我が家の問題 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
奥田英朗さんの短編集。自分の身近なところでも起こりそうな、家庭で起きた問題をとりあげています。全部で6つの物語。 「甘い生活」の初出は2010年。いまから10年前ですが、もうこの頃から、用事もないのにまっすぐ家に帰らないサラリーマンっていたんですかね。独身生活が長かった主人公とどこからどうみてもいい奥さんしてる嫁。新婚の甘い生活、とはならずに困惑する二人。「ハズバンド」では、普段知ることのない夫の職場での評価を垣間見た妻の戸惑い。”一緒に暮らせば、愛とは別に情が湧いてくるのである。今は情の繋がりが大勢を占めている。” いや~その通りですよね。 どの短編も、のんびりと何も知らずに生活していたら気付かなかったようなことに気付いて、戸惑って、相手のことを思って悩んで、いろんな人に相談して、乗り越えていくほっとする内容です。登場する人たちもみんなとっても優しい人たち。 この本がずっとずっと広がっていけば、やさしい家族、やさしい人たちが増えていくんじゃないかな??
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妻とマラソンがよかった。前のロハスのお話はちょっと主人公に同情してばかりで、奥さんのほうにはややネガティブな感情抱いていたんだけど、今作はすごい奥さんの心情が読み取れるというか家族が描かれていて温かさを感じた。 あと、N木賞をとって出版社の対応がガラリと変わったのが個人的に一番好...
妻とマラソンがよかった。前のロハスのお話はちょっと主人公に同情してばかりで、奥さんのほうにはややネガティブな感情抱いていたんだけど、今作はすごい奥さんの心情が読み取れるというか家族が描かれていて温かさを感じた。 あと、N木賞をとって出版社の対応がガラリと変わったのが個人的に一番好きだった。 作家さんってこういう生活してるのかな。案外ふつうが一番いいのかも。
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どこにでもいるごく普通の家庭が抱える、 ちょっとした…でも家族にとっては大きな事件。そこにスポットを当てた短編小説です。 笑えるし、すごく温かい気持ちになれます。 家族っていいなと思いました。 私は、「夫とUFO」が好きです。妙な格好した母親を不審げに見る子供たちに...
どこにでもいるごく普通の家庭が抱える、 ちょっとした…でも家族にとっては大きな事件。そこにスポットを当てた短編小説です。 笑えるし、すごく温かい気持ちになれます。 家族っていいなと思いました。 私は、「夫とUFO」が好きです。妙な格好した母親を不審げに見る子供たちに、「お母さん、今からお父さん救いに行ってくるから!!」と駆け出す妻の姿にジーンときました☆ またしても、オススメ♪
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弁当の献立を考えてると悩みが薄らいだり、初めて本音で喧嘩したときの高揚感、日常のなんてことない気持ちの動きを暖かく切り取った短編集でした。 借りた本だったけど、買おう。同作者の家日和もぜひ読もう。 家族に優しくする余裕が無くなった時に繰り返し読みたいお気に入りの本になりました。
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奥田英朗、2冊目の読書にして家シリーズ2作目 「甘い生活?」 新婚なのに、家にまっすぐ帰りたくない夫の話。妻が完璧すぎる”お嫁さん”でなんだか居心地が悪いのだ。他人同士が一緒に住むんだから、そりゃそうだろうと思った。奥田氏はこういう「こだわりがないことにこだわりを持つ、一見する...
