたんだ。誰とも交わらず、焦らず、ただゆっくりと、ひとりで大切なものだけを見つめようとしている。その姿に僕は救われた。 人生はチョコレート箱のようだ。開けてみないと分からない。 大人になって得たものと失ったもの。 チャップリンは晩年に言った。 「私には傑作は残せなかった。だが人を笑わせた。悪くないだろ」 見たくないシーンばかりがやたらと長い。逆にもう少し見たいと思ったシーンは、いいところでカットがかかってしまう。そんな人生だ。 悲しいシーンにこそ明るい音楽を! たとえ小さく地味な映画だとしても、その映画に人生を救われ、励まされた人がいて欲しい。 ほとんどの大切なことは、失われた後に気付くものよ 道ばたの雑草たちは、北風のなか、かすかな太陽の暖かさを頼りにつつましくその花を咲かせていた。 本当に大切なことを後回しにして、目の前にあるさほど重要ではないことを優先して日々生きてきたのだ。 目の前のことに追われれば追われるほど、本当に大切なことをする時間は失われていく。そして恐ろしいことに、その大切な時間が失われていることにまったく気付かないのだ。ちょっと時間の流れから離れて立ち止まってみれば、どちらの電話の方が自分の人生にとって重要なのかはすぐ分かることだったのに。 猫というのは大したものだ。いつも僕の気持ちには反応してくれないくせに、本当に辛いときはこうしてそばにいてくれる。 時間と同じように、猫の世界には「孤独」も存在しないのだろう。ただ「自分だけの時」と「自分以外もいる時」だけが存在するのだ。 孤独は人間だけの持ち物なのかもしれない。 悪意。これもまた人間しか持ちえない感情。 家族って「ある」ものじゃなかった。 家族は「する」ものだったんだ。 やっぱりあなたのお母さんは最高ね。魔法使いみたい いつまでもあなたの素敵なところが、そのままでありますように。 なんで、母さんがやがてこの世界から消えることを、あのときの僕は想像できなかったのだろう。 ちょっとした魔法みたいなものよ。もしいつの日か、あなたがひとりでどうしようもなく悲しいときは無理矢理でも笑って目をつぶればいいの。同じように何度でもすればいいのよ 幸せか、不幸せか。自分ではよく分からない。ただひとつだけ分かることがある。そう思うだけで、人はいくらでも幸せにも、不幸せにもなれるということだ。 人間というのはとかく、選んだ人生から選ばなかった方の人生を眺めて、うらやましがったり後悔したりしている生き物ですから 自分の生きている世界を一周まわってみて、あらためて見る世界はたとえ退屈な日常であったとしても、十二分に美しいということに気付いたんです。 人は簡単に宝物をガラクタに変える能力がある。

Posted byブクログ

2023/05/30

何かを得るには何かを失わなきゃいけない。 物を抱えていられるキャパは決まってるから、新しいものが入る隙間を常に空けておいた方がいいのかも。 失うことを恐れてばっかりで、それを維持管理することにストレスを感じて重荷になって爆発しちゃうんじゃないか。 本当に大切なものだけを身に付け...

何かを得るには何かを失わなきゃいけない。 物を抱えていられるキャパは決まってるから、新しいものが入る隙間を常に空けておいた方がいいのかも。 失うことを恐れてばっかりで、それを維持管理することにストレスを感じて重荷になって爆発しちゃうんじゃないか。 本当に大切なものだけを身に付けて生きていく。そのために断捨離は大事。(こんまり先生を見習う)大切なもの(=愛するもの)とは消えてほしくないことなんだ!これを念頭に自分の直感、感情を大事にして生きていこうと思った。

Posted byブクログ

2023/04/29

余命を宣告された主人公。もしかしたらその日が明日かもしれないと帰宅すると、目の前に悪魔が。世界からひとつ消す代わりに命を伸ばしてあげる。そんな契約から始まる主人公の1週間の物語。 余命を全うすることに何か特別な出来事があるわけではないけれど、世界が美しいことに気付ける作品。作中に...

