山女日記 の商品レビュー
湊かなえさんのホワイトの方(笑) 妙高山、火打山、槍ヶ岳、利尻山、白馬岳、金時山、トンガリロ、七つの山が織りなす物語。 登山を絡めた人間模様を、関わりある人達で描く清涼剤的短編集。タイトルからも察するように女性達が軸の山登りなのですが、胸中に秘めたそれぞれの疑問や不安を抱えてるも...
湊かなえさんのホワイトの方(笑) 妙高山、火打山、槍ヶ岳、利尻山、白馬岳、金時山、トンガリロ、七つの山が織りなす物語。 登山を絡めた人間模様を、関わりある人達で描く清涼剤的短編集。タイトルからも察するように女性達が軸の山登りなのですが、胸中に秘めたそれぞれの疑問や不安を抱えてるものが他の人と関わりながら頂上にたどり着く頃にはちよっとだけ靄が晴れ、方向性が見えてきたり肯定的に捉えられるようになるというのは、やはり大いなる山の神様の魅力も加担されているからなのでしょう。それぞれ面白かったですが、中でも「火打山」の章から目的地は過去の中にあったと気づくお話が感慨深かったです。 このお話の女性達のように 頂上の標柱に駆け寄りポーズを決める、遥か見渡す山々に向い大声で叫んできたくなる(笑)ずっと重いと思っていた荷物は案外、軽いかもしれない。山に置いてくるものは何だろう…山がくれるものは何だろう… そんな想像を楽しみながら心地よく読み終えた一冊に。わたしは山ガールではないんですけどね(笑)これを読んだら、自分の身を普段とは違った高さに置きたくなりました。見えないものがきっと見渡せそうな気がして。
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連作長編です。キーワードは、タイトルにもなっている「山女日記」と「帽子」。それぞれの章に山の名前がついていて、各章で展開するのは登山者たちをめぐる人間模様。山の様子も描かれますが、やはり中心は人間です。物語が深く胸にしみ入って、不思議と印象に残ります。舞台が山だからいいのかもしれ...
連作長編です。キーワードは、タイトルにもなっている「山女日記」と「帽子」。それぞれの章に山の名前がついていて、各章で展開するのは登山者たちをめぐる人間模様。山の様子も描かれますが、やはり中心は人間です。物語が深く胸にしみ入って、不思議と印象に残ります。舞台が山だからいいのかもしれません。各章でとりあげられている山に、私も登ってみたくなりました。
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いろんな山ガールたちの短編集。 それぞれに悩みを抱える女たちが山に登り、生きていくための何かを感じとる。どの話も希望を感じさせるラストで、山に興味のない私も山に行きたくなってしまいました。 湊さん作風変わりましたね。すごく良かったです。
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湊かなえの小説なのになんだろう…読後のこの爽やか感は!!新たな出会いだった。 気持ちが前向きになり山に登ってみたいと思えた一冊。
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山ガールの話。軽い話と聞いていたが、やっぱり人間模様。湊さんの作品にしては軽め、明るめ。 山の描写がリアルだと思ったら、出版社のサイトに昔から登山していたという話が出ていた。なるほど。でも登山しながら本が出来るのがすごいですね。「ここからが正念場」はあるらしいし。 登山やトレッキ...
山ガールの話。軽い話と聞いていたが、やっぱり人間模様。湊さんの作品にしては軽め、明るめ。 山の描写がリアルだと思ったら、出版社のサイトに昔から登山していたという話が出ていた。なるほど。でも登山しながら本が出来るのがすごいですね。「ここからが正念場」はあるらしいし。 登山やトレッキングってハードルが高いなと思っていた人でも、この本を読めば行きたくなること間違いなし。 ぜひ他の山も登ってまた本を書いてほしいです。
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2015/6/4 山に登り、考える女たち。 連作短編になっていて、前編の主人公のその後が分かってオッと楽しい気分に。 「新しい自分になることを決めた。今までの自分と正反対のことを最低10個はしてみよう。」 湊作品にしては珍しく読後感は爽やか。
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ミステリー無し、読んだ後とっても山に行きたくなった。 妙高山、火打山、槍ヶ岳、利尻山、白馬岳、金時山、トンガリロの章から成り、主人公は違うが各章の登場人物とリンクしたりして面白い。結婚するか否か、不倫、姉妹の関係、元恋人との思い出など、山を舞台にしているからか深刻な悩みが小さなこ...
ミステリー無し、読んだ後とっても山に行きたくなった。 妙高山、火打山、槍ヶ岳、利尻山、白馬岳、金時山、トンガリロの章から成り、主人公は違うが各章の登場人物とリンクしたりして面白い。結婚するか否か、不倫、姉妹の関係、元恋人との思い出など、山を舞台にしているからか深刻な悩みが小さなことに感じられたり、これから頑張っていこうという気持になっていく、ほっこりする感じ。湊かなえ自身も登山をするそうで、ドロドロした小説だけじゃないっていう見方が変わったなー。特にトンガリロは行ってみたい!
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星は3.5くらい。タイトル通り「山女」たちのプライドやわだかまり、好き嫌いや機微がよく描かれてると思う。女たちが多少の毒を吐いても山は大きく美しく、珍しく希望の持てる終わり方ばかりなので湊かなえ苦手でもいける。個人的によかったのは槍ヶ岳のしのぶさん。あんな勘違いした人に対しても投...
星は3.5くらい。タイトル通り「山女」たちのプライドやわだかまり、好き嫌いや機微がよく描かれてると思う。女たちが多少の毒を吐いても山は大きく美しく、珍しく希望の持てる終わり方ばかりなので湊かなえ苦手でもいける。個人的によかったのは槍ヶ岳のしのぶさん。あんな勘違いした人に対しても投げ出さず、その上できちんと頂上を目指す姿勢が眩しい。
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ずいぶんと可愛らしい連作短編集だ。湊かなえの作品にしては心温まるものが多い。基本、屈折した心情が登山を通じてほぐされていくというもの。「まるくなったなぁ」と思ったら、初出は月刊女性誌の連載だった。なるほど、と思うと同時に、こりゃ編集者の力量かな。
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山ガールが流行り、登山マナーを知らない人も多い中、さらっとマナーを小説で伝えてるとこは素晴らしい! 短編だけどそれぞれの登場人物がリンクしてて、人物相関図が自然と頭の中に出来上がり、楽しく読み進められました(^-^) トンガリロ、いつかトレッキングに行くぞ!
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