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天、共に在り の商品レビュー

4.5

68件のお客様レビュー

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2021/03/11

1983年、とある日本人医師が、パキスタンの医療が不足した地域に赴任したが、現地での栄養失調や飢餓のとてつもない厳しさに直面し、 「医療より前に農業の安定、農業の安定のためにはまずは水が必要だ!」 と考え、ビックリするような規模の灌漑計画を作り、資金を集め、自ら率先し、時にはユン...

1983年、とある日本人医師が、パキスタンの医療が不足した地域に赴任したが、現地での栄養失調や飢餓のとてつもない厳しさに直面し、 「医療より前に農業の安定、農業の安定のためにはまずは水が必要だ!」 と考え、ビックリするような規模の灌漑計画を作り、資金を集め、自ら率先し、時にはユンボやブルドーザを自ら操り、地元の人たちもたくさん巻き込み、その計画を実行に移した。 現地での紛争等々から計画の実施場所は隣国アフガニスタン国内となり、何年もの活動を経て、その日本人医師と仲間たちは、少しずつアフガンの地に緑を戻していった。 (「少し」ではないかも。写真のBofe/Afterを見ると、ほんとビックリしますよね! これも何ヵ所かのうちの一か所です!!) 2019年、活動中に中村哲医師は凶弾に伏したが、彼の遺志を継ぐ活動はいまも続いているらしい。 先週ひょんなことから中村哲医師の話になり、詳しく活動のことを知りたくなり著書『天、共に在り』を読んでみたところ、やっぱりすごい人ですね! とても真似できることではないですが、敬意を表してペシャワール会に入会させて頂こうかなと思います♪ ❏ぺシャワール会 http://www.peshawar-pms.com/index.html

Posted byブクログ

2021/01/29

中村哲医師が、具体的にどんな事を為し、何を伝えたかったのかを知りたくて読んだ。 序章から、彼の活動の場であったアフガニスタンが、如何に我々の常識とは別のルールの上に立っているかを突きつけられる。読み進めるうち、日本で伝えられていた情報を受けた当時の自分の認識がその都度甦り、驚いた...

中村哲医師が、具体的にどんな事を為し、何を伝えたかったのかを知りたくて読んだ。 序章から、彼の活動の場であったアフガニスタンが、如何に我々の常識とは別のルールの上に立っているかを突きつけられる。読み進めるうち、日本で伝えられていた情報を受けた当時の自分の認識がその都度甦り、驚いた…強い関心を寄せていたつもりはなかったのだが、自身の感覚を振り返る契機になった。感情的な表現が少なく、淡々と書かれている分、迫る心情が伺える。人によって受けるものは違ってくるだろうが、大きなものを伝えてくれる1冊だった。

Posted byブクログ

2020/11/02

人間として地球に暮らす中、衣食住が確保され美味しい水に囲まれた地域社会で生きる人間が存在している一方、旱魃、洪水、そして劣悪な治安といった自然・人為的要因による過酷な地域社会で生きる人間も存在している。 そういった存在を知ることもなければ悩むことなしに生きるのみだが、もし、その...

人間として地球に暮らす中、衣食住が確保され美味しい水に囲まれた地域社会で生きる人間が存在している一方、旱魃、洪水、そして劣悪な治安といった自然・人為的要因による過酷な地域社会で生きる人間も存在している。 そういった存在を知ることもなければ悩むことなしに生きるのみだが、もし、その存在を知ってしまったら、まともな人間は、考え悩まずにいられず何とかしてあげたい気持ちになるはずである。 その気持ちを”自分の心の中だけで”ひたすら思うだけではなく殻を破って行動に移すことができる人が非常に少ないところが人間の特徴であって、情けないところでもある。 中村さんはその殻を破って行動に移した! 本当に勇敢で、本書はいろいろ考えさせられる機会を与えてくれる一冊であった。 美しい水と森は人を豊かにする....。 逝去されたことが本当に残念で仕方ないです。

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2020/08/25

アフガニスタンで中村さんが何をやったのかみたいので読んでみたい。 アフガニスタンの人々の生活を守る生き方に感銘を受けた。 こんな偉大な人が亡くなったのは残念・・・ 自分もなにか出来ないか考えてみる。

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2020/08/02

同じ日本人が異国の地で旱魃、紛争の中、医師とし感染症、ハンセン病として従事し、医師としての名声にこだわることなく、井戸を掘り、更に用水路を通し、砂漠を穀倉地帯に変え流民、難民を国土に戻す活動を行う。30年間に及ぶ活動をまとめ上げた一冊。ノーベル平和賞にも値すると感じる。偏った事実...

