仕事に効く 教養としての「世界史」 の商品レビュー
池上彰氏の本で歴史を学ぶ重要性を認識し、以前著書を読んだことがあった出口明治氏の本書を読んでみることにした。この本で歴史が好きになりそうだ。本当に感謝したい。 高校では、世界史と日本史を分けて学んだが、出口氏はそもそも歴史を切り離して考えることはできないと指摘する。ザビエルによる...
池上彰氏の本で歴史を学ぶ重要性を認識し、以前著書を読んだことがあった出口明治氏の本書を読んでみることにした。この本で歴史が好きになりそうだ。本当に感謝したい。 高校では、世界史と日本史を分けて学んだが、出口氏はそもそも歴史を切り離して考えることはできないと指摘する。ザビエルによる鉄砲の伝播やペリー来航の理由など、日本史だけでは考えが及ばないこともありえるとする。 また、この数千年の歴史は栄枯盛衰の繰り返しである。興味深かったのは、各地で起こった文化的な発展は現在と比較しても甲乙つけ難いほどだったこと。現在のようなテクノロジーはないとしても、筆写材料や文字の発明はすごいことだ。保存がきく筆写材料を見つけた文明で、後世までその記録が残っているというのは、なるほどと思った。 私たちが高校の時に習った世界史は、アヘン戦争後に創造された西洋から見た世界史だったという。出口氏の理論に納得してしまう。西洋がいかに高貴な歴史と文化を持っており、それ以外はいかに後進かを感じてきたが、中国から中東にかけても非常に優れた文化が存在したことが理解できて本当に良かった。 この本を読みながら思ったことは、衰に突入していると考えられる日本は今後どうなっていくのかということ。神がかり的なバブル期を経て、歴史的に見て通常に戻った。国の栄枯盛衰のサイクルで考えると、拡大したいと考える周辺国から攻め入られたり、覇権を握られる日もあり得るのである。
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西洋中心の歴史観ではなく、東洋をも視野に入れた歴史観がわかります。 アヘン戦争を分水嶺とした東洋と西洋の入れ替わりの分析は、なるほどと思いました。 著者の知識量と分析には驚かされます。 疑わしい部分もありますが、世界史の入門用の動機づけの本としては良い本です。
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この読書のPDCA P(読む目的):世界史(時代の流れ)を知りたい D(内容理解):歴史を学ぶことはどうゆうことか?から始まる。 →キッシンジャーの『人間はワインと同じだ』という言葉は、歴史を学ぶ上でとても腑に落ちる。 1章_世界史から日本史だけを切り離すことはできない。...
この読書のPDCA P(読む目的):世界史(時代の流れ)を知りたい D(内容理解):歴史を学ぶことはどうゆうことか?から始まる。 →キッシンジャーの『人間はワインと同じだ』という言葉は、歴史を学ぶ上でとても腑に落ちる。 1章_世界史から日本史だけを切り離すことはできない。 →『交易』を歴史を理解する上で最も重要なキーワードとする。 2章_歴史が発達したきっかけは中国にあり。 →文字と筆写材料が歴史のはじまり。 3章_神はなぜ生まれた?なぜ宗教が生まれた? →人の支配欲(自然界を支配)が神の根源。宗教は弱者の阿片。 4章_中国を理解する4つの鍵 →中華思想、諸子百家、遊牧民と農耕民の対立と吸収、始皇帝のグランドデザイン 5章_キリスト教、ローマ教会、ローマ教皇について →ヨーロッパの生い立ちが見えてくる。 6章_ドイツ、フランス、イングランドは3国一緒に考えるとよくわかる →5章の続きで、ヨーロッパの基盤が布教で整い、蛮族を吸収していくことと、ローマ教皇とゆう名誉が3国を創りだすことになる。 7章_交易の重要性 →生態系の定義を地理的にまとまっている1つの地域として、横に広がりやすく縦に広がりにくい性質をもつとする。 この定義をもとに、2つの事例、イングランドのウィンブルドン現象、天才クビライの行った銀循環システムを理解。 8章_トゥルクマン →中央ユーラシアを駆け抜けた遊牧民。当時のトゥルクマンは世界最強の軍事力をもつ。最強の軍事力が最高の知識(ペルシア人)と出会うことが、大きく歴史を動かすことになる。 9章_アメリカとフランスの特異性 →人工国家であるアメリカと、アメリカの影響を受けたフランスは、理性の国。 10章_アヘン戦争 →アヘン戦争は、東洋と西洋の力バランスを変えた出来事。結果的に今の西洋史観を生み出した。すべてはイングランドの技術革新から始まる。 C(レビュー): 出口さんがゆう、人類5000年史。これを納得する上で、この本は入門書のようなもの。 読み進めるうちに、人類5000年史が理解できてくる。加えて、5000年史を理解していくに連れて、『あれ?これ(中国の諸子百家)って今の世の中と似てるかも』とか、『イングランドの技術革新て、日本の高度成長と同じじゃね?』などと、出口さんが読書に対するコメントで、『読書とは思考プロセスの追体験』意味も理解できる。 本書冒頭には、先人に学べ、そして歴史を自分の武器としろ』と言うヘロドトスの言葉(出口解釈)がでてくる。この冒頭の言葉は、本を読み終えた後に、改めて自分へ投げかけられているような実感があった。 A(読む前と読んだ後の自分のGAP): 『歴史を知りたい』と思い読み進めたが、結果として残ったものは、『もっと歴史を知りたい』だった。 ただ、大きく変わった点は 『歴史を学ぶことが未来を予測できる武器になる』とか、『人間味をだす』とか、読む前は、歴史を学ぶことに自己成長とゆう機能を持たせようとしていたが、今はただ『もっと知りたい』とゆう好奇心だけがあるとゆう変化がある。
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学校で学んだ「世界史」がいかに近代の西洋史観によって組み立てられたものなのか驚きつつ読んだ。2016/1/18
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1000の都市を訪れ、5000の歴史書を読んだ著者による歴史のススメ。 タテ軸とヨコ軸の視点を基礎に、「歴史の流れ」が分かりやすく説明されている。 中国における歴史の発達、神と宗教はなぜ生まれたか、ドイツ・フランス・イングランド、交易の重要性、中央ユーラシアを駆け抜けたトゥルク...