奥田英朗、2冊目の読書にして家シリーズ2作目 「甘い生活?」 新婚なのに、家にまっすぐ帰りたくない夫の話。妻が完璧すぎる”お嫁さん”でなんだか居心地が悪いのだ。他人同士が一緒に住むんだから、そりゃそうだろうと思った。奥田氏はこういう「こだわりがないことにこだわりを持つ、一見すると物わかりがよさそうでいて、でも実はただものぐさなだけで少々面倒くさい男性」を描くパターンが多いように感じた。 この話で初めて聞く単語「スノビズム=教養人を気どる俗物根性」も興味深かった。 「ハズバンド」 自分の夫は仕事ができない、会社では疎まれる存在だと知ってしまった妻が嗅ぎまわったり気をもんだりする話。 仕事が不得意な人間は、会社では人権がないというのは私もよく知っている。それを思うとこの主人公の夫は気の毒で仕方ない。 でも、そんな夫のために一生懸命おいしいお弁当を作ってくれる妻はなかなか素敵だなと思った。 「絵里のエイプリル」 両親が離婚寸前だという事実を知ってしまった女子高生の話。 大人が思っているより、子供は子供じゃないんだよね。 「夫とUFO」 夫がUFOと交信しているという妄想なんだが幻覚なんだかをカミングアウトされた妻の話。 夫のために一生懸命になり、最終的には仕事すらやめても構わないと言い放つ奥さんはとても素敵な人だと思った。けど、実際そんな奥さんいるかなあ…とリアリティはなかった。夫のうわごとなんて放置、仕事辞めたら生活できない!っていう世の奥さんのほうが多そう。 「里帰り」 夫の実家である札幌と、妻の実家である名古屋をお盆の数日間ではしご帰省する話。 土地によって親戚の付き合い方も習慣も全く異なる。 札幌はそのへんあっさりしていて人情味がないような文章があったけど、あくまで一般論であってその家によっても大きく違うんだろうな、と札幌に祖父母がいた私は思ってしまった。 私は長男とか家とか墓とか、バカバカしいと思っているので名古屋の親戚に嫌気がさしている妻の気持ちはよくわかった。 「妻とマラソン」 前作「妻と玄米ごはん」の家族だとすぐに分かった。 この夫婦は素敵だな。ベストセラー作家の夫を誇らしく思いつつも自慢することなく、子供も贅沢させるわけでもなく普通に育てている妻と、多少偏屈というかひねくれたところ(前作のロハスへの反発心とか)があるものの、変なプライドもなく偉ぶらず妻を思いやっている夫。 ロハスはやはり一瞬のブームだったようで、今回はマラソンにはまっているという妻の話。東京マラソンに出場することになり、久しぶりに家族一丸となって盛り上がる幸せが読んでいて伝わってきた。
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家日和の第2弾。 相変わらず面白い。そして心のどこかでホッとする。 笑える部分も多々あって、『夫とUFO』は電車の中で笑いを堪えるのが大変でした。 妻とマラソンもよかった。なんでか涙腺緩くなりました。
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色々な夫婦のかたちの短編集。ありそうな夫婦像ばかりで面白かったです。夫とUFOはツボでした(笑)妻とマラソンも最後のゴールシーン良かったです(涙)
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家族に巻き起こる諸問題をテーマにした短編集。「甘い生活?」「ハズバンド」「絵里のエイプリル」「夫とUFO」「里帰り」「妻とマラソン」の6編。 特に、「ハズバンド」は往々にして家庭で起こりそうな出来事。社内恋愛で結婚したカップルならともかく、そうでない夫婦は会社での夫の能力や仕事の...
家族に巻き起こる諸問題をテーマにした短編集。「甘い生活?」「ハズバンド」「絵里のエイプリル」「夫とUFO」「里帰り」「妻とマラソン」の6編。 特に、「ハズバンド」は往々にして家庭で起こりそうな出来事。社内恋愛で結婚したカップルならともかく、そうでない夫婦は会社での夫の能力や仕事の出来不出来は、夫から日常話される事柄からしか察することはできない。まさか「自分は仕事ができない」なんて妻に告白する夫はいないでしょうし。 『家日和』『我が家の問題』『我が家のヒミツ』の順で読むと良い。短編ですが、登場人物・家族が連続性のある話もある。
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やっぱり奥田英朗ハズれないな〜。読みやすい短編集。でもどの話もじんわり温かい気持ちになれる。特に好きなのは最後の3つ。夫とUFO、里帰り、妻とマラソン。どれも鼻の奥がツンとなった。
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奥田英朗やっぱり好きだな。 あんまりあざとい方向に行くと重松ルートになってしまうので、ほどほどでお願いしたいという勝手なファンの意見。
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