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星々たち の商品レビュー

3.7

76件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    5

  5. 1つ

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2024/10/26

桜木紫乃氏の世界観でいっぱいの作品。9話の短編から成る作品。全ての話が暗さの中に一筋の光を残して終わるような作品。どんな人生でも肯定されるべきだと感じることができる。

Posted byブクログ

2024/02/12

出逢いあれば、別れありw ってな事で、桜木紫乃の『星々たち』 ひとりワルツ 渚のひと 隠れ家 月見坂 トリコロール 逃げてきました 冬向日葵 案山子 やや子 の9つの短編集。 これは早くも今年1の本かも♪ 咲子、千春、やや子の親子三世代に絡む男、家族、周りの人々の人生ド...

出逢いあれば、別れありw ってな事で、桜木紫乃の『星々たち』 ひとりワルツ 渚のひと 隠れ家 月見坂 トリコロール 逃げてきました 冬向日葵 案山子 やや子 の9つの短編集。 これは早くも今年1の本かも♪ 咲子、千春、やや子の親子三世代に絡む男、家族、周りの人々の人生ドラマ。 DNAの遺伝子は遺志を子に伝えるんじゃろなぁと、つくづく思いますw クズな咲子、その親に育てられもせず怒涛な静けさと真っ直ぐな奔放さに生きる千春、その千春にも捨てられながらも静かに生きてくやや子。 それぞれの生き様は酷いけど、強く生きてく様に心打たれると言うか、共感や応援をしたくなる偽善な泥沼にハマり、抜け出せなくなる感覚。 そしてラストが鳥肌物! タイトル、装丁、内容の全てが繋がって完成させられる。 これ映画化しても面白いじゃろなぁ♪ 2018年16冊目

Posted byブクログ

2023/08/16

母とも別れ娘とも別れ、流れるように生きる塚本千春を取り巻く人々の視点から描かれた小説。感情を見せず素朴に生きているのに娘を置いて出て行ったり小説を書きたいという野望を見せたり、過酷な環境の中で時折現れる強い意志が不思議な女性だ。

Posted byブクログ

2023/05/27

咲子31歳…18の時に産んだ娘をリウマチの母親に預けて小さなスナックで働いている。 娘を産みっぱなしで男が変わるたびに流れるように生きてる女。 一章は咲子の恋と久しぶりに会う13歳の娘の話で物語の主人公はこの娘の千春です。 千春が関わった人が一緒にいた時間を語る形でストーリーが進...

咲子31歳…18の時に産んだ娘をリウマチの母親に預けて小さなスナックで働いている。 娘を産みっぱなしで男が変わるたびに流れるように生きてる女。 一章は咲子の恋と久しぶりに会う13歳の娘の話で物語の主人公はこの娘の千春です。 千春が関わった人が一緒にいた時間を語る形でストーリーが進んでいく。 その時その相手といた時間、千春が何を思っていたのかはわからない。 ただ読んでいると母親同様に流されるまま生きていると感じられる。 ただ読んでいてもロクデナシの母親や千春もなぜだか嫌いになれない。 終始流れる昭和の北海道の寂しいほどの空気感、千春の身体に惑わされる男達… 桜木さんのエロス漂う物語は千春が行き着く先はどこなのか、引き込まれていきます。 ラストの章で千春の子供・やや子の話で終わりますが、流れるまま生きてきた3人の生き方はこの作品のタイトルなのだとわかります。 あ〜この作品好きだなぁ _φ(・_・ もし若い頃に読んだら☆2かも… 歳を重ねるのも悪くない笑

