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ワーカーズ・ダイジェスト の商品レビュー

3.7

72件のお客様レビュー

  1. 5つ

    8

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    23

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2024/06/04

お仕事はすきじゃないけど、OL的にこういうフツーの日常を描いたようなお仕事小説+α(恋愛要素)はすき。 みんながんばってるんだなーって気になれるので、時々読み返したくなる。読み返しやすいボリュームでもある。

Posted byブクログ

2024/05/08

いつも書いてるんだけど 小説だからって 出てきた男女が 恋愛関係にならなくって いいんですよ 偶然出会った二人が 実は生き別れとかじゃなくて 全っ然いいんですよ それでも こんなに面白く物語になるのだから すっごく不幸でもないし 大事件も起きないけど 人間が生きてるだけで...

いつも書いてるんだけど 小説だからって 出てきた男女が 恋愛関係にならなくって いいんですよ 偶然出会った二人が 実は生き別れとかじゃなくて 全っ然いいんですよ それでも こんなに面白く物語になるのだから すっごく不幸でもないし 大事件も起きないけど 人間が生きてるだけで そこに物語があるんだ 私たちの代表みたいな 二人の佐藤に幸あれ!

Posted byブクログ

2024/04/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ワーカーズ・ダイジェスト、オノウエさんの不在、の2篇。どちらも社会で働く上での理不尽との付き合い方に奮闘する等身大の社会人が描かれている。 突然トゲトゲしくなる同僚、クレームを楽しむようなクレーマー、自分のせいじゃないのに謝罪してまわること、結婚してないことに焦りだす友人、ふと入った店のスパカツがおいしいこと、仕事で出会った人をふとした瞬間にいいなと思って思い出すこと…些細な社会人・会社人の日常が、一年分テンポよく語られる。そして生年月日も苗字も同じ佐藤奈加子と佐藤重信が一年越しに偶然の再会を果たしたところで終わる。その後が想像されつつ、安易な恋愛小説にならないところがとてもよい。 オノウエさんの不在は、学閥の理不尽な会社の中で具体的にどう対処していけばいいかを教えてくれた先輩のオノウエさんを主人公が引き継いでいく話。有給の消化しすぎを口実に干されて辞職していくオノウエさんだが、主人公サカマキが彼の教えを胸に有給三日申請をする最後のシーンが、理不尽への戦いの始まりのようで頼もしかった。

Posted byブクログ

2023/08/19

佐藤奈加子と佐藤重信。 交わりそうで交わらない、遠いけどふと思い出す、そんな不思議な関係がよかった。 働いてるといろいろあるよね。 でも時に心を無にして、熱くして、やっていくしかないのよね。 その先に何かあるといいな。

Posted byブクログ

2023/07/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

うまく生きられない、男女の主人公が入れ替わりで立ち回るお話。男女は同じ名字で、運命的な出会いをする。ただ、これは2人の恋愛についてではなく、主に仕事上での人間関係や仕事の話である。 心の廃棄物を捨てるのは、誰に対しても良くないと思う。すごいなぁと思う反面、「ああはなりたくない」と反面教師のように思っている主人公がよく描かれている。 男女は2人とも不器用なんだけど、どこかしたたかで何とか生きている。私も含め誰だって何とか生きている状態なのかもしれないけど。生きづらい世の中だもの、悩みがない人なんていないよね… そして私的にオススメは、益田ミリさんの巻末の漫画。益田ミリさん大好きなので、知らずに読んでいて最後ビックリ!!益田ミリさんが本で津村さんのことをオススメしていたので、コラボにびっくり。この小説、10年以上前なのだけど、全然古くない。 以下は気になった文の引用です。 「いいかげん、いつでも人に話を聞いてもらえる状況ではないのだということに馴染まなくてはいけない。誰かに何かを伝えたい衝動を、ちゃんと管理できるようにならなければならない。」 「関係が穏やかな時の凪より、もう争わなくてすむという安寧を選んだ。」 「「意味がわからない」とすぐに言うやつにろくな人間はいない」 「富田さんは自分より一枚上手だと思う。どこで誰に心の廃棄物を捨てれば適切か、よくわかっている。」 「誰かて自分のことは自分が見られたいように話すよ」 「音楽が鳴り始める。何の根拠もないけれども、自分は自由だと感じた。」

