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木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか(下) の商品レビュー

4.2

41件のお客様レビュー

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2024/06/03

 積読本でしたが、やっと読了しました。木村政彦といえば。私らの年代だとプロレスラーとしてのイメージしかない。13年連続日本一。「木村の前に木村なく、木村のあとに木村なし」とまで謳われた伝説の柔道家だったことを知るのは、かなり後になってからである。  さらにプロレスラーとしてとし...

 積読本でしたが、やっと読了しました。木村政彦といえば。私らの年代だとプロレスラーとしてのイメージしかない。13年連続日本一。「木村の前に木村なく、木村のあとに木村なし」とまで謳われた伝説の柔道家だったことを知るのは、かなり後になってからである。  さらにプロレスラーとしてとしては、力道山にボロ負けしたことが有名になってる(悲しい)。本書は、その木村の生い立ちから亡くなるまでを丹念に描いたノンフィクションである。第43回大宅壮一ノンフィクション賞、第11回新潮ドキュメント賞受賞作。  著者の木村に対しての思い入れが随所にみられるのだが、ジャーナリストとして公平性を保とうという気持ちもうかがえる。もっとも木村政彦という男に対して思い入れがなければ、原稿用紙1600枚もの大著を書き上げられないだろう。

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2024/02/19

上巻に続き下巻もイッキ読み。 ページを捲る手が止まらん。 柔道はスポーツでなく、格闘技としてみると 最強なんだろうなと思ってしまった。 とにかく木村政彦の凄さと、その柔道史が事細かく書かれていて、 これ二冊(上下)読めば、いっぱしの柔道ツウになれること間違い無し。 歴史書です。

Posted byブクログ

2023/03/03

歴史にたらればはないが、力道山にあんな負け方をしなかったらどういう後世になっていただろう。プロ柔道をはじめた時点でいちど踏み外しているし、木村の人格には大きな心と、間違いなく令和の時代だったらあっという間に干される酷い悪童が同居している。それでも彼がしてきた信じられないほどの努力...

歴史にたらればはないが、力道山にあんな負け方をしなかったらどういう後世になっていただろう。プロ柔道をはじめた時点でいちど踏み外しているし、木村の人格には大きな心と、間違いなく令和の時代だったらあっという間に干される酷い悪童が同居している。それでも彼がしてきた信じられないほどの努力と、自身の驕りとも取れる一時の気の緩みがあの悲惨な敗北を招いたことをおもうと、深く同情せずにはいられないのはやはり増田氏の文章によるところも大きいのだろうが、木村政彦という人の天性の魅力なのだろう。

Posted byブクログ

2022/03/29

グレーシー一族が最も尊敬する格闘家と発言し、史上最強の柔道家と言われた木村政彦の人生を詳細に取材したノンフィクション。力道山に無惨に敗れた柔道家という印象しかなかったが、それは全く違っていた。勝つ、強くなることに全てを捧げ、尋常じゃない努力を積み重ねる。スポーツとしての柔道、ルー...

グレーシー一族が最も尊敬する格闘家と発言し、史上最強の柔道家と言われた木村政彦の人生を詳細に取材したノンフィクション。力道山に無惨に敗れた柔道家という印象しかなかったが、それは全く違っていた。勝つ、強くなることに全てを捧げ、尋常じゃない努力を積み重ねる。スポーツとしての柔道、ルールありきではなく、今で言うなんでもありの武道しての柔道を極める。それ以外のことは全く無頓着。戦争にも翻弄される。強くなることだけに真っ直ぐに純粋に取り組んできたことが、力道山戦の敗北につながる。ただ、木村にも驕り、慢心、思い上がりがあり、無条件に支持することもできない。のちにプロ格闘家が指摘するように、力道山の反則やシナリオ破りがあったにせよ、破れるべくして破れたのだ。また、この敗戦につながる背景としての柔道界やプロレス界の闇、当時の社会の闇にまで切り込んだ取材により、試合の状況、その後の経過まで腹落ちできる。とても重たいが、とてもおもしろい小説だった。

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2021/11/08

格闘技とプロレスは違うものと再認識。スポーツ好きだが、子供の頃からプロレスは八百長っぽく好きになれなかったが、ものすごくそれが腑に落ちた。

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2021/10/05

相当分厚い文庫上下巻。 全然苦にならず、どっぷり惹きつけられ続けるとは。 それだけ、著者増田俊也さんの筆力の高さと正当な評価がされていないことに対する怒り、「鬼の木村」の人生の数奇さ、彼の人間的魅力が相当なものだったということ。 上巻の最初に「あ、ついでに触れとくけど」くらいにさ...

