1,800円以上の注文で送料無料

ラバー・ソウル の商品レビュー

3.7

144件のお客様レビュー

  1. 5つ

    35

  2. 4つ

    39

  3. 3つ

    45

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2022/08/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ずっしりとくる。 読んでいる間の長い長い苦しさが最後にもっと苦しくなる。違う意味で。 幸福とは何かを考えさせられた。 本人が望むならばそれはどれだけ周りが反対しようが、犯罪であろうが幸福なのかもしれないと。 それほどに重い幸福感を鈴木誠が感じているのが伝わってきた。 鈴木誠が幼い頃に病を患っておらず不自由がなにもない、満足のいく人生を送ってきたとしたら鈴木誠の最期は違ったのか? 絶対にそうだとは言い切れない。 違う人生を送ってきていたとしても三縞絵里と出会ってしまう限りは変わらない運命を辿っていたような気もする。 他人を全て理解することだけが正解ではないと金山を見て思った。 理解できずとも受け入れること。味方でいることが正解ではないかもしれないが、愛なのかもしれないと。 エゴかもしれないし偽善者と思われるかもしれないが、金山からはもっと重い鈴木誠への愛を感じる。 こんなにも他人に愛を向けれる鈴木誠が羨ましくも思える。 この世の中には悪を作り上げる人間が多すぎる。 自分もそのうちの1人。 愛と愛のぶつかり合い。 バイト中に暇すぎて何か面白い本ないかとパソコンで調べて出てきたから読んでみたが、あの時、バイトをサボって調べた自分をとにかく褒めたい。 もっと本が読みたくなる本だ。 読みながら出てくるビートルズの曲を各々聴いたが、普通に読むより入り込めて良かったのではないかと思う。 英語の歌詞は全くわからないが。 雰囲気でいい。それほどに文章が強烈である。 ビートルズへも尊敬の念が生まれた。

Posted byブクログ

2022/08/08

やたら分厚い本で読むのが億劫だと思ったが、読み終わってみると、いい映画を見た後のような爽快感があった。 いい意味で読者を裏切る感があり、もう一度読んでみたいと思ってしまう。

Posted byブクログ

2022/08/07

なんてこった。 『リカ』のようなストーカー物だと思っていた。「被害者や関係者の供述」と「主人公·鈴木誠の目線」が交互に語られる形で物語は進んで行くが、「結末はどうなるんだろう」と、期待と不安が芽生えた矢先の○○。 なんてこった。 完璧に○かれていた! 何度も読み返したくなる作品...

なんてこった。 『リカ』のようなストーカー物だと思っていた。「被害者や関係者の供述」と「主人公·鈴木誠の目線」が交互に語られる形で物語は進んで行くが、「結末はどうなるんだろう」と、期待と不安が芽生えた矢先の○○。 なんてこった。 完璧に○かれていた! 何度も読み返したくなる作品がある。 また、例えば、クリスティの『アクロイド殺し』のように、2度目の方が面白い作品もある。 『ラバーソウル』は2回読むことを強くお勧めします。 2回目は、まったく別の作品に生まれ変わってしまうだろう。 なんてこった。 初読みだった井上夢人氏。 たったの1作品でワタクシのフェイバリット入り。 なんてこった。

Posted byブクログ

2022/06/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まさかこんなオチになるなんて。 分厚いですがあっという間に読み終わりました。 そしてラストが切なすぎる。主人公的には報われた最後なんだろうけど、こっちからしたら何でそんな女なんかのためにって。 気持ちはわかるけど、なんか悔しい。 衝撃感はそこまでないですが、胸が熱くなるそんなお話でした。 宇野はいったい何のために出てきたんだ?笑

Posted byブクログ

2022/06/01

長めにメインストーリーがある割には、伏線が少なかったというか、ラストへの収束のさせ方がちょっと無理矢理な感がありました。 メインの筋はストーカー小説です。それをさまざまな証言とストーカー自信の視点で綴っていくスタイル。 オチは驚きはあるものの、フラグが繋がる感覚が弱く、そのオチ自...

長めにメインストーリーがある割には、伏線が少なかったというか、ラストへの収束のさせ方がちょっと無理矢理な感がありました。 メインの筋はストーカー小説です。それをさまざまな証言とストーカー自信の視点で綴っていくスタイル。 オチは驚きはあるものの、フラグが繋がる感覚が弱く、そのオチ自体もまま多用されてきた種類のもの…。 期待しただけに少し残念。衝撃を求める方には少し向かないか。

Posted byブクログ

2022/05/30

ビートルズ愛に溢れているのに、読んでもビートルズ聞きたくならない珍しい小説。 見た人が絶叫してしまう位の醜形の男性(ホウライエソという深海魚に似ているらしい)が、ひょんな事からモデルの女の子に恋をしてしまった事から、殺人事件に発展してしまうのでありました。 分厚い本でとても沈鬱な...

