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春を背負って の商品レビュー

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77件のお客様レビュー

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    18

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  3. 3つ

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2023/05/25

山小屋を舞台にしたヒューマンドラマで、連作短編の形をとっています。笹本稜平さんと言えば、長編山岳小説、アクションものというイメージを持っていましたから、意外でした。でも読みやすく、心癒される話でした。

Posted byブクログ

2023/03/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

劇的な展開がある訳でもなく、カリスマ的な存在の登場人物がいる訳でもない。でも、読み進めるうちに、何とも言えない爽快感と心温まる気持ちが湧いてくるような作品。 作者の自然の描写が、本当に素晴らしい。

Posted byブクログ

2023/02/22

山と、その山を見守る山小屋の人々の温かさとその登場人物のキャラクターが魅力的で、定期的に読み返したくなる一冊。

Posted byブクログ

2023/02/10

「笹本稜平」の山岳短篇連作小説『春を背負って』を読みました。 『還るべき場所』に続き、「笹本稜平」作品です。 -----story------------- 監督「木村大作」、主演「松山ケンイチ」で感動の映画化! 奥秩父の山小屋を舞台に、山を訪れる人々が抱える人生の傷と再生を...

「笹本稜平」の山岳短篇連作小説『春を背負って』を読みました。 『還るべき場所』に続き、「笹本稜平」作品です。 -----story------------- 監督「木村大作」、主演「松山ケンイチ」で感動の映画化! 奥秩父の山小屋を舞台に、山を訪れる人々が抱える人生の傷と再生を描く感動の山岳短編小説集。 二〇一四年六月東宝より映画公開予定。 先端技術者としての仕事に挫折した「長嶺亨」は、山小屋を営む父の訃報に接し、脱サラをして後を継ぐことを決意する。 そんな亨の小屋を訪れるのは、ホームレスの「ゴロさん」、自殺願望のOL、妻を亡くした老クライマー…。 美しい自然に囲まれたその小屋には、悩める人々を再生する不思議な力があった。 心癒される山岳小説の新境地。 ----------------------- 2009年(平成21年)から2010年(平成22年)にかけて『オール讀物』という小説誌に掲載された山岳連作小説… 奥秩父の山小屋を舞台にした心温まるヒューマンドラマでしたね。  ■春を背負って  ■花泥棒  ■野晒し  ■小屋仕舞い  ■疑似好天  ■荷揚げ日和  ■特別対談 『春を背負って』が語りかけるもの    笹本稜平 × 木村大作 「長嶺亨」は大学院卒業後、サラリーマンをしていたが、父「勇夫(いさお)」の死をきっかけに奥秩父の梓小屋という山小屋を継ぐことになった… そんな「亨」をサポートしているのが山小屋を閉じる冬場はホームレス生活をしている「ゴロさん」、、、 「ゴロさん」の本名は「多田悟郎」で「勇夫」の大学ワンダーフォーゲル部の後輩… 住宅リフォーム会社を経営していたがバブル期の不動産投資で失敗しホームレス生活をしていたが、偶然「亨」の父親と再会、父親の死後、「亨」を手伝い始めた、、、 ある日、年配の刑事が「ゴロさん」そっくりの指名手配のチラシを持って「亨」の家にやってきた… あまりにも謎に包まれた「ゴロさん」の過去、「亨」に生まれる猜疑心の灯、、、 「ゴロさん」のエピソードから物語は幕を開け(『春を背負って』)、 父親を亡くした自殺願望のOL「高沢美由紀」の遭難騒ぎ(『花泥棒』)、 野晒となった白骨化した遭難者と84歳のクライマー「大下恭二郎」の遭難騒ぎ(『野晒し』)、 「ゴロさん」が脳梗塞で倒れたり(『小屋仕舞い』)、 二つ玉低気圧による吹雪と積雪により三人の中高年パーティが山で身動きがとれなくなり女性一名が行方不明となったり(『疑似好天』)、 小屋開きの準備をしていた梓小屋に小学校低学年の少女とネコが迷い込んだり(『荷揚げ日和』)、 と、奥秩父の豊かな自然を舞台に、小さな山小屋に集う人々の心の触れ合いを丹念に描きつつ、「亨」の成長を描いた物語でした。 どの作品も”死”が共通テーマとなっていますが、それを乗り越えて前向きに生きて行こうとする姿に共感しましたね、、、 映画化作品では、舞台が立山連峰の薫小屋という山小屋になっていたりと、少し改変されているようですが… 機会があれば観てみたいですね。

Posted byブクログ

2022/08/24

山小屋を継ぐことになった男と関わる人達の短編連作集。ほっこりあたたかい、でもちょっとハラハラするような。

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2022/08/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長編山岳小説だと思っていたら心温まる連作短編集だった。思いがけずとても良かった。登山、やっぱりしてみたいなあ。 わたしのような重たい、価値のない荷物を背負おうと思ってくれるひとはいるのだろうかね。 「…しかしね、あの人にすりゃ、奥さんと真奈美ちゃんは損得抜きで背負う価値のある大事な荷物なんだろうね」

Posted byブクログ

2022/08/08

奥秩父の山小屋が舞台。 仕事に挫折した主人公が、父親の山小屋を継いで、ホームレスのゴロさんと共に色々な登山客との関わりがかかれている。 各章で出会う人たちがそれぞれ謎を持っている。 どういうことなの?って気になってどんどん読めた(エピソードは重め><)。 あと、何度か登山したこ...

