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ワーカーズ・ダイジェスト の商品レビュー

3.6

73件のお客様レビュー

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2017/04/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

佐藤奈加子32歳。大阪のデザイン事務所で働きながら、ライターの仕事もしている。 佐藤重信32歳。東京の建築会社に勤めている。 偶然仕事で、一度だけ接点があった二人の佐藤、32歳の日々の生活を交互に描いていくお仕事小説。 日々の仕事の中で、小さな出来事に疲弊し、意欲を失くし、その積み重ねが夢さえも奪っていく。働く大人なら誰もが一度は感じたようなことをひとつひとつ掬い取っているような話で、「あるよな・・・」と思い当たることばかり。 たとえば、少し気の重い月曜日の朝でさえ、グッドモーニング!でなければならないこと。・・・誰が「いい朝」って決めとんねん!とか。 疲弊して、欲しいものさえ何もなく、常にやりたいことは一つだけ、それは家に帰って寝ること!とか。 そんな二人の佐藤を並行して描きながら、最後にほんのちょっと、ささやかな希望を見せるところで終わる。 みんな同じなんだな~。仕方がないから、明日も頑張るか・・・と思うような作品。 併録のオノウエさんの不在もなかなかよい。

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2016/10/27

主人公2人がしんどそうで、ずっと応援しながら読んだ。実際こういう人生を送ってる人は多いんじゃないだろうか。ラスト、明るい希望が見えてよかった。オノウエさんの不在もしみじみ良かった。

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2016/03/17

よくわかるしなるほどなんだけど、津村記久子のおもしろさはわかるからじゃないんよね。読んで楽しい。もっと読みたいわ。

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2016/01/19

やっぱりその後が見たかった。野暮でしょうか。 現実問題、あそこから発展するのかね。 それとも、またさらったすれ違って終わるのかね。 オノウエさんもいらっしゃると知らなかったから、残りのページ数的にまだ話は続くと期待していました。 それはそうと、スパカツってモデルは高崎のシャンゴ...

やっぱりその後が見たかった。野暮でしょうか。 現実問題、あそこから発展するのかね。 それとも、またさらったすれ違って終わるのかね。 オノウエさんもいらっしゃると知らなかったから、残りのページ数的にまだ話は続くと期待していました。 それはそうと、スパカツってモデルは高崎のシャンゴというレストランかなと思いました。

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2015/10/09

ちょっとお疲れ気味のアラサー2人、奈加子と重信の視点が交互に繰り返され、最後ある種の予感がするところで話が終わる。 お互いに、時々ふっと思い出すその距離感がいいし、仕事上での嫌な「あるある」的なエピソードもリアルで良かった。 特別大きな出来事があるわけではないけど、等身大の2人が...

ちょっとお疲れ気味のアラサー2人、奈加子と重信の視点が交互に繰り返され、最後ある種の予感がするところで話が終わる。 お互いに、時々ふっと思い出すその距離感がいいし、仕事上での嫌な「あるある」的なエピソードもリアルで良かった。 特別大きな出来事があるわけではないけど、等身大の2人がよかった。

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2015/09/26

こういう小説を私は読みたかったのだと思った。会社、大人社会特有の狭い中での端から見たら小さな人間どおしのやり取りや心のざわざわ感がリアルに描写され、自分も会社員なので共感できた。主人公が代弁してくれる感じ、かといってドラマチックな大解決するわけじゃなく、現実的で淡々と物語はこのあ...

こういう小説を私は読みたかったのだと思った。会社、大人社会特有の狭い中での端から見たら小さな人間どおしのやり取りや心のざわざわ感がリアルに描写され、自分も会社員なので共感できた。主人公が代弁してくれる感じ、かといってドラマチックな大解決するわけじゃなく、現実的で淡々と物語はこのあとも続いていくのがわかる終わりかたがよかった。これを書く津村記久子さんに興味が湧いたし、他の作品も読みたい。

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2015/07/20

この人の重たい内容をただ徒然と書く感じはどっちかというと苦手だったけど、これは内容がすんなり頭に入ってきた。当たり前なんだけどいっぱいいっぱいになると入ってこない名言があったり。幸でも不幸でもなく、まーこんなもんだよなっていうのを良い意味で感じさせてくれる。

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2020/08/02

シンプルに言うと、面白くて一気に読んだ。 それで、読んだあとに作者の津村記久子さんについて検索してみたら(拙い私の知識では芥川賞作家という記憶しかなかった)津村さんは“お仕事小説”というものを得意としているらしく、この小説もそのうちの一冊。 デザイン会社に勤める奈加子と、建設...

シンプルに言うと、面白くて一気に読んだ。 それで、読んだあとに作者の津村記久子さんについて検索してみたら(拙い私の知識では芥川賞作家という記憶しかなかった)津村さんは“お仕事小説”というものを得意としているらしく、この小説もそのうちの一冊。 デザイン会社に勤める奈加子と、建設会社に勤める重信(ともに独身アラサー)が主人公で、二人の日常が行き来しつつ物語は進み… 仕事、恋愛、結婚のこと、など、考えることがたくさんの日常。 私自身は、物心ついた時には両親が自営業者だった影響もあってはじめからそちらに向けて進んだから、就職も就活も経験したことがなくて、組織で働いたのはいくつかのアルバイトでしか経験がない。 だから組織での仕事の苦悩については身をもって理解できない点も多々あるとは思うけれど、この小説で描かれてる数々の苦悩や苦労はとてもリアルに感じた。きっと実際こういう大変なことってたくさんあるだろうと。 だからそういう仕事をしている人のほうが深く理解できるし身につまされるものもあるのかもしれない。 とくに二人のそれぞれの朝の描写が秀逸で、読んでるだけで「仕事行きたくない…」と思ってしまった。朝から働く職業じゃないくせに。笑 理解に苦しんだり自分を煩わせる人間が現れるのが現実的で、でもそれらとどうにか折り合いをつけたりたまに避けてみたりしながら進んでいくところもとても現実的。 主人公たちと似た年代だから解ると思うところも多かった。 それでも、果てしなく続くような日常の中、何かが始まりそうな予感がする希望的な感じも良かった。

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2015/05/05

恋愛小説が読みたいなーと思って買ったけれど、お仕事小説として社会人の自分の身に迫るものだった。身に迫る、とも少し違うか。あぁ、あるあると思わされる、人間関係の綻びや仕事の辛さ。 良くもないけど、悪くもない。幸せでもないけど、不幸でもない。そんな毎日を淡々と受け入れ、過ごし、でもラ...

恋愛小説が読みたいなーと思って買ったけれど、お仕事小説として社会人の自分の身に迫るものだった。身に迫る、とも少し違うか。あぁ、あるあると思わされる、人間関係の綻びや仕事の辛さ。 良くもないけど、悪くもない。幸せでもないけど、不幸でもない。そんな毎日を淡々と受け入れ、過ごし、でもラストの佐藤さんとの再会に、なんだか小さな光を見たような、そんな気がした。 「オノウエさんの不在」は、読み始めの印象より読後感がとてもよかった。しぎ野さんはわたしだ、とも感じた。ただの新入社員から、ささやかな面倒くささや責務を引き受けようとする年齢への静かな移行。いま読めてよかった。

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2015/04/26

こういう肩の力が抜けたような普通の市民の日常を描いた作品が好きですね。 あり得ないような偶然は発生せず、登場人物が特別な才能を持ってたりもしない。 終わり方がさり気なくて余韻が楽しめました。

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