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人質の朗読会 の商品レビュー

3.9

216件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

    46

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2023/02/17

手の届かない場所へ行ってしまったとしても、彼らの語る物語は消えない。彼らの過ごした過去は揺るがない。だから、大丈夫。

Posted byブクログ

2023/02/15

人質の朗読会 小川洋子 異国の地で人質となり亡くなった8人。彼らが拘束された期間に行っていた朗読会。自らの物語を語る。 短編小説集という形で構成され、最後9章で通信を盗聴していた特殊部隊員が自らの物語と盗聴していた朗読会を重ね合わせることで締め括られている。 朗読をハキリアリの...

人質の朗読会 小川洋子 異国の地で人質となり亡くなった8人。彼らが拘束された期間に行っていた朗読会。自らの物語を語る。 短編小説集という形で構成され、最後9章で通信を盗聴していた特殊部隊員が自らの物語と盗聴していた朗読会を重ね合わせることで締め括られている。 朗読をハキリアリの行進と例えている

Posted byブクログ

2023/01/08

遠く隔離されたところで人生のある時を語る人質たち。彼らはやがて殺されてしまう。でも今まであったさりげないことを楽しく話している。朗読会。 観客は人質たちと見張り役の犯人。 それは絶望ではなく、今日を生きるための物語

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2022/12/12

感想 残酷だが美しく優しい物語。初めから死の結末が見えている。読み進めるのがとても辛く覚悟を要するが、我々読者は結末を見届ける義務がある。

Posted byブクログ

2022/12/08

それぞれの人生の一場面を切り取った物語。 最悪の状況の中でもわずかな光を求めていく。 そして苦しみから逃れる今を生み出していく。 全員救われてほしいと願ってしまう。 そしてコレがまるでノンフィクションのようなリアルで見えてくる。 小川さんの凄さを知った感じだ。

Posted byブクログ

2022/11/09

小川さんのを読むと優しさと容赦のなさって共存するんだなと思う。 花束はこういう話が書きたかったんだと思うほどに大好き

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2022/11/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

異国の地、隔絶された場所で人質となった8名が始めた、人生のささやかな一場面を切り取った朗読会。 慎み深い拍手で始まるその会の内容に絶望は感じられず、淡々と、しかし鮮明な印象を残す。 結果的に人質全員が死亡するという結末が冒頭からわかっているがゆえの哀しみもまた、物語ひとつひとつに華を添える。表現力、語彙の豊かさにまた心が動かされる。 名作だ。

Posted byブクログ

2022/10/18

初の小川洋子先生作品 短編集なので、次々と読めた。 不思議な感じ。 日常のようであり非日常な感じでもある。 B談話室でなんとなくソワソワ 死んだおばあさんで不思議な気分 頭と最後でなんでかなぁとなった。

Posted byブクログ

2022/11/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

わたしがもし異国の地で、生きるか死ぬかの状況に置かれたら、何を思い出すのかな…そんなこと思いながら読んでいた。 8人の人質と1人の政府軍兵士が思い出したのは、決して派手な話でも、人生が順風満帆な時期の話でもなかった。むしろ世界の片隅で孤独や死の気配を感じながら生きている、そんな一場面だった。 でも暗いだけじゃなくて、一生懸命自分の人生を生きている人たちもいた。個人的には、やまびこビスケット、のお話が好きだった。胸が温かくなった。 それぞれの朗読の最後に記された年齢、ここに至った経緯を見ると、9人ともその後の人生をちゃんと生きてきたんだと当たり前のことに気付く。語られた記憶をきっとお守りのようにして、粛々と生きてきたんだろう。 それぞれの人生は、普通なら賞賛されることなく見過ごされる。でもこうしてよく耳をすませるとハキアリの列のような美しさがあるんだと思う。

Posted byブクログ

2022/09/19

ヤマネのぬいぐるみとビスケットのエピソードで涙が出た 彼ら彼女らのこの朗読会の終着点は初めから明らかにされている。そしてこの朗読会自体がどのように行われていたか、目にした人物は1人も現れない。ただ、祈るようにそれぞれの人生の断片を、ちょっとした日々の物語を読むことしかできない。私...

ヤマネのぬいぐるみとビスケットのエピソードで涙が出た 彼ら彼女らのこの朗読会の終着点は初めから明らかにされている。そしてこの朗読会自体がどのように行われていたか、目にした人物は1人も現れない。ただ、祈るようにそれぞれの人生の断片を、ちょっとした日々の物語を読むことしかできない。私たちに、彼らは救えない。 それでも、この朗読会に宿る静謐な神聖さは、人生そのものの神聖さでもあるし、物語がある意味なのだと思った。

Posted byブクログ