1,800円以上の注文で送料無料

仕事に効く 教養としての「世界史」 の商品レビュー

3.8

158件のお客様レビュー

  1. 5つ

    28

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

    6

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2015/06/08

ライフネット生命CEOで、歴史への造詣も深い著者が、グローバルスタンダードとして身につけておくべき世界史の知識を、独自の仮説や解釈も加えてさらに深掘りし、現代の日本にも通じる教訓を導き出した歴史解説書。 著者は、ローマ帝国、中国文明、アヘン戦争、アメリカの勃興といった個別具体的...

ライフネット生命CEOで、歴史への造詣も深い著者が、グローバルスタンダードとして身につけておくべき世界史の知識を、独自の仮説や解釈も加えてさらに深掘りし、現代の日本にも通じる教訓を導き出した歴史解説書。 著者は、ローマ帝国、中国文明、アヘン戦争、アメリカの勃興といった個別具体的な事象を取り挙げ、「なぜ、それが起こったのか」を、自然環境、交易、武力、行政、宗教など、様々な視点から因果関係を紐解き、「そこから何を学ぶのか」を提示すると同時に、そのような観点で歴史を捉えること自体の重要性も強調する。 歴史の専門家からすれば異論のある説も含まれているのかもしれないが、時間的・空間的視野を広げるとともに、表層的な「事実」の背後にある「意味」を問うことによって、今日の日本という存在をより客観的に捉えようとする著者の姿勢には、「暗記科目としての歴史教育」に対する強烈なアンチテーゼとして、学ぶべきことが非常に多い。

Posted byブクログ

2015/05/02

 先日、出口 治明 氏 による「仕事に効く 教養としての「世界史」」を読み終えました。  ちょっと話題になっている本です。以前の同僚の方のお薦めでもあったので、読んでみました。  著者の出口治明氏は、ライフネット生命保険株式会社会長兼CEO、歴史の専門家ではありませんが、稀代の読...

 先日、出口 治明 氏 による「仕事に効く 教養としての「世界史」」を読み終えました。  ちょっと話題になっている本です。以前の同僚の方のお薦めでもあったので、読んでみました。  著者の出口治明氏は、ライフネット生命保険株式会社会長兼CEO、歴史の専門家ではありませんが、稀代の読書家としても有名な方です。  本書は、その出口氏が、人類の長い歴史の中から10のトピックを取り上げ、現代を読み解くヒントを解説したものです。具体的な内容は、かなり出口氏流の解釈が開陳されていることもあり、すべてが史実であるかといえば私の知識では識別できませんが、とても刺激的な指摘のオンパレードです。

Posted byブクログ

2018/10/31

西洋、中国、イスラム圏を中心に、歴史の要となるテーマを取り上げているような内容。鉄器の普及と思想家の誕生、テュルクの西方移動と支配の歴史、「保守」の思想が誕生した経緯、アヘン密輸に対峙した官僚が明治維新に与えた影響といった歴史のつながりがおもしろかった。 中国の周王朝は青銅器を...