Posted byブクログ

2023/04/20

それぞれ皆んなが、その場所でなんとか頑張ってる、踏ん張ってる。自分のこと奮い立たせてなんとかその日を乗り越えようとしてる。 良くもないけど、悪くもない。特に幸せではないけど、不幸でもない。 益田ミリさんのあとがきが、すごい好きだった。 私もスパカツ食べたい〜

Posted byブクログ

2022/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自由な文体だ。 会話が地の文に溶け込んでいる。 しかもコテコテの大阪弁だ。 『ワーカーズダイジェスト』 津村記久子 (集英社文庫) 体温低めな脱力系だけれど、力の抜け具合がわざとらしくなくて、変に構えたり戦いを挑まなくて済む作品だった。 大阪のデザイン事務所で働く奈加子と、東京の建設会社に勤める重信。 お互いに上司の代理として仕事の打ち合わせで出会った二人は、なんと、名字も年齢も誕生日も同じだった! 出会いの妙。 なんでここで出会ったのか、必要とか不必要とかそんなものも飛び越えた偶然。 誕生日は、会社の初出の日となる一月四日。 だからだろうか、“ひとつ歳をとること”と“会社に行くこと”が、場面場面で絶妙に縒り合されて、ちゃんとお仕事小説になっている。 さてこれは、そんな二人が三十二歳になる直前から三十三歳になった日までの約一年間の物語だ。 この年齢って、結婚に関してだけでも一番いろんなパターンがあると思う。 結婚して子供がいる人、結婚しているが子供はいない人、結婚していないがいずれ結婚したいと思っている人、結婚をそもそも考えていない人。 そのうえ職種やキャリアもさまざまで、百人いれば百通りの生き方がある。 若くもないけどそんなに責任をしょってる年代でもないし、ほどよい諦めと開き直りがうまく描かれているなと思った。 奈加子と重信との最初の出会いが、恋愛にも友情にも発展しないところがまたいいんだよなぁ。 そのままお互いに自分の生活に戻り、色々とあって、でもふとした時に、歳も誕生日も同じもう一人の佐藤さんのことを思い出して、ちょっとふふってなるところ、いいなぁ。 「生まれてからほとんど同じだけの古さになってる人」という言い方が好きだ。 同僚の富田さんの、旦那さんに注ぐものすごいエネルギーの分、排出される心の廃棄物の捨て場所が奈加子だった、というのはすごい表現だ。 仕事相手の篠塚氏が奈加子に向ける「敬意に対する欲望」というのもすごい。 毎日のもやもやがつらつらと綴られていく中、時折スパッと鋭い表現で斬り込んでくる。 「社員とは、どんなに冴えない色でも欠けていると途端に持ち主の機嫌を損なう色鉛筆のようなもの」 妙に納得してしまう。 帰りの電車の中で、晩飯を作るか食べて帰るかいっそ食べないかで鬱になりそうなくらい悩む重信とか、にんじんとインゲンの肉巻きを炊いているその隣のコンロで枕カバーと布巾を煮る奈加子とか、何気なくてどうでもいい日常が描かれているのは、あーあるある、そうそう、と笑ってしまいつつも安心する。 さて、そんなこんなで一年がたち、三十三歳になった一月四日、二人は再会する。 ……というところで物語は終わる。 重信が公園で鍵盤ハーモニカを吹いているところに偶然奈加子が通りかかる、というちょっとよく分からないシチュエーション。 奇跡の再会なのにもかかわらず、泌尿器科の先生がペレはEDじゃありませんと言っていた話をしてしまう重信と、知らんかった、と答えて思わず笑ってしまう奈加子の二人がとても可愛らしく微笑ましい。 全然ドラマチックじゃない静かなハッピーエンドに心が温まる。 「良くもないけど、悪くもない。特に幸せではないけど、不幸でもない。」 その奈加子の言葉は、決してプラマイゼロではなく、ちょっと上を向いている。ちょっと明るい。 そんないい気分で読み終えた。 併録されている『オノウエさんの不在』は、かなりクセのある話だった。 「オノウエさん」と「サカマキ」と「シカタ」は片仮名なのに、「万田さん」は漢字なのが不思議だし、「しぎ野」に至ってはどうでもいい感じなのが笑える。 オノウエさんのために話し合いをする三人の変なテンションの面白さが、日常に対する非日常をうまく表している。 ずっと不在なのに、その分ものすごい存在感のあるオノウエさんの仕事に対する姿勢が、みんなを励まし前に進ませる。 いい話じゃん。 失敗を悔やむ後輩をサカマキが励ますラストシーンにじんときた。

