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星々たち の商品レビュー

3.7

76件のお客様レビュー

  1. 5つ

    11

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    20

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2017/07/24

咲子、千春、やや子の三世代、少し現実離れしてる設定な気もするが、いろんな年代を関わりある人たちを絡めて描いている。短編集をつなぎ合わせ大きなストーリーをなす。 桜木さん作品はまだ3冊目だが、全体に漂うジメジメとした感じや地方の閉そく感が同じ。 途中何だかどんよりとして来てしまい、...

咲子、千春、やや子の三世代、少し現実離れしてる設定な気もするが、いろんな年代を関わりある人たちを絡めて描いている。短編集をつなぎ合わせ大きなストーリーをなす。 桜木さん作品はまだ3冊目だが、全体に漂うジメジメとした感じや地方の閉そく感が同じ。 途中何だかどんよりとして来てしまい、このままどう終結するのだろうと感じたが、最終話でようやく光が射したようで全体の印象をガラリと変えた気がして、面白いと思えた。 『星々たち』タイトルも装丁も小説の最後に出てくるものと同じで、読み終えてしばらく見入った。

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2017/07/09

桜木紫乃シリーズ。 『北海道を舞台とした人間交差点』のようなストーリー展開も相変わらず薄暗い雰囲気が漂う。 今度は長編も読んでみたい。

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2017/06/23

咲子も千春もやや子も、淡々としていてなんだか薄気味悪い人だな、という印象。それでも毎日が同じことの繰り返しでも、辛いことがあってもひたすら生きる人の姿は胸を打つものがあった。 千春(と思われる)が最後に登場した案山子は、なぜそんな酷い目に合わせてしまったのか、そこまで千春を不幸に...

咲子も千春もやや子も、淡々としていてなんだか薄気味悪い人だな、という印象。それでも毎日が同じことの繰り返しでも、辛いことがあってもひたすら生きる人の姿は胸を打つものがあった。 千春(と思われる)が最後に登場した案山子は、なぜそんな酷い目に合わせてしまったのか、そこまで千春を不幸にしたいか...と作者を少し恨ましく思ってしまった。

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2017/06/18

またカッコいい大人の男「ヤマさん」。映像にしたくなるでしょう。 司書をする田上やや子とスナックで働く塚本千春の接点は、千春に触発されて書かれた小説「星々たち」。登場人物の交錯する視点。

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2016/11/26

暗くて、幸薄い女性の物語なら、この作者が日本一ではないか。途中で嫌になる話だか、何故か引き込まれてしまう。うーむ不思議だ。

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2016/10/29

どろっとした湿気の帯びた感じ こう読んでいくと 男性を主人公にするよりやはり女性の方がお話としてはドラマがあるのかな

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2016/09/02

2012〜14年に「月刊ジェイ・ノベル」に掲載された9話の単行本化。 少女期から中年期までの塚本千夏という女性を取り巻く人々[星々]の物語。 華奢なのに胸が大きく愚鈍な印象を与える千夏の心は多く語られず、周りの人々が千夏との関わりでその心の中の闇をのぞかせる。  千夏をシング...

2012〜14年に「月刊ジェイ・ノベル」に掲載された9話の単行本化。 少女期から中年期までの塚本千夏という女性を取り巻く人々[星々]の物語。 華奢なのに胸が大きく愚鈍な印象を与える千夏の心は多く語られず、周りの人々が千夏との関わりでその心の中の闇をのぞかせる。  千夏をシングルマザーで産み、祖母に預けたまま男を追いかけて各地の夜の町を転々としてきた母咲子。  医大生の息子を溺愛するあまり、妊娠した千夏の中絶の面倒を見る隣家の育子。  自分が原因で父を殺した兄の出獄を、ストリップ小屋に身を潜めて待っていたあさひは、新入りの千夏に衣装と成人式用の振袖を譲る。  裁判所の窓口係で40代独身の木村は、クレーマーの母親のお膳立てで千夏と結婚する。  根室で理髪店を営む夫婦は、息子[田上高雄]と結婚した千夏が出て行ったため、やや子という名の子供を引き取る。  現代詩講座を主宰する巴五郎は、参加する38歳の千夏が書いた「女体」という赤裸々な告白の詩を冷ややかに見たが、抱いた千夏の死が新聞社の賞を取ったことに恐怖する。  港町の居酒屋に居着いた逃亡殺人犯の能登は、死の床の咲子の頼みで札幌の店にいるという千夏を見つけ、名乗らずに千夏の私家版の作品をもらって帰るが、置き忘れた傘を届けようとした千夏は交通事故にあう。  小説誌の編集長を外され退職、離婚し、南十勝の野中の一軒家で暮らす河野は、迷い込んだ片足のない千夏生涯を聴き取り。『星々たち』という小説にまとめる。  田上やや子は祖父母が死ぬと根室を出るが、祖母宛の手紙が回送されてきて、死んだ父と暮らしていた三浦知子のいる旭川に出かけ、父が育てたという米をもらって帰る。  千夏の一生はどうだったのか、千夏が出てこない最後のやや子の話で、「なんだかね、いいような気がするの。すべてが、良い方に向いて、それぞれが自分で選択した場所で生きて死んだって、そう思えるの。」というやや子の言葉で救われる思いがした。

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2016/07/29

内容紹介 いびつでもかなしくても生きてゆく 『ラブレス』『ホテルローヤル』の桜木ワールドを凝縮。 直木賞作家による珠玉の作品集 奔放な実の母親とも、二度目の結婚でさずかった実の娘とも生き別れ、 昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。 その...