西洋、中国、イスラム圏を中心に、歴史の要となるテーマを取り上げているような内容。鉄器の普及と思想家の誕生、テュルクの西方移動と支配の歴史、「保守」の思想が誕生した経緯、アヘン密輸に対峙した官僚が明治維新に与えた影響といった歴史のつながりがおもしろかった。 中国の周王朝は青銅器をつくって文字を書ける職人を囲い込み、貢物を持ってきた相手に贈った。BC770年に西周が滅ぶと、職人や書記たちが諸国に拡散したため、青銅器に書かれている内容を知ることによって周を崇めるようになり、これが中華思想となった。BC500年頃から始まる戦国時代に鉄器を使って山を切り開いたため、大洪水が起きるようになった。それ以前はサイやトラが棲む大森林があった。鉄器が普及して世界規模で高度成長期が訪れ、生活に余裕が生まれたため偉人も生まれた。法律に従って政治を行う法家、先祖を大切にしてまじめに生きることを唱える儒家、国土の荒廃や戦争を批判する墨家、何もしないで自然に任せろと説く老荘思想の道家などの諸子百家が登場した。秦の始皇帝は、自らの考えを全国に行きわたらせるために官僚を送って知事を任命し、文書を送って指示を出したため、文書が蓄積して歴史が発達した。 後漢が滅亡した後の五胡十六国時代を制した北魏は、鮮卑がつくった国だったため、鎮護国家色の強い大乗仏教を国教とすることによって中国を征服することを正当化した。 朱子学は、北宋時代の宋学を南宋の朱熹が集大成したもので、学問をして立派な人格を磨くことを説いた。大元ウルスの時代に科挙が廃止されたために職を失った知識人たちが崇めたために広まった。 古代ローマでは、ペルシャから来たミトラス教やエジプトから来たイシス教を信仰していた。冬至は太陽神のミトラスが死んで再び生まれる日として盛大にお祝いされた。イシスは大地母神で、我が子を膝に乗せて抱いている像が敬愛されていた。キリスト教の普及とともに、冬至の祝いがクリスマスになり、イシスの像が聖母マリア像になった。 イングランドは1016年にデンマーク出身のクヌートに占領され、フランスにも911年にノルマンディー公国ができた。気候のよい土地で人口が増えたため、南イタリアにノルマン・シチリア王国や、サンクトペテルブルクからネヴァ川を遡ってノヴゴロド公国やキエフ公国をつくった。「ルーシ」は元々スウェーデンのヴァイキングのこと。 現在のトルコ共和国は、552年に突厥のブミン・カガンが即位した日を建国記念日にしている。突厥はモンゴル高原からカスピ海に至る地域を200年ほど支配し、それを滅ぼした同じテュルク系のウイグルも100年ほど続いた後、西に移動してイスラム教に感化し、トゥルクマンと呼ばれるようになった。その時代に現在のウズベキスタンあたりを本拠としていたサーマーン朝の人々が、力の強いトゥルクマンの子どもたちを譲ってもらって戦士として育て、イスラム諸国にマムルークとして売られ、近衛軍の中核を担うようになった。10世紀末にテュルクの集団からセルジューク朝が生まれ、11世紀半ばにアッバース朝のカリフからスルタン(世俗の支配者)の称号を与えられた。行政はペルシア人の官僚が担った。セルジューク朝が勢力を広げて分裂した後には、ルーム・セルジューク朝などの王朝がトゥルクマンたちによってつくられた。13世紀末に生まれたオスマン朝は、勢力を伸ばすためにバルカン半島に進出してキリスト教徒の住民を鉄砲を持つ歩兵として育てた。1514年のチャルディラーンの戦いでは、鉄砲を持った歩兵のオスマン側が騎馬軍団に勝利し、これ以降トゥルクマンは歴史舞台から退場していった。インドのムガール帝国もトゥルクマンとペルシア人の官僚によって経営された国で、標準語のひとつであるウルドゥー語はヒンドゥー語とペルシア語が合成されたもの。 歴史を持たないアメリカは憲法の理念を国の礎にした。イギリスを同じ敵としてアメリカを支援したフランスもその影響を受けて革命に至った。イギリスのエドマンド・バークやフランスのトクヴィルは、人間の理性に対して懐疑的な立場から、社会に習慣として定着してきたものを少しずつ改良する「保守」の思想を唱えた。 イギリスによる中国へのアヘン密輸を取り締まるために、エリート官僚の林則徐は広東に向かう前に洋書を買いあさり、同行させた学者に内容を口述させて学んだ。アヘン戦争に敗れて罷免された林は、役立った洋書を翻訳することを学者に依頼して「海国図誌」が刊行され、佐久間象山や吉田松陰などの経典となった。ペリーの来日目的は、中国と直接交易する太平洋航路を開くための中継地を獲得することであるとアメリカの文書に明確に書かれている。

Posted byブクログ

2015/04/04

ストーリー展開の論拠が弱く、強引さが目立つ。著者の趣味に付き合わされた感じだ。ただ、趣味に付き合って、歴史の楽しみ方を味わうには悪くない。充分楽しく、そんな見方もできるよね、という感じだ。仕事に効くという文言や自信は何だろう。自分がビジネスで成功し、かつ歴史好きだからという、これ...

ストーリー展開の論拠が弱く、強引さが目立つ。著者の趣味に付き合わされた感じだ。ただ、趣味に付き合って、歴史の楽しみ方を味わうには悪くない。充分楽しく、そんな見方もできるよね、という感じだ。仕事に効くという文言や自信は何だろう。自分がビジネスで成功し、かつ歴史好きだからという、これも薄弱な論拠による飛躍だ。つまり、タイトルが中身を表してしまっている。 いや、ボロくそに書いてしまったが、楽しい本である。歴史に論拠を求めるなら、最初から研究者の文献を読むべきであり、これは読み手の問題なのだから。

Posted byブクログ

2015/03/19

 学生時代から、世界史なんてあまり興味を持ったことは無かったのですが、この本はビックリ。 学校では習わなかった事が多く書かれています。 これは、すごい本だ。 読みながら、気になった所に付箋貼っていたら、本が付箋だらけになりました。 世界史って、こんなに面白いのか・・・(気が付くの...

 学生時代から、世界史なんてあまり興味を持ったことは無かったのですが、この本はビックリ。 学校では習わなかった事が多く書かれています。 これは、すごい本だ。 読みながら、気になった所に付箋貼っていたら、本が付箋だらけになりました。 世界史って、こんなに面白いのか・・・(気が付くの遅すぎるって)

Posted byブクログ

2015/02/15

様々な各地の歴史を横串にしている一冊。いかに自分の知識が浅いかがわかり、また、自分の学んだ世界史とは、とても断片で一方向であったかとわかる。世界の今は、様々な歴史の中で作られ、それは政治や社会、常識やその土地に暮らすそれぞれの人に影響を与えている。今、日本でたくさんの国の人と関わ...

