星々たち の商品レビュー
千春をとりまく周りの人間からの目線だけで 書かれているぶん、読み終わってから 余計に千春の内実を深く考えこまされてしまう。 肉親にも、土地に対してもこれだけ淡泊に 捉えることに共感はできないが、 不思議と羨ましくもある。 なんだかやや子の気持ち「他人には分かってもらえないだろう...
千春をとりまく周りの人間からの目線だけで 書かれているぶん、読み終わってから 余計に千春の内実を深く考えこまされてしまう。 肉親にも、土地に対してもこれだけ淡泊に 捉えることに共感はできないが、 不思議と羨ましくもある。 なんだかやや子の気持ち「他人には分かってもらえないだろうが自分たちが分かっていればいい」 っていうのは分かるような。
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桜木さん、またしてもこれですか! ホント、どうしようもない人達ばっかり。 ろくでもないし、救いようがないし、ときにこざかしい。 でもね、愛すべき人達なんだよね。 彼女の作品の根底には常に“赦し”がある。 どんな非道なことをしてもそこを責める姿勢はない。 そもそも清廉潔白な人間な...
桜木さん、またしてもこれですか! ホント、どうしようもない人達ばっかり。 ろくでもないし、救いようがないし、ときにこざかしい。 でもね、愛すべき人達なんだよね。 彼女の作品の根底には常に“赦し”がある。 どんな非道なことをしてもそこを責める姿勢はない。 そもそも清廉潔白な人間なんてそうそういるもんじゃない。 白黒つけるばっかりが正しいばかりじゃないと思う。 そんな優しさが桜木さんの作品にはあるんだよね。 そこがたまらなく好きだな。 なんだろう、この余裕って昭和な感じがする。 この物語の舞台が昭和40年代ってのもあるのかな。 なんだか懐かしいんだよね、レトロで。 この作品な千春という一人の女性とそれにかかわった人達のそれぞれの物語が描かれている。 連作短編集って微妙だけど、桜木さんは巧いですね。 一つ一つの物語もそれだけで成り立つし、そこから千春の生きざまもリアルに浮かび上がってきて。 ラストの短編「やや子」、良かったです。 最後に希望を残して終わって良かった。 千春とやや子、出会う事があるんだろうか。 気になるところです。
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初めての桜木作品。 受賞したホテルローヤルより先にこちらを読んだ。 うわ~、暗い暗すぎる。 でも、人生ってこういうものかもしれないとも思う。 人って繋がってるのよね、どこかで誰かと。 ずっと暗いんだけど、最後はちょっとホッとした。
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あれ、またタイトルに「星」がついてる。 図書館の新着コーナーから借りてきたので意図してなかったんだけど……。 一緒に暮らしいなくても母娘って似てしまうものなのだろうか? その人にある素質というものは母娘で似ていても不思議ではないか。
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ラブレスに続き、一気に読み終えた。 様々な人生を歩み、その人生を自分のものとして踏みしめている登場人物達の描写に引き込まれた。 桜木柴乃作品らしく、心理描写がキレイな表現で、スーッと入り込んでくる。 感動というか、切ないというか、妙な感情を持たせてくれる作品だった。
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女はみんな心に愚かさを持っている。平凡な幸せから堕ちていく自分に魅せられる心も。 それに気付いているかどうかは別として。 そんな女の愚かしさを描いたら今や右に出る者はいない桜木紫乃に、またやられた。 なぜこうなってしまうのだろう、という問いは無駄だろう。 そうなるようにできている...
女はみんな心に愚かさを持っている。平凡な幸せから堕ちていく自分に魅せられる心も。 それに気付いているかどうかは別として。 そんな女の愚かしさを描いたら今や右に出る者はいない桜木紫乃に、またやられた。 なぜこうなってしまうのだろう、という問いは無駄だろう。 そうなるようにできている、としか言いようのない、女の愚かで哀しい人生の、それでも前に前に進む強さとはかない美しさに、湿ったため息をまたついてしまった。
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