ビートルズ愛に溢れているのに、読んでもビートルズ聞きたくならない珍しい小説。 見た人が絶叫してしまう位の醜形の男性(ホウライエソという深海魚に似ているらしい)が、ひょんな事からモデルの女の子に恋をしてしまった事から、殺人事件に発展してしまうのでありました。 分厚い本でとても沈鬱な本でしたが、読んだあとは切ない気持ちになってしまいます。確かにこれは名作の一つに数えられるのも分かる。 さて、本編はネタバレ厳禁なので、醜形についての言及になります。結局世の中見た目だろうというのは最終結論。不細工とかイケメン、美女、という以外にも「頼りがいがありそう」「やさしそう」「賢そう」など色々な要素が有って、美醜だけで測れない部分があるのも誰しもが納得するところだと思います。 しかしこの本で描かれている「醜さ」というのは一緒にいる人が気分が悪くなるレベルの「異形」という事になります。実際難病などでそういう外見になってしまった人も現実にいると思われ、「こんな反応ないだろう」と思いながらも、想像を超える「異形」に出会った時にどういう反応をしてしまうのかと思うと落ち着かない気持ちになります。 特別差別的な意識は無いと言い切れる自信はあるのですが、いわゆる嫌悪という気持ちは本能的なものなので、受け入れられないという本能的気持ちと、受け入れたいという理性的な気持ちでぶつかり合うのでしょうか。 色々考え込みながら読んだ本でした。

Posted byブクログ

2022/05/26

"愛こそはすべて" 愛を知らなかったからこそ 初めて愛を知った時 彼は人生の喜びを得たのだろう 途中は気分最悪だったけど ビートルズ聴きながら読んでたら楽しかったし 最後はなんだか救われた気がする

Posted byブクログ

2022/04/30

2022.4.29 7年ぶりくらいに再読。 ラストを覚えていなかったので楽しめた。 親からも目をそむけられる容貌を背負った鈴木誠が恋に落ち、ストーカー化する。そのストーカーぶりが日に日に増していく様子がおもしろかった。 関係者がそれぞれ事情聴取で独白していくという形をとっており、...

2022.4.29 7年ぶりくらいに再読。 ラストを覚えていなかったので楽しめた。 親からも目をそむけられる容貌を背負った鈴木誠が恋に落ち、ストーカー化する。そのストーカーぶりが日に日に増していく様子がおもしろかった。 関係者がそれぞれ事情聴取で独白していくという形をとっており、同じ場面を何人もが振り返ることで、事件の概要が頭に入りやすく、臨場感もあふれている。 この事情聴取という形がラストでは鍵となる。再読だというのに、まんまとミスリードにはまりました。真実がわかると、せつない。最初からまた読み直したくなります。

Posted byブクログ

2022/04/13

★5 ビートルズの素敵な調べと共にストーカーが美女に迫る サスペンスミステリーの名作! #ラバー・ソウル 容姿に病患をもつ主人公は引きこもりの生活をしていた。唯一ビートルズへの情熱と知識は誰よりも持っており、ほんの少し社会とつながりができつつあった。そんな中、美人モデルとの出会...

★5 ビートルズの素敵な調べと共にストーカーが美女に迫る サスペンスミステリーの名作! #ラバー・ソウル 容姿に病患をもつ主人公は引きこもりの生活をしていた。唯一ビートルズへの情熱と知識は誰よりも持っており、ほんの少し社会とつながりができつつあった。そんな中、美人モデルとの出会いがすべてを狂わせていく… 面白いっ これは名作ですね。 なにより小説がお上手、文庫700ページ近くある作品なのに一日かからず読めました。序盤からどんどん引き込まれ、登場人物の独白で物語が進んでいく書きぶりがうまいっ 登場人物の描き方もさすが熟練のプロといった感じ、そして端々から見える主人公の狂気、我欲、そして愛情がなにより怖い。ミステリーとしても良くできており、中盤これはどうなるんだという感じでしたが、最後にはこうなるのですか… まさかの発想力に感服しました。 しかし総じて悲しいお話ですね。 もてない男の同類として、なんとなく主人公の気持ちはわかるなぁ いやもちろん、ここまでやらんけども。 最後に音楽のお話を。 自分もビートルズは大好きですが、どちらかというと初期の作品が好みですね。シンプルでも新しさが光っていて、四人の才能と若々しさが感じられます。ラバーソウルは改革期の作品でNowhere Man、In My Lifeあたりが趣があってお気に入りです。 ともあれミステリー好きは読んでおくべき名作、おすすめです!

Posted byブクログ

2022/04/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後にどんでん返しがある小説という前提で読んだ。 確かにその通りで、まさに文字で表現される小説ならではの面白さだった。 内容はあまり愉快なものではないが、言うならば純愛物語ということになるのだろう。 たったひとりの味方を持つ主人公の優しさ、それも歪んでいるのかもしれないが、に胸が熱くなる。

Posted byブクログ