同じ日本人が異国の地で旱魃、紛争の中、医師とし感染症、ハンセン病として従事し、医師としての名声にこだわることなく、井戸を掘り、更に用水路を通し、砂漠を穀倉地帯に変え流民、難民を国土に戻す活動を行う。30年間に及ぶ活動をまとめ上げた一冊。ノーベル平和賞にも値すると感じる。偏った事実だけで判断してはいけない。理念とは現実に日々努力し信頼を積み重ねて浸透していくものである。一気読みした後清々しい気持ちになるノンフィクション。

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2021/02/28

パキスタン、アフガンに医師として赴任し、そこから人道支援として大用水路の建設を指揮した中村哲医師の足跡が語られている。内容は当然のことながら、厳かな筆致は一介の医師とはとても思えず、そこらの作家と比較するのも憚られるほど。 自然を敬い、畏れ、そして共生する。平和のために非暴力を貫...

パキスタン、アフガンに医師として赴任し、そこから人道支援として大用水路の建設を指揮した中村哲医師の足跡が語られている。内容は当然のことながら、厳かな筆致は一介の医師とはとても思えず、そこらの作家と比較するのも憚られるほど。 自然を敬い、畏れ、そして共生する。平和のために非暴力を貫く。他国の介入著しい情勢不安な紛争地域でその信念を貫くことがいかに困難か、想像を絶する。 非暴力を説く場面では中村医師が襲撃・殺害されたニュースの記憶が思い出された。中村医師は最後の瞬間にも信念を貫き、死を受け入れたのだろうか。暴力ではなにも変わらないことを体現するために。

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2020/06/03

30年以上にわたって国民栄誉賞、いやノーベル平和賞にも値するような活動を続けてきた一人の医師の記録。政治的な発言は抑えていると感じるが、現地を知らない超大国アメリカと無批判に追随する日本、さらには一部NGOや「海外医療協力」への怒りは随所に現れる。 かつては豊かな農業国だったア...

30年以上にわたって国民栄誉賞、いやノーベル平和賞にも値するような活動を続けてきた一人の医師の記録。政治的な発言は抑えていると感じるが、現地を知らない超大国アメリカと無批判に追随する日本、さらには一部NGOや「海外医療協力」への怒りは随所に現れる。 かつては豊かな農業国だったアフガニスタンを襲う洪水や旱魃。泥沼のような内戦が続き、絶望的な状況の中「緊急のアフガン問題は、政治や軍事問題ではない。パンと水の問題である」(p95)、「もう病気治療どころではない」(p86)と語る筆者。数多の井戸を掘り、時には自ら重機を操って水路を拓く。途中からはまるで河川土木工学の本のようだ。 中村さんが凶弾に倒れてまもなく半年。「天、共に在り」というタイトルは「私たちが己の分限を知り、誠実である限り、天の恵みと人のまごころは信頼に足る」(p5)というキリスト者の信念によるのだろう。私たちは本当に大きな存在を失ったとしみじみ思う。

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2020/04/06

何十万人もの命を救うのは国策だけではなく、草の根活動でもできるのだということを克明に記している。詳細は語られていないものの、ペシャワール会の方々の労苦、地元の人々を組織化していく上での困難や、運の悪さに絶望したことも多かっただろう事は想像に難くない。映像に残る中村医師の訥訥とした...

何十万人もの命を救うのは国策だけではなく、草の根活動でもできるのだということを克明に記している。詳細は語られていないものの、ペシャワール会の方々の労苦、地元の人々を組織化していく上での困難や、運の悪さに絶望したことも多かっただろう事は想像に難くない。映像に残る中村医師の訥訥とした語り口からはちょっと想像しがたい信念の強さを感じる貴重な自伝である。 中村医師が全く信頼していない、どちらかと言うと嫌ってすらいるようなestablishmentの世界に身をおきながら世のため人のために働こうと考えている者としては、強烈なアンチテーゼを突きつけられる一冊であった。

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2020/04/05

人を幸せにできるのは経済発展や武力ではない。 天、自然と共に生きる、、、シンプルだけれど今の世界でこれほど難しいことはない。 中村哲さんの死を改めて悼みます。

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2020/03/19

生まれてはじめて、本を読みながら著者の情熱に涙が出た。日本とは全く異なる国で、清濁併せ呑みつつ現地に入り込んで、情熱、知恵、胆力をの限りを尽くした。内戦や介入はまたまた国際援助団体とも距離を置き、それらと気候変動に運命を翻弄される最も弱い人々のために行動した。なぜこのような人の言...

生まれてはじめて、本を読みながら著者の情熱に涙が出た。日本とは全く異なる国で、清濁併せ呑みつつ現地に入り込んで、情熱、知恵、胆力をの限りを尽くした。内戦や介入はまたまた国際援助団体とも距離を置き、それらと気候変動に運命を翻弄される最も弱い人々のために行動した。なぜこのような人の言葉に生きているうちに触れなかったのか、それだけが後悔である。

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