満願 の商品レビュー
不思議物語短編集。 内2話読んだ事あり。 最初の話は…何だかありそうな話です。 誤魔化ししよう、としてる人が案外世間にいるようですし。 しかし最初から誤魔化しが無理そうだ、と諦めないのが 今現在ありそうな話、と思ってしまうのでしょうか? 3つ目の『柘榴』は、娘からなのか そう...
不思議物語短編集。 内2話読んだ事あり。 最初の話は…何だかありそうな話です。 誤魔化ししよう、としてる人が案外世間にいるようですし。 しかし最初から誤魔化しが無理そうだ、と諦めないのが 今現在ありそうな話、と思ってしまうのでしょうか? 3つ目の『柘榴』は、娘からなのか そうなるようにしたのか。 多分生活から締め出したせいでこうなってしまった、と 思えなくもないです。 最後の感情も…女って怖い、と。 巡り巡って…な落ちのある『万灯』の最後は どう考えても誤魔化せない状態。 共犯者は慎重に選んで…とはいいますが 強制的なものですし、終わった後で 完全にそこに気がつかなかった失態が。 いや、まさかあれが活用されるとは思いませんでしたし むしろそこにあの時点で気がついた人がいたらすごいです。 『関守』はのどかな話かと思ったら…。 娘は可愛い。 孫はさらに可愛い。 とは言いますが、これはもう…恐ろしいまでの防御力。 共通点は、と探す目の前に示された共通点。 先輩の忠告は聞きましょう、というよりも 先輩が元凶というのはどうしようも。 とはいえ、これで先輩が乗り込んできたら。 考えるとまた複雑な状態になってしまうかと。
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ブラックなミステリ短編集。抑えた語り口がストイックで雰囲気を出してる。でも「柘榴」だけは、女としてありえない!ラストシーンのほの暗い美しさは印象的だけれど、 美少女娘⇒駄目父なんて、男の馬鹿な妄想話だと思う。学生時代は女を虜にする魅力で他の女にうらやましがられても、社会人になったら生活能力ゼロのヒモが女のトロフィーなんて、ありえない。しかも男は30半ばになったら絶対デブるかハゲてくる。そんな男に美少女が近親相姦なんて・・・いまどきの若い子はもっとしたたかだから、援交して養うハメになりかねない父親なんて選ばないよ。男性作家って時々女性にヘンな夢見るよね・・・。
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短篇集であったけど、そのどれもが一味利いていて良かった。こんなに短篇が上手い方だとは存じておりませんでした。
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今回の米澤穂信は短編集。 どの物語も非常に面白く、伏線の回収が見事で一気に引き込まれてしまう。そして読み終わる度に表題を読み返すと「あぁ、なるほど」と感心させられてしまうのである。そんな私は完全に米澤ワールドの虜だ。 皆さんも書店で見かけたらぜひ手に取っていただきたい。 201...
今回の米澤穂信は短編集。 どの物語も非常に面白く、伏線の回収が見事で一気に引き込まれてしまう。そして読み終わる度に表題を読み返すと「あぁ、なるほど」と感心させられてしまうのである。そんな私は完全に米澤ワールドの虜だ。 皆さんも書店で見かけたらぜひ手に取っていただきたい。 2014/05/15 追記 第27回山本周五郎賞、受賞おめでとうございます。
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どのお話もテンポよく、面白くかつ読みやすく クウォリティーの高いものだった。 「夜警」と「満願」が特に良かった。 ぐるっと頭の中を回転させられる感覚に陥るような 展開が恐ろしくゾクっとしながらも面白かった。
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黒め短編集。儚い羊が大好きだったんだけどこれも物凄く面白かった。米澤さんの黒い話はあまり理不尽さが無いというか無意味さが無いというか、取り返しのつかないもんは取り返しつかないんだよ当たり前じゃん何言ってんのハハハみたいな、フラグとその回収で綺麗に成り立ってるので後味の悪さが上手く...
黒め短編集。儚い羊が大好きだったんだけどこれも物凄く面白かった。米澤さんの黒い話はあまり理不尽さが無いというか無意味さが無いというか、取り返しのつかないもんは取り返しつかないんだよ当たり前じゃん何言ってんのハハハみたいな、フラグとその回収で綺麗に成り立ってるので後味の悪さが上手くはまる感じで非常に気持ちいい。
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ストーリーセラーシリーズは全部持ってるつもりだったが、表題作を読んだ記憶がない。 Amazonで調べてみよう。 相変わらず面白いが、書き下ろしもそろそろ読みたいなあ。。。
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期待の若手が放つミステリの至芸! 人生を賭けた激しい願いが、6つの謎を呼び起こす。 それは果たして、罪と呼べるのだろうか? 男が女が、善悪を超えて守ろうとしたものは何か? 巧みな心理ドラマが織りなす、米澤ワールドの新たな最高峰! ■夜警 警察に適した人間とは? 交番勤務の巡査殉死に隠された真実。 ■死人宿 当て推量でもなく、狭量な常識にもよらず、謎を解くこととは? 合理性より優しさが大事な時もある。 ■柘榴 離婚調停中の両親に対し、美しい中学姉妹がとった行動は? 勝ち取られるトロフィーの価値は、描かれない。 ■万灯 日本に新たな資源をもたらすためなら何だってする覚悟だ。 それがたとえ殺人であっても。 しかし、思いもよらぬ存在により男は裁かれる。 ■関守 毎年1人死んでいるという峠に取材しに来たフリーライター。 途中のドライブインで老婆に話を訊くことにするが……。 道祖神は実在していた。思いもよらぬ排他心を持って。 ■満願 殺人の末、刑期を静かに終えた、若き日にお世話になったおかみさん。 殺人を犯した、ほんとうの理由は? 果たして満願成就といえるのか。 どの短編も非常にハイレベル。一番は横山秀夫なみの警察小説でもある「夜警」でしょうか。 「関守」「満願」あたりも、語りが上手い。 ミステリ :☆☆☆☆☆ ストーリー :☆☆☆☆ 人物 :☆☆☆☆ 文章 :☆☆☆☆☆
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+++ 人生を賭けた激しい願いが、6つの謎を呼び起こす。期待の若手が放つミステリの至芸! 人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは――。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、フリーライターなど、切実に生きる人々が遭遇する6つの奇妙な事件。入念に...
+++ 人生を賭けた激しい願いが、6つの謎を呼び起こす。期待の若手が放つミステリの至芸! 人を殺め、静かに刑期を終えた妻の本当の動機とは――。驚愕の結末で唸らせる表題作はじめ、交番勤務の警官や在外ビジネスマン、フリーライターなど、切実に生きる人々が遭遇する6つの奇妙な事件。入念に磨き上げられた流麗な文章と精緻なロジック。「日常の謎」の名手が描く、王道的ミステリの新たな傑作誕生! +++ 表題作のほか、「夜警」 「死人宿」 「柘榴」 「万灯」 「関守」 どの物語も最後の最後に驚かされる。それもただのどんでん返しではない。人間の心の闇の深淵を覗くような、背筋が寒くなるようで、一瞬にして足元をすくわれたように落ち込んだ気分にさせられるのである。信じたい気持ちと、それでもやはりこのラストが真実なのだと心底ではわかっていたような昏い気持ちの狭間に閉じ込められたような読後感の一冊である。
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ううん、ブラック! 一番最初に読んだ米澤穂信の文章がこっち寄りだったなーと懐かしく思った。 古典部とか読んだあとにこれ読むと、色の違いがすごくて圧倒される。 短編集ですが読みごたえあります。 ごちそうさまでした!
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