注文の多い注文書 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なかなかシュールな連作短篇集でした(笑)クラフトエヴィング商會とはなんぞや?から始まって当然読んだことがない(全て未読)元ネタの小説の粗筋を調べながら読み進む。 注文しているものに対して単刀直入に書かず、注文する物に対して思い入れやら説明を書きすぎ(笑)私がエヴィング商會の人間だったらウザいと思うだろうな(笑)
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小川洋子とクラフト・エヴィング商会の共著。不思議な注文書をクラフトさんが探して納品、受領するという3つの部からなる、5本のショートストーリー。「ないものあります」。このコンセプトに基づいて、小川洋子の世界観とクラフトさんの持つ時空を超えたモノ探しという不思議な旅に誘われる。 ...
小川洋子とクラフト・エヴィング商会の共著。不思議な注文書をクラフトさんが探して納品、受領するという3つの部からなる、5本のショートストーリー。「ないものあります」。このコンセプトに基づいて、小川洋子の世界観とクラフトさんの持つ時空を超えたモノ探しという不思議な旅に誘われる。 「人体欠視症」は川端康成、「バナナフィッシュの耳石」はサリンジャー、「貧乏な叔母さん」は村上春樹と名著から来る何かを探す。読んだことの無い本が出てくるので、いや〜名著を自信は読んでないな、まだまだと感じる。 物と時間が織りなす物語。物は物体としての物ではなく、時間をかけて移ろうモノであるという観念が根底にある。決して、固定的な物体とは限らない。そして、移ろうモノに価値や意味を持たせている。自分が手に取る物もまた、時間とともに物語を帯びていく。それは、汎用品ではもはやない。だからこそ、自分にとって(のみ)大切なのだ。この本もまた、一つのモノになりそうだ。何年後かわからないけれど。
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なんて素敵な本なんだろう。 小川洋子の世界が、ちゃんとあるものとして写真に写っている。 一つ一つの話しのもとになった本も、ちゃんと読んでみたい。
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5つの実在の文学作品に寄せて、それぞれ、利用者が注文を発注、それに商會が応え納品する、それを受領するという形式でつづられる、小川洋子とクラフト・エヴィング商會のコラボレーション作品。 注文書と受領書を小川洋子が、納品書をクラフト・エヴィング商會が書いている。 どの作品も、非常に...
5つの実在の文学作品に寄せて、それぞれ、利用者が注文を発注、それに商會が応え納品する、それを受領するという形式でつづられる、小川洋子とクラフト・エヴィング商會のコラボレーション作品。 注文書と受領書を小川洋子が、納品書をクラフト・エヴィング商會が書いている。 どの作品も、非常に小川洋子らしくクラフト・エヴィング商會らしい。粋で、静謐で、温かくて、どこかせつない。納品書に添えられる写真も素敵。ありえないほど奇想天外な話だったりするのに、全てが実在の事実に思えてしまう不思議。 どちらのファンであっても、満足させられることは間違いないでしょう。それぞれのワールドに浸れる。 中でも『貧乏な叔母さん』が秀逸でした。 モチーフ作品 川端康成『たんぽぽ』 サリンジャー『バナナフィッシュにうってつけの日』 村上春樹『貧乏な叔母さんの話』 ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』 内田百閒『冥途』
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短編集5編。小川氏の求めにクラフト・エヴィンク商会が答えるという形の共著。写真も含めてさすがの装丁。ありそうであり得ない不思議な静謐感のある世界を創っていた。 『貧乏な叔母さん』が一番好きだった。それにしてもどちらも凄いアイデアで面白かった。
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本にまつわる物あるいは人を探し出す クラフトエヴィング商會。 私だったら何を探してもらいたいだろう。 貧乏な叔母さんは面白く 肺に咲く睡蓮はグッときた。 と~っても静かで穏やかな気持ちになる一冊。
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クラフトエヴィング商會も、小川洋子も好きだけど、二つが合わさるとは。。。でも、すごく納得の感じ。似た点が多いんですね。まさに「ないもの、あります」です。小川さんも文章で、ないものをかたちにされている気がします。
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クラフトエヴィングさんに注文すればどんなものでも手に入れてくれるというおはなし すごくリズムがよくて世界観に入り込めたし、短編で一つ一つ 注文 納品 受領 となってておしゃだなぁーとおもった
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なんて斬新で素敵な本!注文書、納品書、受領書。「ないもの、あります」まさに現実と虚構のはざま。知恵とアイデアの結晶、本当に素晴らしい!
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帯に「拝啓、クラフトエヴィング商會様、この世にないものを探してください。」と、ある。手に取ってみると、肺に咲く睡蓮の注文が目に入る。 昔読んだ小説。確か、クロエという女の娘だったなと思い出しながら、購入。 小川さんが小説に絡んだ難しい依頼の物語を書き、クラフトエヴィング商會が応...
帯に「拝啓、クラフトエヴィング商會様、この世にないものを探してください。」と、ある。手に取ってみると、肺に咲く睡蓮の注文が目に入る。 昔読んだ小説。確か、クロエという女の娘だったなと思い出しながら、購入。 小川さんが小説に絡んだ難しい依頼の物語を書き、クラフトエヴィング商會が応える形式の数編。手が込んでいるけど、小中学生の工作展を見るような、そこに纏わる物語の面白さ。 かなりの無茶振りを変則でも何でも打ち返していくのが面白い。僕もクラフトエヴィングさんに無茶なお願いの手紙を出したくなった。でも、考え付かないけどね。 内田百閒に纏わる一遍は、FM番組で小川さんが同じ岡山出身と取り上げていたのを思い出した。「冥途」のように訳が判らず怖い話。
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