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ワーカーズ・ダイジェスト の商品レビュー

3.7

72件のお客様レビュー

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2020/05/24

初読から4年経ち、主人公たちと同じ年齢になった。 こうやって、日々起こる面倒なことや少し嫌なことを、やり過ごしながら生きていくんだろうな。でも、そこに希望がないわけではない。 終わり方が清々しい。 大人になってもうだいぶ経つけれど、未だ上手く生きていけていない。20代の頃はともか...

初読から4年経ち、主人公たちと同じ年齢になった。 こうやって、日々起こる面倒なことや少し嫌なことを、やり過ごしながら生きていくんだろうな。でも、そこに希望がないわけではない。 終わり方が清々しい。 大人になってもうだいぶ経つけれど、未だ上手く生きていけていない。20代の頃はともかく、アラサーになり、どこからどう見ても大人になり、まだ自分の立ち位置や振る舞いが定まらない。 津村さんの作品に出てくる大人たちは、特別幸せでもない、でも不幸せでもない、そんな日々を受け入れて歩んでいく。 自分もそうありたい、と思い、本を閉じる。

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2019/03/21

なんやこれ、私の生活見られてた!?って焦るぐらい自分のこととリンクする感じ。そして、自分に馴染みある梅田のとか地下鉄の描写とか大阪弁とか、そういうのもあってか、時々そうそう、ほんまや、と言いながら読み進めてました。 つながり深めたいなーでもぶつかりたくないな、でもいい感じやねん...

なんやこれ、私の生活見られてた!?って焦るぐらい自分のこととリンクする感じ。そして、自分に馴染みある梅田のとか地下鉄の描写とか大阪弁とか、そういうのもあってか、時々そうそう、ほんまや、と言いながら読み進めてました。 つながり深めたいなーでもぶつかりたくないな、でもいい感じやねんなー、結婚とか考えたら気重いなーっていう間で堂々巡りになる異性がいるって、楽しいけどしっかりせーよ自分とカツ入れました、この本読んだあと。

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2018/11/20

好き。初めてこの人の本読んだけど、特に主人公の心情描写が好きだった。周りの人の些細な行動に対して、「いい人だな」とか気付けるのが素敵だと思った。そういうことに気づける人になりたいですね。 カップリングの小説も同じくらいよかった。 どいつもこいつもどうでもいいや、とか、どうなっても...

好き。初めてこの人の本読んだけど、特に主人公の心情描写が好きだった。周りの人の些細な行動に対して、「いい人だな」とか気付けるのが素敵だと思った。そういうことに気づける人になりたいですね。 カップリングの小説も同じくらいよかった。 どいつもこいつもどうでもいいや、とか、どうなってもいいでしょ、とかヤケじゃなくて達観してるのがイイ。

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2018/03/20

え!終わり!?って思った。(笑) 劇的なことはなく、淡々とした日々に理不尽が混ざり。 憂うつな中に、ふと解放される時がある。 社会人の毎日を切り取ってみせたかのようなリアル。 読書で現実逃避したいときにはおすすめしません。(笑)

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2017/12/31

図らずも大晦日に読むのにぴったりの一冊であった。 色々と思うところの多かった2017年という年の締めくくりにも。 皆さま良いお年をお迎えください。

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2017/10/20

映画のダージリン急行の最初の電車を追いかける場面が大好きでkinksの曲も好きなので、そこまで有名な場面でもないだろうに、その場面を語るところが出てきて、ぐっとくる場面が似ていたのかと思って妙にこの小説が好きになってしまった。

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2017/06/28

あぁこれは私だなぁと思った。良いこともなければ悪いこともなく。だけど不幸でもなく。それでいて、時にものすごく寂しくなったり無性に焦ったり。でも対処法なんて何もなくって、ちょっとずつ折り合いをつけるのが上手くなっていく、そんな30代。

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2022/06/04

後ろ暗いことはない。何も悪いことはしていない。白状することは何もない。それでどうしてこんなに立っているのがやっとなんだ。 誰かに何かを伝えたい衝動を、ちゃんと管理できるようにならなければならない。

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2017/05/15

大阪出身の津村記久子。今まで読んだ彼女の著作のなかでは大阪度が高く、ダブル主人公の女性のほうの名前が「奈加子」だということもあってか、本作の私のイメージは「ちょっとキレの悪い西加奈子」。 その奈加子は大阪のデザイン事務所に勤務しつつ、ライターの仕事を副業としています。ダブル主人...

大阪出身の津村記久子。今まで読んだ彼女の著作のなかでは大阪度が高く、ダブル主人公の女性のほうの名前が「奈加子」だということもあってか、本作の私のイメージは「ちょっとキレの悪い西加奈子」。 その奈加子は大阪のデザイン事務所に勤務しつつ、ライターの仕事を副業としています。ダブル主人公のもう片方は男性で、大阪出身だけど東京の建設会社に勤めています。このふたりが共に上司の代理として大阪で打ち合わせをすることに。短時間の打ち合わせの間に、ふたりの生年月日がまるっきり同じであると判明し、どこか気になる存在に。 ふたりが交互に話し手となって物語は進行します。単に気になる存在だというだけで、交際に発展したりはしません。恋愛小説ではなくお仕事小説。「キレの悪い西加奈子」ですから、それほど面白くもないのですが、登場する場所が土地勘のある人にはこの上なく楽しい。ふたりが待ち合わせるのはグランヴィア大阪の喫茶店。とっとと打ち合わせを終えてそれぞれ向かった先は実在のカレー屋さん。グランフロントも出てくるし、心斎橋筋のエクセルシオールカフェも。さらには映画の話やアルバトロス・フィルムなんて言葉も出てきて、これもわかる人にはとっても楽しい。 そんなわけで、大阪人あるいは映画好きの人向きではないかと思われます。

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2017/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

佐藤奈加子32歳。大阪のデザイン事務所で働きながら、ライターの仕事もしている。 佐藤重信32歳。東京の建築会社に勤めている。 偶然仕事で、一度だけ接点があった二人の佐藤、32歳の日々の生活を交互に描いていくお仕事小説。 日々の仕事の中で、小さな出来事に疲弊し、意欲を失くし、その積み重ねが夢さえも奪っていく。働く大人なら誰もが一度は感じたようなことをひとつひとつ掬い取っているような話で、「あるよな・・・」と思い当たることばかり。 たとえば、少し気の重い月曜日の朝でさえ、グッドモーニング!でなければならないこと。・・・誰が「いい朝」って決めとんねん!とか。 疲弊して、欲しいものさえ何もなく、常にやりたいことは一つだけ、それは家に帰って寝ること!とか。 そんな二人の佐藤を並行して描きながら、最後にほんのちょっと、ささやかな希望を見せるところで終わる。 みんな同じなんだな~。仕方がないから、明日も頑張るか・・・と思うような作品。 併録のオノウエさんの不在もなかなかよい。

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