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注文の多い注文書 の商品レビュー

4.1

142件のお客様レビュー

  1. 5つ

    45

  2. 4つ

    50

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    2

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2022/05/07

ないものがあるクラフト・エヴィングに寄せられた5件の注文。そして納品書、受領書。 正直面白くはなかったけど、観点がすごいなとは思った。

Posted byブクログ

2021/09/23

「ないものを探してください」 という注文主を描く小川洋子作のストーリーに、クラフト・エヴィング商會がカタチで応えていくという短編集。 小川洋子さんは、既存の5人の作家の作品を 奇妙なんだけど、ナチュラルなちょっと今までにない感じ。 注文にはペースがあり、サリンジャーとか村上春...

「ないものを探してください」 という注文主を描く小川洋子作のストーリーに、クラフト・エヴィング商會がカタチで応えていくという短編集。 小川洋子さんは、既存の5人の作家の作品を 奇妙なんだけど、ナチュラルなちょっと今までにない感じ。 注文にはペースがあり、サリンジャーとか村上春樹とか内田百閒とか。レジェンドなみなさん。 吉田篤弘さんの文体とクラフト・エヴィング商會さんのそれは違うので、プロだなぁと。写真があったのも、クリエイションな本として良かったです。 【本文より】 「ない」と済ませてしまうことのほうが、簡単そうに見えて、じつはすごく難しいですよね。だから、どんな難しい注文でも、「時間をかける」というエネルギーを使えば、必ず「ある」に辿り着けるんですね。

Posted byブクログ

2021/10/04

不思議な小説だな、と思いながら読んでいた。 小川洋子が、クラフト・エヴィング商會という会社に注文をだし、クラフト・エヴィング商會から注文のものが届き、それに対してのコメントを書くという形態の短編が5編収められている小説。注文は小川洋子が書いているのだが、誰が注文主なのかについては...

不思議な小説だな、と思いながら読んでいた。 小川洋子が、クラフト・エヴィング商會という会社に注文をだし、クラフト・エヴィング商會から注文のものが届き、それに対してのコメントを書くという形態の短編が5編収められている小説。注文は小川洋子が書いているのだが、誰が注文主なのかについては、仮の設定があり、例えば若い女性であったり、J.D.サリンジャー読書クラブの三代目会長であったり、様々だ。注文の内容もユニークなもので、人体欠視症治療薬であったり、バナナフィッシュの耳石であったり、背中に乗る貧乏な叔母さんであったりする。その注文にクラフト・エヴィング商會が応え、納品する。それは実在しないものの注文であり、実在しないものの納品である。納品書にはきれいな写真が添えられていたりして、不思議であるが、なかなか洒落た物語だな、と思いながら読んでいた。 なお、注文はベースになる物語がある。それは川端康成やサリンジャーや村上春樹の小説をベースに編み出されているものだ。 ところが、ネットで検索すると、「クラフト・エヴィング商會」は実際に存在するのだということを知った。ウィキの説明を下記に引用する。 【引用】 クラフト・エヴィング商會は、日本のグラフィック・デザイナー、著作家。吉田篤弘と吉田浩美に二人からなるユニットである。実在しない書物や雑貨などを手作りで作成し、その写真に短い物語風の文章を添える、という形式の書物をいくつか出版しているほか、ブックデザイナーとして文芸書など多くの書籍のデザインを手がけている。 【引用おわり】 ということなので、「実在しないものを納品する」のは、この会社の存在意義なのであった。本書では、小川洋子が「実在しないもの」を、書籍の中から編み出し「注文」する。それに対してクラフト・エヴィング商會が、出来るだけ心を震わせるような形で「納品」する。やり取りは全く自然で、最初は小川洋子がすべて書いたのだろうという風に思いながら読んでいたが、思わぬ仕掛けがあったのだ。

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2021/04/06

注文書、納品書、受領書の3篇からひとつの話が成り立っている、まずこの発想の面白さと装丁から感じ取れた不思議な世界観に惹かれて読んでみた。 人間の真理をつくような、一見シュールな面もありそれでいて温かみが感じられる独特な世界観にハマってしまった。小川洋子の丁寧で上品な文章がまた良...

注文書、納品書、受領書の3篇からひとつの話が成り立っている、まずこの発想の面白さと装丁から感じ取れた不思議な世界観に惹かれて読んでみた。 人間の真理をつくような、一見シュールな面もありそれでいて温かみが感じられる独特な世界観にハマってしまった。小川洋子の丁寧で上品な文章がまた良し。 5つの短編集なのでサクッと読めてとても良かった。

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2021/02/21

恋人の身体が見えなくなってしまったのでその治療薬をーー サリンジャーが物語を書くために必要なあるものをーー 様々なひとが様々な理由で入手困難なものを買いに来るクラフト・エヴィング商會。 そこでやりとりされる注文の多い注文書と、納品書、受領書の物語。 面白かった。小川洋子さんの文...

