茨木のり子詩集 の商品レビュー
【その人の気圧のなかでしか 生きられぬ言葉もある】(文中より引用) 「わたしが一番きれいだったとき」等で知られる詩人の茨城のり子。同じく詩人の谷川俊太郎が、彼女の珠玉の作品を選んで編み上げた詩集です。 詩を読むのも数年ぶりだったんですが、思った以上に抵抗感がなかったのは(こう...
【その人の気圧のなかでしか 生きられぬ言葉もある】(文中より引用) 「わたしが一番きれいだったとき」等で知られる詩人の茨城のり子。同じく詩人の谷川俊太郎が、彼女の珠玉の作品を選んで編み上げた詩集です。 詩を読むのも数年ぶりだったんですが、思った以上に抵抗感がなかったのは(こう言ってしまうと言葉を生業とする人に怒られるかもしれないけれど)SNS時代の短文文化に自然と慣れているからなのかなと思いながらの読書でした。思わずハッとさせられる表現に出会うこともあり、久しぶりの体験をさせていただきました。 個々の人間に光を当てた作品に白眉なものが多い気がします☆5つ
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人生で初めて買って読んだ詩集。歯切れのよいさばさばした爽快さ、戦前戦後には恐らく珍しくも新しい、視野というかスケールが大きな女性といったイメージ。一方で裕福な家庭、知識人という面も伺える。詩集初心者としてはちょっとハードル高かった感じがした、
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詩が何を意味するのか、どんなことを伝えたいのかが分からないというかこちらが拾いきれないものが多かった。私が言葉の意味などをあまり知らないせいもあるだろう。それでも、たまにハッとさせられるものがある。 青春時代は戦時中だったにも関わらず、あらゆる表現を用いて、詩を書いてること...
詩が何を意味するのか、どんなことを伝えたいのかが分からないというかこちらが拾いきれないものが多かった。私が言葉の意味などをあまり知らないせいもあるだろう。それでも、たまにハッとさせられるものがある。 青春時代は戦時中だったにも関わらず、あらゆる表現を用いて、詩を書いてることから、芯の通った主張を抱えて生きていたと想像する。 「私の感受性くらい」では、力強い言葉を並べている一方で、「一人は賑やか」では繊細な心情を表している。これらより、作者が共感性と力強さを持ち合わせており、聡明な人物だったことを思わせる。 時間をおいてから、また読んでみたいと思う1冊であった。
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メッセージ性が強いといいますか、熱い思いが伝わってくる詩が多かったです。勝手な想像ですが、茨木のり子さんはとても真面目で、自分の意見をしっかり持っており、それを詩という形で表そうとしているんだろうなと思いました。 (この詩集の前に、石垣りんさんの詩集を読んだから、そう思うだけな...
メッセージ性が強いといいますか、熱い思いが伝わってくる詩が多かったです。勝手な想像ですが、茨木のり子さんはとても真面目で、自分の意見をしっかり持っており、それを詩という形で表そうとしているんだろうなと思いました。 (この詩集の前に、石垣りんさんの詩集を読んだから、そう思うだけなのかもしれませんが...)
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谷川俊太郎選、にしてもまだまだ多いので、感想を読み更に抜粋して読み進めた。「わたしが一番きれいだったとき」「自分の感受性くらい」の有名詩を時折めくって読むのも良い。「歳月」は美しいツイートみたいな謹言だらけの連作。「小さな娘が思ったこと」が情景も含め印象に残る。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
詩集を購入して読むって、難しいけど、茨木のり子さんは「自分の感受性くらい」が有名で、何度聴いても心が震えるので、一冊買っておこうと思って、文庫を買いました。心に響くものも、響かないものも、もちろんあったけど「歳月」という章は、先に亡くなった夫の不在や、体を重ねた思い出、夫の故郷(お墓)をモチーフにしていて、切なくもエロティックで素敵だった。その前までの章の、日中韓の関係や政治や社会を批判した詩との対比もよかった。 私が特に好きだと感じ、心が震えたのは「木の実」「水の星」「かの名称」。 「木の実」はミンダナオ島で、木の芽にひっかかった髑髏が、木の成長とともに上へ上へと伸びていった光景から、その男性を愛した人もいただろうと思いをはせた歌。 「水の星」は地球が地球である奇跡をうたっている。 「かの名称」は陰部をなんと呼ぶかという歌で非常に面白く、そんなテーマなのに、茨木のり子さんにかかると芸術になる!という。 詩集を一冊持っておくって、素敵なことかもしれない。
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普段、現代詩はほとんど読んでこなかったのですが、谷川俊太郎選出にかかる茨木のり子さんの詩集、のめり込むようにして読んでしまいました。大岡信さんとの対談もいいですね。
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出会いは中学生だったか。 それから何度も助けられてきた。 久しぶりに読み返して… 倚りかからず 最高。 ・自分の感受性くらい ・倚りかからず ・マザーテレサの瞳 ・私が一番きれいだったとき ・一人のひと ・もっと強く ・言いたくない言葉 ・二人の左官屋 ・落ちこぼれ
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はじめて詩集を読んだ。冒険したい世界がまたひとつ増えた。 【お気に入りメモ】 ・小さな娘が思ったこと ・りゅうりぇんれんの物語 ・首吊り ・言いたくない言葉 ・くりかえしのうた ・自分の感受性くらい ・冷えたビール ・一人は賑やか ・総督府へ行ってくる ・なれる 一人でいる...
はじめて詩集を読んだ。冒険したい世界がまたひとつ増えた。 【お気に入りメモ】 ・小さな娘が思ったこと ・りゅうりぇんれんの物語 ・首吊り ・言いたくない言葉 ・くりかえしのうた ・自分の感受性くらい ・冷えたビール ・一人は賑やか ・総督府へ行ってくる ・なれる 一人でいるとき淋しいやつが 二人寄ったら なお淋しい おおぜい寄ったなら だ だ だ だ だっと 堕落だな 恋人よ まだどこにいるのかもわからない 君 一人でいるとき 一番賑やかなヤツで あってくれ
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本書を読みたかったのは、作者がその生前には発表しなかった、夫への愛が綴られた『歳月』の詩が収録されていたから。 茨木さんの詩は、自分というものをしっかり持った人が、理知的に書いた詩という印象を持っていたのだが、『歳月』に収められた作品を読むと、作者の“私性“がかなり真っ直ぐ...
本書を読みたかったのは、作者がその生前には発表しなかった、夫への愛が綴られた『歳月』の詩が収録されていたから。 茨木さんの詩は、自分というものをしっかり持った人が、理知的に書いた詩という印象を持っていたのだが、『歳月』に収められた作品を読むと、作者の“私性“がかなり真っ直ぐに出ていて、深い愛情と信頼で結び付いていたからこそ書ける作品だなあと、沁み沁みとなった次第。 大岡信との対談、小池昌代さんの解説も、作者理解、作品理解を深めるのに、大変参考になる。
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