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人質の朗読会 の商品レビュー

3.9

216件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2024/05/30

朗読される内容がどれも温かくて優しいものばかりでした。 ほんとにいつまでも朗読会が続けば良いのに、と思ってしまいました。 重たい感じもなく良かったです。 もし死ぬのかも…、という状況の中で自分だったら過去のどんな話をするのだろうか。 こんな温かい内容自分には話せないかも…。 い...

朗読される内容がどれも温かくて優しいものばかりでした。 ほんとにいつまでも朗読会が続けば良いのに、と思ってしまいました。 重たい感じもなく良かったです。 もし死ぬのかも…、という状況の中で自分だったら過去のどんな話をするのだろうか。 こんな温かい内容自分には話せないかも…。 いや、口ベタで上手に話せないかも…。 そんなこんなを考え、過去を思い返してみたり、さらにこの先の生き方を考えさせられました。

Posted byブクログ

2024/05/21

 9篇からなる短編小説集で、冒頭から小川洋子さんらしからぬ衝撃的な設定があります。各編の外側に別の世界を準備することで、連作ではない短編どうしがつながる発想と構成が見事です。  物語は、地球の裏側の小さな村で、遺跡観光ツアーの日本人8名が反政府ゲリラに拉致、という報道から始まり...

 9篇からなる短編小説集で、冒頭から小川洋子さんらしからぬ衝撃的な設定があります。各編の外側に別の世界を準備することで、連作ではない短編どうしがつながる発想と構成が見事です。  物語は、地球の裏側の小さな村で、遺跡観光ツアーの日本人8名が反政府ゲリラに拉致、という報道から始まります。事件発生から百日以上過ぎ、犯人の仕掛けたダイナマイトの爆発で人質は全員死亡。  さらに2年が過ぎ、特殊部隊の盗聴テープに録られた人質の音声が公開されます。人質たちが順に自らの過去を語った様子は、「人質の朗読会」と題しラジオ番組で流され、その放送を一夜ごとに再現したのが本書の内容です。  7(ツアー客)+1(ツアーガイド)+1(政府軍兵士)一人一人の語りから見えてくることがあります。他人には些細なことでも当人にとっては特別で、記憶の中に染みつき、意識の底に刷り込まれた出会いがあるのだと‥。  そして、各編の共通点として「死」と「祈り」が見え隠れします。さらに本書の冒頭、既に8人は救出作戦が失敗し、死亡していることが明かされており、言わば死者が語る自らの物語なのです。  確かに、物語によって死者たちが蘇り、生きた証を伝えることでこの世とつながり続けることができるのでしょう。ただ小川さんは、人物の内面には決して踏み込みません。冷徹かつ克明な描写に徹することが、透明感あふれる筆致を生むのでしょうか。幻想的に見えながら、輪郭が明確でリアリティが失われない世界に、感心し圧倒されます。ある一人の人間が生きたある時間を追体験する‥、不思議で妙に心に残る読書体験でした。  不思議な巡り合わせですが、本書(単行本)が発刊された直後、東日本大震災が発生し一万人を超える方が亡くなりました。当然ながら、一万を超す一人一人の物語があったはずで、これを誰が書き残し伝えていくのでしょう‥。

Posted byブクログ

2024/05/15

「最初の7ページでもう名作だとわかります」の帯に惹かれて買いました 導入部でこの先への期待がふくらみました その先は特に状況や大筋に関係しないエピソードトーク集でした

Posted byブクログ

2024/05/05

人生のひとときを切り取るような。 何でもない日常なのにどこか特別な物語。 悪くはないけど、入ってこなくて ふーんって思いながら読んでいた。 環境?時間?気分? ハマらなくて残念。 また少し置いてから読んでみよう。

Posted byブクログ

2024/05/04

小川洋子さん!って感じで、日常に起こりそうで起こらなそうな話たちを一緒になって聞いてる気分。 最近、言語化がどうとかこうとかっていうことばかり考えていたから、なぜ小川洋子さんの文章に惹かれるのかを考えながら、噛み締めながら読んだ。 どの話も甲乙つけ難くて、印象的だった。 自分がこ...

小川洋子さん!って感じで、日常に起こりそうで起こらなそうな話たちを一緒になって聞いてる気分。 最近、言語化がどうとかこうとかっていうことばかり考えていたから、なぜ小川洋子さんの文章に惹かれるのかを考えながら、噛み締めながら読んだ。 どの話も甲乙つけ難くて、印象的だった。 自分がこの場にいたら、どんな話を出来ただろうかと思わず考えてしまう。日常のささいな話を物語として残せる人になりたい。

Posted byブクログ

2024/05/05

さみしさと優しさを携えている。朗読会で披露するものが、例えば最愛の人との出会いのような特別にドラマチックなものではなくて、日常に落ちていた出来事、けれども忘れ難いものであるところがすごく愛しくてよかった。『やまびこビスケット』『コンソメスープの名人』お気に入りです。

Posted byブクログ

2024/04/07

全ての朗読会が美しい。 掌編の最後の(専業主婦、30代女性)というひと言だけで、どの話にも結末の暗示や、話のオチが付いているのが、この「人質の朗読会」が他の短編集と一線をかく所だと思いました。

Posted byブクログ

2024/02/25

何度も読んでいる本。 大きな華やかな出来事ではないけれど、力を与え られる出来事を見せてもらった感じが好き。

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2024/02/24

構成を初めに話して結果が分かっているからこそ中身の短編たちが意味を持って輝いて見える。 小川洋子さんの小説は何かしら死の存在を織り交ぜるケースが多く、静かな中に美しさが感じられる文章が毎回落ち着く。

Posted byブクログ

2024/02/18

大きくわけると9つの話にわかれていて 読みやすかった。 どの話もドカンと衝撃的な話ではないが、引き込まれる話だった。未来が見えない中、自分の過去を思い出したときは、大きな出来事より些細な出来事が思い出されるのかもしれないなと。 文体がそれぞれの性格や性分を現すように書かれていると...

大きくわけると9つの話にわかれていて 読みやすかった。 どの話もドカンと衝撃的な話ではないが、引き込まれる話だった。未来が見えない中、自分の過去を思い出したときは、大きな出来事より些細な出来事が思い出されるのかもしれないなと。 文体がそれぞれの性格や性分を現すように書かれているところもおもしろいと感じた。

Posted byブクログ