注文の多い注文書 の商品レビュー
小川さん、すごいです。 こんな(素晴らしい)アイデアを思いつくなんて、 どういう頭の中をしていらっしゃるのか…。
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小川洋子さんとクラフト・エヴィング商會のコラボ…となると、読まずにはいられない。 不思議な注文の数々を堪能。
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「せんせい~、おなかがいたいです。」 「ねつがあってくるしいです。」 幼い私の腹の痛みは<ウソ>だ。 でも <ウソ>の世界には<ウソ>の先生がちゃんといる。 「だいじょうぶですよ。なおりますよ。 よくきくおくすりがありますからね。」 ちびっこ先生が処方してくれたくすりは ...
「せんせい~、おなかがいたいです。」 「ねつがあってくるしいです。」 幼い私の腹の痛みは<ウソ>だ。 でも <ウソ>の世界には<ウソ>の先生がちゃんといる。 「だいじょうぶですよ。なおりますよ。 よくきくおくすりがありますからね。」 ちびっこ先生が処方してくれたくすりは 葉っぱにくるんだ小石や草花の種。 私は万能薬を口に(するフリ)をして 「せんせい、もうなおりました。」 なんて 痛くも無かった腹を治してくれた、あの『万能薬』の事を思い出してしまった。 物語の中の客が クラフト・エヴィング商舎に 「探して」と依頼した不思議な品は この <どんな病も治さない万能薬>みたいだなぁ~ なんて思ってしまった。 ない、はある。 ある、はない。 失くしたものを探すには ハサミにぐるぐる糸を巻きつけながら 探せばいい、 と、いう諺は落ち着いて探すように。 なんて意味があるらしいが、 はてさて こちらはどのような意味なのか? ないはある。 あるはない。 呪文のように唱えながら、 あるはずのないものを探してみれば なんと見つかるようなのだ。 依頼品も 言葉の意味も♪
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現実と空想の狭間のような不思議な物語 この本自体がクラフトエヴィング商会なんだろうな。 あとがきの意識して時間をかけないと時間がもたらしてくれるかもしれない偶然を取り逃がしてしまうかもしれない というのはネットでなんでもすぐに手に入ってしまう現代ではなかなか感じることができない...
現実と空想の狭間のような不思議な物語 この本自体がクラフトエヴィング商会なんだろうな。 あとがきの意識して時間をかけないと時間がもたらしてくれるかもしれない偶然を取り逃がしてしまうかもしれない というのはネットでなんでもすぐに手に入ってしまう現代ではなかなか感じることができないことだよなあ 小川洋子の作品は一語一語が独特で特別な秘密が書いてあるような気すらするから油断できない
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そんな無茶なオーダーしちゃいます〜?!(笑)と突っ込まずには要られない要求を出す小川先生の書く登場人物達に、対する受注先のクラフト・エヴィング商會さんも負けていません。 これはもう頓知勝負だわね〜とニヤニヤ読み進めて行ったら、なんともはや…。こんなに美しい駆け引き、なかなか見れなくってよ…と、漏れるため息もいつもより色を帯びる気が致しました、はい。 ちょいネタバレな備忘録と、今回も帯が素敵だったのでそちらから引用〜↓ 拝啓、クラフト・エヴィング商會様、この世にないものを探してくださいーーー小川洋子 かしこまりました。 古今東西、時空を超えて、探してまいります。 でも、小川さん、これはまた 難しい注文ですね……。 ーーークラフト・エヴィング商會 ここから備忘録↓ ◉大好きな人に触れた部分だけが見えなくなっていく人体欠視症の治療薬 ◉サリンジャー作品の中に出てくるバナナフィッシュの耳石 ◉背中にひっつく貧乏おばさん ◉肺に咲く睡蓮 ◉落丁のある奇妙な本
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小川洋子にクラフト・エヴィング商會。魅惑のコラボレーション。 目が眩みそうな素敵な作品。 なかでも「人体欠視症治療薬」すばらしい。 絶対にある。と、思う。
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大好きな方たちのコラボ。たまりません。 仕組みや物語にやられる。 本当に依頼人と店主のやりとりを目の当たりにしたような、そんな感じでわくわくした。 書き手が往復するのに、文体に違和感が無かったのが個人的には驚き。 お二方の文章には共通の空気感があるのかも。 「冥土の落丁」のラス...
大好きな方たちのコラボ。たまりません。 仕組みや物語にやられる。 本当に依頼人と店主のやりとりを目の当たりにしたような、そんな感じでわくわくした。 書き手が往復するのに、文体に違和感が無かったのが個人的には驚き。 お二方の文章には共通の空気感があるのかも。 「冥土の落丁」のラストにぞくり。 まだ読んだことのない話ばかりだったので、読んでからまた見返してみたい。
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川端康成「たんぽぽ」、村上春樹「貧乏な叔母さんの話」、内田百閒「冥途」・・・名だたる著書をモチーフとして小川洋子が思うがままに発注。クラフト・エヴィング商会が見事にこれに応える。最後は小川が絶妙なオチでけりをつける。小川の毒とクラフト商会の真摯が織りなす摩訶不思議な世界が興をそそ...
川端康成「たんぽぽ」、村上春樹「貧乏な叔母さんの話」、内田百閒「冥途」・・・名だたる著書をモチーフとして小川洋子が思うがままに発注。クラフト・エヴィング商会が見事にこれに応える。最後は小川が絶妙なオチでけりをつける。小川の毒とクラフト商会の真摯が織りなす摩訶不思議な世界が興をそそる。薄い小品集だが、行間はすこぶる濃ゆい。恐怖あり、ファンタジーあり、神秘あり。全体としてアーティスティック。人が語るのに物語とはこれいかに。
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"彼の心が冷めたから、私の欠視症が治ったのだとしたら、やっぱり私はいつまでも、欠視症のままでいたかった。"「人体欠視症治療薬」がお気に入り。展覧会にあったものがたくさん出てきましたヾ(*・∀・)/
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小川洋子とクラフトエヴィング商會のコラボという感じの捉え方で正しいのだろうか。とても変わった雰囲気を醸し出す作品である。5つの作品で構成され、それぞれのタイトルや取り上げる作品のセンスの良さが際立つ。川端康成の『たんぽぽ』を軸にした『人体欠視症治療薬』がすごくお気に入り。すごく切ない。小川洋子の文章も良いのだがクラフトエヴィング商會のレイアウトも味があって良い。お互いの良さを引き出している。
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