内容紹介 いびつでもかなしくても生きてゆく 『ラブレス』『ホテルローヤル』の桜木ワールドを凝縮。 直木賞作家による珠玉の作品集 奔放な実の母親とも、二度目の結婚でさずかった実の娘とも生き別れ、 昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。 その数奇な生と性、千春とかかわった人々の哀歓を、研ぎ澄まされた筆致で 浮き彫りにする九つの物語。桜木紫乃の真骨頂がここにある! 【目次】 ■ひとりワルツ つとめ先のスナックに時折現れる優男・ヤマさんに、咲子はひそかに思いを寄せている。 中学生になった娘の千春と再会を控えた咲子を、ヤマさんはデートに誘う。 ■渚のひと 医大に通う息子が帰省する。 久々に家族三人で囲む食卓の準備で内職を早めに切り上げた育子。 隣家の千春は、息子が卒業した高校の後輩にあたるのだが…… ■隠れ家 ススキノの踊り子・麗香は、兄が帰ってきたら舞台を去ると決めていた。 その夜、8年ぶりに兄が姿を現した。 ■月見坂 晴彦は高齢の母親と二人暮らしだ。 商品の苦情を述べた母への謝罪に訪れたスーパーの配達係の女性を見て、晴彦は…… ■トリコロール 小さな港町で所帯を持って25年。桐子は夫とふたり、理髪店を営んでいる。 ひとり息子は家業を継がずに街をはなれている。 ■逃げてきました 市役所勤務のかたわら、詩作をつづけてきた巴五郎。 彼が主宰する詩作教室に、塚本千春という30代の女が入会してきた。 ■冬向日葵 罪を犯し、逃げ続けて何年になるだろう――。 能登忠治が道北の小さな一杯飲み屋の女将、咲子と暮らして8年が過ぎた。 ■案山子 東京から北海道・十勝に移住、独りで野中の一軒家に暮らす 元編集者・河野保徳の前に現れたのは…… ■やや子 図書館司書の田上やや子は、交際半年の恋人に乞われ、彼の母親と会っている。 内心、彼と別れようと考えているやや子だったが…… 内容(「BOOK」データベースより) 奔放な母親とも、実の娘とも生き別れ、昭和から平成へと移りゆく時代に北の大地を彷徨った、塚本千春という女。その数奇な生と性、彼女とかかわった人々の哀歓を、研ぎ澄まされた筆致で浮き彫りにする九つの物語。

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2016/06/18

(2015.12.31読了) 切ないお話でしたが良かったです。 全9話からなり、短編集かと思いましたが違いました。 母から娘、そしてその娘のさらに娘と女性3世代にわたる物語です。 話毎に主人公が変わり結構淡々と進んでいきますが、飽きません。 これも舞台は北海道です。 旅情が掻き立...

(2015.12.31読了) 切ないお話でしたが良かったです。 全9話からなり、短編集かと思いましたが違いました。 母から娘、そしてその娘のさらに娘と女性3世代にわたる物語です。 話毎に主人公が変わり結構淡々と進んでいきますが、飽きません。 これも舞台は北海道です。 旅情が掻き立てられます!

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2016/12/31

言葉少なげで表情に乏しく、時に愚鈍な印象を他者に与える塚本小春。親に捨てられ、自らも子を捨てて生きて来た小春の人生は、時に愚かで、儚く、けれども強かである。 彼女と関わり、通り過ぎていった人々も一様につつましく、切なく、哀しい。 9つの短編を通じて、小春という女性の輪郭が徐々に浮...

言葉少なげで表情に乏しく、時に愚鈍な印象を他者に与える塚本小春。親に捨てられ、自らも子を捨てて生きて来た小春の人生は、時に愚かで、儚く、けれども強かである。 彼女と関わり、通り過ぎていった人々も一様につつましく、切なく、哀しい。 9つの短編を通じて、小春という女性の輪郭が徐々に浮き彫りにされていく。 この「星々たち」は8話目の「案山子」で小春が元編集者の男性に語った身の上話を元に書かれた小説として登場するという作中作。 やるせなく救いのない話も、9話目の「やや子」で咲子、小春、そして全ての登場人物の人生が肯定される。 ーー誰も彼も、命ある星だった。夜空に瞬く、名もない星々たちだった・・・自分もまたちいさな星のひとつーー 全体として一つの長編のような構成で、塚本小春という女性の人生を描いているのだが、一つ一つの短編も秀逸で、まさに星がちりばめられているよう。 特に「冬向日葵」は、つらく、哀しくも幸せな余韻を残す作品だった。

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