余命を宣告された主人公。もしかしたらその日が明日かもしれないと帰宅すると、目の前に悪魔が。世界からひとつ消す代わりに命を伸ばしてあげる。そんな契約から始まる主人公の1週間の物語。 余命を全うすることに何か特別な出来事があるわけではないけれど、世界が美しいことに気付ける作品。作中に出てくるチャップリンの「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見ると喜劇だ」という言葉が言い得て妙。 私は、友人も少なくて、結婚もしていないので家族もいないので、コロナになって孤独死を強く感じたけれど、改めて考えさせられた。

Posted byブクログ

2023/04/16

彼女がバッドエンドの映画をもう一度見るようにしてる理由は、 もしかして次はハッピーエンドになるかもしれないと思うから。 時間がないはずなのにゆっくりと流れていく。 ひとつひとつ消していくごとに 過去を振り返って、進んでいく。 生きることで、死に向かってゆく。 シンプルで...

彼女がバッドエンドの映画をもう一度見るようにしてる理由は、 もしかして次はハッピーエンドになるかもしれないと思うから。 時間がないはずなのにゆっくりと流れていく。 ひとつひとつ消していくごとに 過去を振り返って、進んでいく。 生きることで、死に向かってゆく。 シンプルで洗練された文章が好き。

Posted byブクログ

2023/04/12

読みやすく、キャベツとのやりとりは面白く読むことができました。 後半は、人によって時によって大切なもの必要なものは違う、そして自分の存在意義ってなんなんだろう、誰かに必要とされているのか、なんて考えさせられるけどそんな事より、恥ずかしいけど自分の「消えてほしくない」を大切にして、...

読みやすく、キャベツとのやりとりは面白く読むことができました。 後半は、人によって時によって大切なもの必要なものは違う、そして自分の存在意義ってなんなんだろう、誰かに必要とされているのか、なんて考えさせられるけどそんな事より、恥ずかしいけど自分の「消えてほしくない」を大切にして、できれば表現できるようになりたいと思います。

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2023/04/04

何かを得るには何かを失わなきゃならない。たしかにそうだなって刺さる言葉が沢山 私はまだ母親が亡くなっていないし、父親とは円満だし、猫を飼ったことも無いけれど、主人公の気持ちを想像したらすごくうるうるしちゃって、電車の中で泣きそうになった。 最後の終わり方が読者に想像させるような?...

何かを得るには何かを失わなきゃならない。たしかにそうだなって刺さる言葉が沢山 私はまだ母親が亡くなっていないし、父親とは円満だし、猫を飼ったことも無いけれど、主人公の気持ちを想像したらすごくうるうるしちゃって、電車の中で泣きそうになった。 最後の終わり方が読者に想像させるような?終わり方であれはあれで好き。

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2023/03/30

本屋さんで平積みになって本。 これも映画になるらしい。 30歳の若さで癌を宣告され余命幾ばくもない。 死ぬ前にこれだけはやっておこう・・・なんて映画、前になかったっけ? それと、ほぼ同じ。(見てないからわからないけど) 悪魔が登場し、1日命を延ばす変わりに、悪魔が選んだ何かを...

本屋さんで平積みになって本。 これも映画になるらしい。 30歳の若さで癌を宣告され余命幾ばくもない。 死ぬ前にこれだけはやっておこう・・・なんて映画、前になかったっけ? それと、ほぼ同じ。(見てないからわからないけど) 悪魔が登場し、1日命を延ばす変わりに、悪魔が選んだ何かを世の中からひとつ消すという取り引きを行う。 で、時計とか映画とかを世の中から消すんだけど、次に「猫」を宣告され、それは了承できないと。 すごく売れていて、映画にもなる…らしいけど、へぇ~、そんなに面白いかねぇ、という感想。 ちなみに、猫好きな方が読んでも、それほど感動的ではないよ。

Posted byブクログ

2023/03/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

余命宣告された主人公の元に悪魔がやってくる。 実は明日死ぬが、世界から一つモノを消せば1日寿命が長くなる。 電話を消して、映画を消して、時計を消した。ただペットの猫は消せずに、死ぬことを選ぶ。 父親への手紙を書き、終了。 家族愛を思った。

Posted byブクログ

2023/03/25

「世界からボクが消えたなら」ー先に読んでいた。 だから結末は分かっていたけど、目線が違うと感じ方も変わる。 でも根っこの部分は変わらない。

Posted byブクログ

2023/03/18

3/18 世界から○○が消えたなら 今までは当たり前にあったものがなくなったら、 その価値に気づくのは後のことになる そんな「喪失」について書かれた新しい小説だった 特に世界から時計が消えたならが考えさせられた 時間という概念は実に不思議なものですね

Posted byブクログ