相当分厚い文庫上下巻。 全然苦にならず、どっぷり惹きつけられ続けるとは。 それだけ、著者増田俊也さんの筆力の高さと正当な評価がされていないことに対する怒り、「鬼の木村」の人生の数奇さ、彼の人間的魅力が相当なものだったということ。 上巻の最初に「あ、ついでに触れとくけど」くらいにさらっと、関係者が割腹自殺、とあるのに度肝を抜かれた。なんて世界。 解説にも書かれていたように、私も著者の増田さんに感謝をせずにはいられない。「木村政彦」を知ることができてよかった。知らないまま逝くことがなくてよかった、と心から思える。 格闘技は嫌いじゃないけどマニアほど詳しくない自分にとって、なんとなく知っている桜庭和志さんのアレのアレがアレで、とグレイシー柔術からの木村政彦ハンパねえっぷりが伝わる妙な感じは、読み手によって違うんだろうなと思う。 柔道を始め、格闘技がそれまでと違って見えてくるはずの一冊。というか上下巻。 木村の前に木村なく、木村の後に木村なし。 鬼の木村を私は忘れない。

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2021/04/22

後半は著者の木村政彦愛をとても感じる内容で生の声がダイレクトに響いてきた。 木村政彦が現代にいたら日本の格闘界も大きく変わったと思う。

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2021/12/05

なげええええ長かった!上下巻合わせて1,150ページに増田俊也の書きたい事が全部詰まってたわ。力道山戦はプロレスだと油断してるところに不意打ちの打撃食らって破れたって事なんだけど、真剣勝負だったとしても負けてたかもって書いてるのは勇気あるな。木村政彦、力道山と半生を追いかけるのは...

なげええええ長かった!上下巻合わせて1,150ページに増田俊也の書きたい事が全部詰まってたわ。力道山戦はプロレスだと油断してるところに不意打ちの打撃食らって破れたって事なんだけど、真剣勝負だったとしても負けてたかもって書いてるのは勇気あるな。木村政彦、力道山と半生を追いかけるのはいいけど、大山倍達については章を割く必要あったか?大山は途中で木村に関わらなくなるし、別にいらなかっただろ、書きたかっただけだろ、ついでに同時代の空手の巨星を盛り込みたかっただけだろ???まあしかし読み応えあったし、著者の柔道や格闘技に対する愛は凄まじい。ラストに紹介された、岩釣兼生が地下バーリトゥード王者だったってエピソード、面白すぎだろ。刃牙かよ喧嘩稼業かよ。

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2019/05/14

下巻はいよいよ「昭和の巌流島」決戦。力道山、大山倍達ら昭和の歴史を彩る格闘家たちについて語られ、山場を迎えます。時代に翻弄されながら、それぞれの道を歩む格闘家たちの動向から目が離せなくなります。木村政彦の浮き沈みに一喜一憂しながら、伝説の人物の晩年に心をとらわれました。戦後の高度...

下巻はいよいよ「昭和の巌流島」決戦。力道山、大山倍達ら昭和の歴史を彩る格闘家たちについて語られ、山場を迎えます。時代に翻弄されながら、それぞれの道を歩む格闘家たちの動向から目が離せなくなります。木村政彦の浮き沈みに一喜一憂しながら、伝説の人物の晩年に心をとらわれました。戦後の高度経済成長とメディアの普及の歴史とともに歩んだ本当の男たちの記録が、私の記憶にしっかりと刻まれました。

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2019/02/25

最近読んだ本の中で一番怖かった。 大半が、力道山に負けた人としか理解していない「木村政彦」というヒーロー。とんでもない功績を持つヒーローが消えていき、しかもそれがノンフィクションであるという昭和の怖さ。闇すぎる。 この本を読んで、しばらく立ち直れないほどに脳がもやもやしてる。

Posted byブクログ