1000の都市を訪れ、5000の歴史書を読んだ著者による歴史のススメ。 タテ軸とヨコ軸の視点を基礎に、「歴史の流れ」が分かりやすく説明されている。 中国における歴史の発達、神と宗教はなぜ生まれたか、ドイツ・フランス・イングランド、交易の重要性、中央ユーラシアを駆け抜けたトゥルクマン、アメリカ・フランスの特異性、東洋没落と西洋勃興の分水嶺となったアヘン戦争、世界史と日本史といったテーマごとに章立てされているが、そのために理解しにくいということはなく、むしろ新たな視点にワクワクしながら読み進められる。 過去の歴史上の「人」の行動や内心は、現代に生きる我々も共感できることが多いことに気づかされるだろう(「人類の脳は誕生以来ほとんど進化していない」というのは、著者の他の著書にもよく出てくる話である。歴史は繰り返す。)。 西洋中心の歴史観を脱して、虚心坦懐に歴史を見つめ直すことの大切さ、面白さも伝えてくれる。 全体として大変分かりやすいが、少し端折りすぎに感じる箇所があるほか、もう少し地図や家系図(特にモンゴル帝国やヨーロッパの王族)があればさらに読みやすかったと思う。
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言われてみれば当たり前の話だけれど、日本で起きたことも、必ず世界のほかの出来事とつながっている。学校教育では、日本史、世界史とそれぞれの国・地域の断面しか学んでこなかったけれど、この本を読めば十字軍はなぜ派遣されたのか、モンゴル帝国の栄枯衰退は他国とどう影響していたのか、目からウ...
言われてみれば当たり前の話だけれど、日本で起きたことも、必ず世界のほかの出来事とつながっている。学校教育では、日本史、世界史とそれぞれの国・地域の断面しか学んでこなかったけれど、この本を読めば十字軍はなぜ派遣されたのか、モンゴル帝国の栄枯衰退は他国とどう影響していたのか、目からウロコの歴史感を味わえる。いやほんと、書かれていることは当然のことなのだけど、今まで自分がいかにぶつ切りにしか歴史上の物事を捉えていなかったかを実感。「歴史を学ぶ」ということは、こういう「物事の見方」を学ぶことなのでしょう。敢えて難を言うなら、事前知識がある程度はないと読みづらい。後半、カタカナのオンパレードになり、世界史専攻でなかった自分としてはちょっとスキップしてしまった。
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西洋を中心とした世界史に疑問を投げかけるところが大変興味深かった。長いスパンでの国別GDPの比較は、視野が広がるきっかけになった。日本がいかに、勝利の女神が微笑み続けたという奇跡的な出来事の連続で高度経済成長を遂げたのかがよく分かった。
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ビジネスのコンテクストで”重要”な10の切り口から世界史を解説している。著者本人を書いているが、多くの伝聞情報を咀嚼して一種の見解として落とし込んだ内容であり、いわゆるアカデミックな記述とは毛色が異なる。しかし、少なくとも、「仕事に効く教養」という観点で大切なのは、「実際に事実と...
ビジネスのコンテクストで”重要”な10の切り口から世界史を解説している。著者本人を書いているが、多くの伝聞情報を咀嚼して一種の見解として落とし込んだ内容であり、いわゆるアカデミックな記述とは毛色が異なる。しかし、少なくとも、「仕事に効く教養」という観点で大切なのは、「実際に事実として何が起こったか」ではなく「起こった出来事の前後にある背景とその影響」であり、後者を養うトリガとしては格好の本である。世界の歴史を知らなければ一つの事件として理解できない。「理解」とは、自国に歴史に引きずられた報道を別軸から腑に落ちる形で取り込む作業を言うのだろう。
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独特の切り口で歴史を読むことができる本。 個人的には、キリスト教の誕生からローマ教会の成り立ちまではおもしろかった。 キリスト教の誕生は、著者独自の考え方も入っているのであろうが、旧約聖書が作られた理由などこれまたおもしろい、というか意外すぎて驚き。 中国の話も多数あり、仕事...
独特の切り口で歴史を読むことができる本。 個人的には、キリスト教の誕生からローマ教会の成り立ちまではおもしろかった。 キリスト教の誕生は、著者独自の考え方も入っているのであろうが、旧約聖書が作られた理由などこれまたおもしろい、というか意外すぎて驚き。 中国の話も多数あり、仕事に効くかはわからないが、知識として身に着けておくには読みやすく、楽しい本であった。
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地球レベルで歴史を俯瞰的に眺めていく様な本。 教科書的ではなくて、長老から昔話をしてもらっている様な感覚になる本。 視点を世界に向けて考える入り口になると思うし、結局の所、生き残るにはどうしたらいいのか?という智慧を得る為の情報を教えて貰った感覚。
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