よるのふくらみ の商品レビュー
祝福された愛に、孤独を深める女。思いを秘めたまま、別の恋に堕ちる男。離れていく心に、なすすべのない男。ままならない心と身体を描く恋愛小説。 (「BOOK」データベースより) 窪さんの期待の新刊です!やっぱりよかった!面白いとかドキドキしたとか、そういうのはないけど、じんわーりと...
祝福された愛に、孤独を深める女。思いを秘めたまま、別の恋に堕ちる男。離れていく心に、なすすべのない男。ままならない心と身体を描く恋愛小説。 (「BOOK」データベースより) 窪さんの期待の新刊です!やっぱりよかった!面白いとかドキドキしたとか、そういうのはないけど、じんわーりと迫るリアルな空気が変わらず。「ふがいない~」ほどの衝撃はなくて、それでもじっとりとした感覚はそのままで。しばらく読みたい作家さんです。
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知性や理性でもって抑え込んで生きている衝動をさらけ出すと窪小説になる、のだろう。 ぬるくて湿度が高くてギトギトとした、読み手の欲望を刺激する一冊。 『ふがいない』よりも好き嫌いが分かれると思う。
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「あのう、私、欲情しておるのですが」 ぬけだせないこと。 カエルの子はカエルなのか。 ムカムカしてしまうけれど、 めがはなさせない。 「ふがいない僕は空を見た」よりエロくない。 こっちがふつうなのかな。
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三人の視点でそれぞれ語られる想いと人生のあれこれ。セックスの絡んだ愛や結婚観をドロドロの修羅場にせずに人情味溢れる物語に纏めたのは見事。ミミこと京子ちゃんが清々しくて良かった。
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窪美澄さんの小説は女である自分の奥深くがギュッと刺激される。 最近、少しマンネリ感を感じてたけど、ひさびさに掴まれた1冊。 生と性をこんなにリアルに書けるのは、産む性である女性ならではなのかも。 もちろん私が女だから共感できるというのもあるけど。
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『誰にも遠慮はいらないの。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げていくよ』 読みながら、身体の中、頭の中の色々なところが膨らんでは萎んでいく。あっという間に読み終わっても、膨らんで萎んでがおさまらない。 熱を出した時のように、気怠く、ぼんやりと、どんどん重...
『誰にも遠慮はいらないの。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げていくよ』 読みながら、身体の中、頭の中の色々なところが膨らんでは萎んでいく。あっという間に読み終わっても、膨らんで萎んでがおさまらない。 熱を出した時のように、気怠く、ぼんやりと、どんどん重く、融解していく。そして自分の内側に過去に意識が向いて、自分のままならさをほじくり返し始め、瘡蓋をはがすのをやめられない、恐ろしい小説。 ただ、前作のように呆然と突き放されることはなく、夜明けを見せてくれるので、読後感は重くない。
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ありていに言えば陳腐な話である。 一人の女性と彼女を好きになった兄弟の三角関係の話なんて少女漫画かメロドラマみたい。 とはいえ、使い古されたストーリーを窪美澄が描くとどうなるか。 “「血の通った」とはよく言われる言葉ですが、 それをここまで体現する作家は、まれだと思います。” ...
ありていに言えば陳腐な話である。 一人の女性と彼女を好きになった兄弟の三角関係の話なんて少女漫画かメロドラマみたい。 とはいえ、使い古されたストーリーを窪美澄が描くとどうなるか。 “「血の通った」とはよく言われる言葉ですが、 それをここまで体現する作家は、まれだと思います。” これは本の帯に書かれている西加奈子さんの文章。 まさにその通りで、窪さんの描く世界は圧倒的なリアルで胸に迫る。 生身の人間が傷ついたり傷つけたり恋したり欲情したり・・・。 どうにもならない人間臭さに登場人物の全員にあますところなく共感してしまった。 この物語の核とも言える“セックスレス”。 私の知人にもこれが原因で離婚した人がいる。 結婚してから一度もないなんてどういう事よ!と当時は妻の立場になり大憤慨。 でも今自分が歳を取ったせいもあるかもしれないが、この小説を読み改めて圭祐の立場になって考えると、考えがぐらぐら。 EDで離婚された男ほど辛いものないんじゃないかと。 でも、夫婦の形は人それぞれ。他人がとやかく言うもんじゃない。 改めてそんな風に感じさせてくれた小説だった。 前回の短編集でちょっとがっかり感はあったけれど、この作品はよかった。 ドロドロしているだけじゃなく、読後感爽やかな窪さんの小説が戻ってきて嬉しくなった。
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太古の世から命を繋いできた動物としての、人間のありかた。 社会の一員としての、人間のありかた。 上手く、破たんなく纏められるとよいのだが。 必ずしもそう上手くいくとは限らない。 その断層にはまり込んでしまった、主人公の痛みが痛い。 痛みが心にしみる。 「誰にも遠慮はいらない...
太古の世から命を繋いできた動物としての、人間のありかた。 社会の一員としての、人間のありかた。 上手く、破たんなく纏められるとよいのだが。 必ずしもそう上手くいくとは限らない。 その断層にはまり込んでしまった、主人公の痛みが痛い。 痛みが心にしみる。 「誰にも遠慮はいらないの。なんでも言葉にして伝えないと。どんな小さなことでも。幸せが逃げてしまうよ。」
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おんなはみんないんらん なのか、 おんなはさびしいと、 ものすごくぐっとくる文章で、お互いの視点から描かれているから、喧嘩両成敗みたいでスッキリした
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★★★☆☆ 好きって何? 【内容】 祝福された愛に、孤独を深める女。思いを秘めたまま、別の恋に堕ちる男。離れていく心に、なすすべのない男。ままならない心と身体を描く恋愛小説。 【感想】 "好き"ってどういうことだろうか?それは自分の気持だ。 でも、相手が自分...
★★★☆☆ 好きって何? 【内容】 祝福された愛に、孤独を深める女。思いを秘めたまま、別の恋に堕ちる男。離れていく心に、なすすべのない男。ままならない心と身体を描く恋愛小説。 【感想】 "好き"ってどういうことだろうか?それは自分の気持だ。 でも、相手が自分を"好き"ではないとすると、自分の"好き"って気持ちはどこへ行ってしまうのだろうか。 "好き"であることは変わらないのに、それは幸福ではなく悲しみを生む。 悲しみはまた別の悲しみを生む。 "好き"だから、S○Xするのか、S○Xするから"好き"なのか。 使い古された言い方だが、お互いが"好き"であることはやはり奇跡なのだ。 そのことに日々感謝しなければならない。
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