奥秩父の山小屋が舞台。 仕事に挫折した主人公が、父親の山小屋を継いで、ホームレスのゴロさんと共に色々な登山客との関わりがかかれている。 各章で出会う人たちがそれぞれ謎を持っている。 どういうことなの?って気になってどんどん読めた(エピソードは重め><)。 あと、何度か登山したことがあるので、山小屋の人こんなことをやってくれていたんだ!とか、こういう感じなんだ!ってなった。 最後の対談も面白かった。 映画化していたそうで、映画監督と著者の対談。 主人公にしたいタイプとか、どうしてゴロさんが主人公じゃなかったかとか、 作り手側の視点が、へーへーへー!となる。 ゴロさんの言葉で、結構救われた。 「梅干しがいくら努力しても大福にはなれないが、梅干しには梅干しの、大福には大福の良さがある。それぞれの取り柄を大事にするのが人生の秘訣というもんだ」 結構人と比べて落ち込みがちだったので、この言葉を読んで、すごく前向きになった!

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2022/05/24

再読シリーズその五。 大学院卒業後、東京の電子機器メーカーで半導体研究を行っていた長嶺亨が一転、亡き父が経営していた奥秩父の山小屋を継ぐことにする。 バリバリの理系青年だった彼がなぜ亡き父と同じ山小屋のオヤジとなったのか…というその転機については本作を読んで確かめていただくとし...

再読シリーズその五。 大学院卒業後、東京の電子機器メーカーで半導体研究を行っていた長嶺亨が一転、亡き父が経営していた奥秩父の山小屋を継ぐことにする。 バリバリの理系青年だった彼がなぜ亡き父と同じ山小屋のオヤジとなったのか…というその転機については本作を読んで確かめていただくとして、五年経った冒頭では百キロ超えのボッカ(歩荷)もこなしているし、薪割も調理も小屋の修理もスタッフであるゴロさんや美由紀の協力を得て行い、それだけでなく客も増えているという営業努力もしているところを見れば半端な覚悟ではなかったことが分かる。 物語は山で起こる様々な事件(冬場は麓でも起こる)を通して、登山客や亨周辺の人々の人生に触れる内容になっている。 自殺を考えるほどに追いつめられていた美由紀はすっかり元気になり、サラリーマンを辞めて『敵がいなくなって味方が増えた』と分かったり、ゴロさんからは『自然体で生きるということ』を学んだり、山での暮らしは良いこと尽くしのように見える。 が、一方で大抵のことは自分たちでやらなければならないし、自然の中で暮らすからには自然の厳しさも思い知ることもある。 登山客たちが死と隣り合わせの場面に出くわすこともあるし、『野晒し』になったご遺体を発見することも。 この作品での一番の魅力的人物はゴロさんだろう。 彼の人生こそ波乱万丈。笹本さんなら彼を主人公に据えたいところだろうが、そうなるとサスペンス物になってしまうから敢えて亨を主人公にしたのだろうか。 後半でゴロさんが脳梗塞の発作で緊急手術となる話がある。その時のゴロさんの迷い、亨の決断は急に現実生活に引き戻される感じで辛かった。この話ではハッピーエンドになっているが、ゴロさんや亨が心配する最悪の事態になることだってあったのだ。私もゴロさんの立場なら迷惑を掛けたくないと思ってしまう。 それから登山客の中では大下恭二郎老人がなかなかのインパクトあるキャラクターだった。 どういう状況でも慌てず落ち着いて、こんな大変な事態に遭ってもまだまだ登山を続けるとは。周囲に迷惑を掛けない程度に頑張って欲しい。 ファンタジー要素が多かったような気もするが、それを生死の境目にいる人たちの幻覚と切り捨ててしまうのも違うような、こうした大自然の究極の状況だからこそ見られた特別なものと受け入れるのも良いように思える。 笹本さんの他の作品にも言えることだが、この作品も登場人物たちの語り口や口調が何となく似ていて、もう少し個性を出しても良かったのではないかなと思ってしまった。 麓で民宿を経営する亨の母親と亡き父親の夫婦関係は一見矛盾しているようだが分かるような気がする。

Posted byブクログ

2021/10/26

家族、人との繋がりの大切さを教えてくれた。 山小屋を舞台にして、いろんな出会いからそれぞれの物語が作られている。 6話構成だが一つ一つがちょうどいい文量で、お話もサクサク進むため読みやすかった

Posted byブクログ

2021/09/26

登山にハマってるので関連の本を探して読んでみた。登山道の整備、ボッカ、遭難者の救助など自分の知らないことが描かれており興味深く読めた。

Posted byブクログ