様々な各地の歴史を横串にしている一冊。いかに自分の知識が浅いかがわかり、また、自分の学んだ世界史とは、とても断片で一方向であったかとわかる。世界の今は、様々な歴史の中で作られ、それは政治や社会、常識やその土地に暮らすそれぞれの人に影響を与えている。今、日本でたくさんの国の人と関わる仕事をしているため、こういったことをしっかり知識としてもっておくことは非常に重要だと感じる。しかし、またまだ全てを理解するには時間がかかるし、あと最低3回は読みたい。その前にそれぞれの国ついての歴史を深く学んでからでないとダメだろう。

Posted byブクログ

2015/02/11

人間はワインと同じ。生まれ育った地域の気候や歴史の産物。交易はかならず双方を豊かにする。交易こそが世界をつなぐキーワード。ペリーがやってきたのは中国との貿易が目的。大英帝国と激しく争っており、太平洋航路を開いて中国と直接交易するしか勝利する方法が無かった。ハリスはしょっちょう金と...

人間はワインと同じ。生まれ育った地域の気候や歴史の産物。交易はかならず双方を豊かにする。交易こそが世界をつなぐキーワード。ペリーがやってきたのは中国との貿易が目的。大英帝国と激しく争っており、太平洋航路を開いて中国と直接交易するしか勝利する方法が無かった。ハリスはしょっちょう金と銀をこうかんして儲けた儲けたと喜んでいた。日本の金と銀の比率は1:5と世界の1:15より金が安く大量の金が流出した。 易姓革命を正当化するには前の王朝の最後の王様を可能な限り悪く書く必要がある。 宗教は貧者の阿片。この世は地獄だけどあの世は天国だと考えるから。 日本は中国に対抗するために古事記や日本書紀をつくった。 ユーラシア大陸での交易は東が豊かで西は貧しかった。東は長江の美波まで氷河が進出するほど氷河時代が厳しかった。貴重な動植物が死に絶えたがかろうじて東にはお茶や蚕が生き残り競争力のある世界製品を生み出せた。 アメリカを訪れたフランスの帰属はヨーロッパとの違いに驚いた。歴史や伝統といった拠り所をどこにも見出すことができず、最終的には人間の理性とか個の憲法をベースにおいて考えるしかなかったから。

Posted byブクログ

2015/01/21

歴史好きの年配の方のお話を一晩聞いた気分 ライフネットの出口さんの世界史の本。 史実的な内容というよりも、エリア間のリンクや流れを重視しながら書いている。 とにかく、良い意味での独自解釈とか想像が多くて面白い。 いわゆる教科書的な歴史の流れというよりも、いろいろなソースを元に「...

歴史好きの年配の方のお話を一晩聞いた気分 ライフネットの出口さんの世界史の本。 史実的な内容というよりも、エリア間のリンクや流れを重視しながら書いている。 とにかく、良い意味での独自解釈とか想像が多くて面白い。 いわゆる教科書的な歴史の流れというよりも、いろいろなソースを元に「きっとこれは、こういった経緯であったのではないだろうか」という想像が面白く、かつ人に興味のある出口さんならではの解釈なので説得力がある。 ちなみにいわゆるトンデモ系では全くありません。 基本、想像の部分は想像とわかるように表記されています。 基本はユーラシア大陸の歴史なのですが、ヨーロッパ、アメリカ、中国の方と会話するときに、相手の国の歴史の背景としてしっておいた方がいいかなという内容が多いです。 そういう意味では仕事に効く、かも。 ちなみにある程度以上の世界史の知識があったほうが興味深く読めると思うので、あまり入門書ではないかも。

Posted byブクログ

2015/01/19

まだ読み途中だけど、世界史を全く知らない人が読むと少しややこしいかも。合わせて世界地図が思い描けない人は解説で少し混乱する。 史実を点で捉えるのではなくて、背景や当時の人間の思惑を想像して線として結んで捉えるというのが本書のコンセプトだと感じた。 そう考えることで現在の日本がどう...

まだ読み途中だけど、世界史を全く知らない人が読むと少しややこしいかも。合わせて世界地図が思い描けない人は解説で少し混乱する。 史実を点で捉えるのではなくて、背景や当時の人間の思惑を想像して線として結んで捉えるというのが本書のコンセプトだと感じた。 そう考えることで現在の日本がどうありたいのか、誰に何をアピールしたいのかという現実を掴む手がかりになると思う。

Posted byブクログ

2015/01/11

前から何となく歴史から学ぶことについて考えていたので、この本を選びました。 地域や時代も様々な出来事を出口さんが見たり、聞いたり、読んだりして、考えたことをまとめた本。 これを読んでも「仕事に効く」かは疑問だけど、歴史を学ぶ入門書としてよかったかな。 となりの歴史の教科書や便...

前から何となく歴史から学ぶことについて考えていたので、この本を選びました。 地域や時代も様々な出来事を出口さんが見たり、聞いたり、読んだりして、考えたことをまとめた本。 これを読んでも「仕事に効く」かは疑問だけど、歴史を学ぶ入門書としてよかったかな。 となりの歴史の教科書や便覧を置いて読まないと厳しいですね。

Posted byブクログ