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2023/01/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2015.4.28★2つ 2023/01/09★5つ以上 この7-8年の間に自分自身の置かれている環境が大きく変わったこともあり、今はこの桜木紫乃の女一人で強く生きる、がテーマ。 もしかすると、どのレビューでも書いてるのかもしれないが、この作品は自分の中では最高の作品かも。 図書館でなんとも借りているので、そろそろこれだけでも購入しようかな。 短編集だが「咲子」「千春」「やや子」の3世代の話。主に千春かな。千春の周りの人々との話。それがなんとも心地良い。 北海道って、よく女性作家さんが書くように、心もカラッとしているのかな。サバサバとか、引きずらないとか、だけど来るもの拒まず。 1.ひとりワルツ 働いているスナックに現れるスマートなヤマさんに、咲子は思いを寄せる。罪滅ぼしのように、祖母に預けている、中学生になった娘の千春を遊びに呼び寄せる。その再会を控えた咲子を、ヤマさんはデートに誘う。結果的にその後、ヤマさんは襲撃され亡くなる。 2.渚のひと 塚本千春の隣の家には医大に通う息子がいる。千春の高校の先輩にあたる。久々の帰省で内職を早めに切り上げ、家族3人で囲む息子の好物を作り始める。 その息子に、近所の祭りに誘われ、その後、季節が変わる頃千春の体調が変わってきたことに、育子が気づく。 3.隠れ家 ススキノの踊り子・麗香は、兄が帰ってきたら舞台を去ると決めていた。 その夜、8年ぶりに兄が姿を現した。小屋を出ようとしていた麗香の前に、踊り子見習いが現れる。喜怒哀楽を表さない彼女に本名を聞いたところ、千春… 4.月見坂 公務員の晴彦は高齢の母親と二人暮らしだ。 同居の母は、クレーマー。母への謝罪に来たスーパーの配達係の女性を見て、頭から離れなくなってしまう。結婚を決めたものの、この母が新婚の家にまでついてくる、と。 結婚を決めた女性が千春… 5.トリコロール 小さな港町で所帯を持って25年。桐子は夫とふたり、理髪店を営んでいる。 ひとり息子は家業を継がずに街をはなれている。突然、入籍だけすると言ってきた息子が連れてきたのは、姉さん女房なのに覇気のないお腹の膨らみ始めた女、千春だった… 千春は、やや子と名付けた娘を置いて家を出る。 6.逃げてきました 市役所勤務のかたわら、詩作をつづけてきた巴五郎。 彼が主宰する詩作教室に、塚本千春という30代の女が入会してきた。輪の中に溶け込もうともしないで眉をひそめられるような詩を書く。五郎を通してコンテストに出すことが慣わしになってるのに、千春はそれをせず出し、受賞する。 7.冬向日葵 罪を犯し、逃げ続けた能登忠治。 道北の小さな飲み屋の女将、咲子と暮らして8年が過ぎた。長い間住むことはしていなかったのに、つい住み続けてしまった。その咲子はもう病に侵され永くない。咲子が望むこと、産みっぱなしの千春が元気か知りたい、と。忠治は、ほんの少しのキーワードだけで小樽に行く。見つけた千春は創作活動をしながらカフェバーに勤めていた。忠治が店に忘れたボロ傘を、渡すため、外に出た千春は大事故に巻き込まれる… 8.案山子 東京から北海道・十勝に移住、一人暮らしの元編集者・河野保徳。少しおせっかいで親しみのある郵便配達に、お客さんがバス停にいるみたいだよ、と教えられ、誰だろう?と軽トラで向かう。バスを間違え気づいたところでブザーを押したのでここはどこ?と尋ねる傷だらけの女性、千春…1日2便しかないバスだから、と自宅に誘う。そこでポツポツ語りだした話が、元編集者である河野に刺さる。断片を寄せ集め膨らませ、名前は塚本としか聞いていないが、女の超えてきた時間と季節を思い、千春とする。(ここは出来すぎなのかとも思う)一気に書き上げた本は、元妻に送る。 9.やや子 図書館司書の田上やや子は、恋人に言われ彼の母親と会っている。 かかとの後ろには常にみちがないのがいい と考える、やや子。持ち物にも執着せず、一つのところにとどまりたいと思ったことがない。面倒がイヤで内心、彼と別れようと考えているやや子だった。 ところが実の父の件で、祖母宛に届いた手紙が転送され手許に来る。気の迷いで思わず電話してしまい、旭川を訪れることになる。 どの話も、救いようのない話かもしれない。 今の日本では、目を背けられそうな人たち。そして、そこから出ようと願ってもいない人たち。 その人たちも、キラキラ輝く一つの星。 懸命に働く、懸命に生きる、そのことの意味を問う素晴らしい作品に出会えたことに感謝です。 桜木紫乃先生、これからもずっと楽しみにしています。

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2022/10/20

人生のなかで、出会う人。 少しでも縁ができると変化が生まれるのだなぁと感じた。毎回じゃないかもしれないけど‥。 決して明るい雰囲気の物語ではなかったように感じたか、それがまたリアルさを出していて物語を見守るようにゆっくりと読むお話しでした。

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2022/08/01

 読み進めば進むほど、紫乃ワールドに入りこんでいく。迷路のように身体も心も、何時の間にか逃げられない。  登場人物すべてが、好き勝手に生きているように見える。しかし、好き勝手ににも与えられた環境、境遇がある。  流されながら、好きなように、勝手に生きる。  すばらしい  小...

 読み進めば進むほど、紫乃ワールドに入りこんでいく。迷路のように身体も心も、何時の間にか逃げられない。  登場人物すべてが、好き勝手に生きているように見える。しかし、好き勝手ににも与えられた環境、境遇がある。  流されながら、好きなように、勝手に生きる。  すばらしい  小説とは自己の行き方の証明と、これからの生き方の指針である❣❣

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2022/07/10

子どもの頃に愛されたかどうかで、幸せって決まるのかな?千春はもっと違う生き方はできなかったのかなって悲しくなる。

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2022/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あえて触れない部分が多い。千春に関わった人達は話が終わった後、別の人生を歩いていく。 人を惹き寄せたとしても、その惹き寄せる何かの意味が無くなれば離れて行ってしまう。 人に心を込めた何かを贈れば、受け取った人の中には何かがいつまでも残る。その人とずっと一緒にいたいと思うようになる。

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2021/06/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

正直あまり共感できなかった…。 登場人物は良い意味でも悪い意味でも人間味溢れているのだけど、主人公の千春だけはどこか掴めない。何を考えてるか全くわからない。 「渚のひと」では、千春が圭一に犯されて妊娠してしまう。この章は、読んでいてかなり気分が悪くなった。 その後も結婚、妊娠と、次々に男性のもとを渡り歩くけれど、どの人とも長く続かない。 千春は、自分が安易に性の対象になることに慣れてしまったのか、愚直だという印象が抜けない。 物語の展開がどんどん暗くなり、流されるままに生きて淡々と語る主人公の姿に不気味さすら覚えました。

Posted byブクログ