恋人の身体が見えなくなってしまったのでその治療薬をーー サリンジャーが物語を書くために必要なあるものをーー 様々なひとが様々な理由で入手困難なものを買いに来るクラフト・エヴィング商會。 そこでやりとりされる注文の多い注文書と、納品書、受領書の物語。 面白かった。小川洋子さんの文体から醸し出される不思議な空気感もだけど、クラフト・エヴィング商會が導き出した品物たちがまたたまらなく良い。しかも写真付き! 素晴らしいユニット作品でした。

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2021/01/18

いつも小川糸さんの本を探すときに目につく小川洋子さん。一度読んでみようと思った。 ちょっと私には良さの分からなかった。

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2021/01/05

小川洋子さんが大好きで読みました。 原作を読んだことのある話はなかったけれど、「貧乏な叔母さん」が一番のツボ。 あとは後書きの対談がすごく良かった。 無くしたものに対する捉え方がとても温かい人なんだなと感じさせられました。 クラフト•エヴィング商會の方の文章は初めて見たけれどかな...

小川洋子さんが大好きで読みました。 原作を読んだことのある話はなかったけれど、「貧乏な叔母さん」が一番のツボ。 あとは後書きの対談がすごく良かった。 無くしたものに対する捉え方がとても温かい人なんだなと感じさせられました。 クラフト•エヴィング商會の方の文章は初めて見たけれどかなり好みだったので、こちらも探ってみたい…

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2022/04/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ないものがある「クラフト・エヴィング商會」に寄せられた五件の注文。前置きが長い依頼主たち。注文が多いというか無茶というか。それでも確実に揃えてくれる信頼性と満足度。小川洋子さんが注文書・受領書を担当し、クラフト・エヴィング商會が納品書を担当。おもしろいのが、川端康成、J・D・サリンジャー、村上春樹、ボリス・ヴィアン、内田百閒の作品に端を発しているところ。五人の事情と、五つの不可思議商品を楽しめる。

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2020/09/11

装丁に惹かれ、また帯の内容に食いついてしまった ーーーーーーーーー 詳細なネタバレはしないが、大まかな流れを紹介していくので、ある意味ネタバレになるかも… これから読まれる方はご注意ください ーーーーーーーーー 「この世にないものを探してください」 注文書→納品書→受...

装丁に惹かれ、また帯の内容に食いついてしまった ーーーーーーーーー 詳細なネタバレはしないが、大まかな流れを紹介していくので、ある意味ネタバレになるかも… これから読まれる方はご注意ください ーーーーーーーーー 「この世にないものを探してください」 注文書→納品書→受領書 この形式で物語として5話が展開する また、それぞれ以下の文学作品をも、モチーフとし絡めてくる たんぽぽ(川端康成)、バナナフィッシュにうってつけの日(J・D・サリンジャー)、貧乏な叔母さんの話(村上春樹)、うたたかの日(ボリス・ヴィアン)、冥府(内田百閒) (読んだのは村上春樹しかなかった…「うたたかの日」はずっと気になっているが多分好みじゃないだろうなぁ、だけどいつか対面しそうな予感のする本) この発想力と構成が面白く、唸らされた まずは「発注書」 お尋ねモノは何か… ここで各物語の発注者が、どんなモノをどういう理由で探し求めているかを紡ぎ出す もちろん、実在しないモノたちだ おまけにたいていが複雑でややこしく、無理難題に限りなく近い そしてそれぞれそのモノに対する思い入れと、複雑な背景を抱えており、それらも含め語り出す… 「納品書」 ややこしい難題を、どう現実化するか クラフト・エヴィング商會が、見事に応える 「クラフト・エヴィング商會」は実在しない書物や雑貨などを手作りで作成し、その写真に短い物語風の文章を添える、という形式の書物をいくつか出版しているユニットだ この著でも、実在しないモノをきちんと作って写真になって納められている(私たち読者も写真で見ることができるという楽しみがある) これが自分の想像とどう違うか? そんな視点で見るのも面白い そしてその応えがとても粋だったりする モノづくりだけではない、人の本質を突く納品書も完成させる 「受領書」 さて、そのモノを受け取って、どうだったか… 後日談もきちんとあり、物語が完結する 結局モノじゃないんだよね その人が自分の人生に起きたことに対してどう落とし前をつけていくか… クラフト紙エヴィング商會さんと発注されるモノは、お医者さんと処方箋みたいな感じで、最後は各人の治癒力だ(わかっていてもなかなか難しいのが人生) とにかく想像力を掻き立てられる本だ 発注されたモノだけでなく、小川洋子さんの表現力に引っ張られ、連れて行かれるのだ 中には自分の想像力が妙な方向に行ってしまい、気持ち悪くなってしまったほど… 全体としては、ハッピーエンド的な話が多いはずなのだが、各処に綺麗事じゃない人の奥底のどろっとした部分や、醜い部分も垣間見れ、構成力の面白さや小気味良い流れと相まって、鋭く切り込みを入れられる よって読み終わった感の爽やかさは(個人的には)なかった 「そう、人ってドロドロしてて醜いんだから…そんな世の中甘くないのよ」 と笑顔で目が笑っていない人に言われたような気分になった 小川さんの文章は淡々と静かに、暖かく優しい…反面、人に対する鋭い気づきが「この人は絶対にごまかせない」と感じる 隠しきれない人の残酷な部分、見苦しい心の内、浅はかな知恵、なんでもお見通しなのだ だからか時々怖さを感じてしまう とはいえ、やはり居心地の良い文面を求め、今度は何を感じさせてくれるのだろう…と好奇心からまた読みたくなる…そんな方なのである

Posted byブクログ

2020/09/05

小川洋子が注文書を書き、吉田夫妻が納品書を書き、受領書で小川が返す、とてもユニークな5つの物語だ。特に、貧乏な叔母さんと肺に咲く睡蓮が素敵だ。

Posted byブクログ