Posted byブクログ

2022/06/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

たまたまついていたTVで、同姓同名のことをやっていて、それを見た父がこの話を思い出して私に貸してくれた1冊。 読んでいて、社会人として生活したことのある人は、共感できるところが一つはあるのではないか、と思いながら読み進めました。 描写がとてもリアルで、主人公たちがふとした時に考えるとんちんかんなことや、ちょっとしたことで荒みがちな思考、つい言ってしまった言葉などがあ、これ私にもあるな、と思わざるを得ないことだらけでした。 最初に出会った時の二人の、読者からすればお!出会った!!!と思うけど全く赤の他人で本当に仕事で1回しか会わない、関係が進む感じがしない描写にいじらしさを感じました。最後、この二人がまた再会したところで話は終わりますが、最初あった時からあっていない、連絡も取っていないのに、ふとしたとことでお互いを思い出していたので、ぐっと距離が縮まっているように感じられるのがとても嬉しく?感じました。メインでなくていいのでこの二人の続きが読みたいな~。 オノウエさんの不在では、ミステリーが好きな私は、結構続きが気になってハイペースで読み進めました。だんだんと3人の距離が縮まってきているのが伝わるのもうれしかったですし、このお話でもまた、働くことの大変さを感じられました。

Posted byブクログ

2024/04/01

 若手社員たちの日々を綴った短編2編。       * * * * *  うまいなあと思いました。  主人公はエリート社員でもないし専門職でもない。若手であっても夢や希望に溢れているような楽天的メンタルの持ち主でもない。ごく平均的な社員たちです。  それも小狡く立ち回るタイ...

 若手社員たちの日々を綴った短編2編。       * * * * *  うまいなあと思いました。  主人公はエリート社員でもないし専門職でもない。若手であっても夢や希望に溢れているような楽天的メンタルの持ち主でもない。ごく平均的な社員たちです。  それも小狡く立ち回るタイプではない、普通程度の善良さを持った人たちです。  だから共感できるところが多い。特に理不尽には心を空にしてやり過ごし、オーバーワークにはプライベートを犠牲にして帳尻を合わせるところなどには、苦笑しつつ頷いてしまうほどでした。  それが自分にできるベターな選択だと知っているからです。  表題作は重信と奈加子という2人の物語が交互に展開されていくのですが、同姓、独身、さらに重信が奈加子のいる大阪へ転勤と、津村作品にしては珍しく恋を予感させる展開です。  でも、結局2人の接点はなかなか描かれず、ラストまで持ち越しに。そして……。  正月明けの中之島公園。偶然出逢う重信と奈加子。  おお、ついに! と思ったのにつまらぬ会話で笑いあってエンドを迎えます。やっぱりなーと苦笑しました。 ( だいたい重信に演奏させる楽器が鍵盤ハーモニカってムードもロマンもないですよね。)  でもすごく面白かった! やっぱり好きです。津村さんの世界。

Posted byブクログ

2022/05/10

ひさびさのお仕事ぽい小説。大阪の地名や具体的な場所がたくさん出てきて、びっくり。よく分かった。粛々とお勤めしよう。

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