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誕生日を知らない女の子 の商品レビュー

4.3

58件のお客様レビュー

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2019/06/12

「誕生日を知らない女の子」黒川祥子 著 読了 ズシッとくる重いルポ。乳幼児期の虐待が後々まで影響をおよぼし、虐待の後遺症対応に苦しめられる里親の姿。もちろん子ども本人がつらいのだが、対応も難しい

Posted byブクログ

2018/12/14

虐待・育児放棄・性暴力などの過去を持つ子供らのその後を載せたノンフィクション。 あなたが思うほど、虐待された子が抱える闇は深く、周りがサポートしても到底消せないぐらいに巨大だ。 まず、虐待は物理的な傷だけでなく、精神を蝕む傷を生む。 幼少期という発達の段階で虐待を受けた子供はその...

虐待・育児放棄・性暴力などの過去を持つ子供らのその後を載せたノンフィクション。 あなたが思うほど、虐待された子が抱える闇は深く、周りがサポートしても到底消せないぐらいに巨大だ。 まず、虐待は物理的な傷だけでなく、精神を蝕む傷を生む。 幼少期という発達の段階で虐待を受けた子供はその後、障害を抱えたり、一般人が行っている普通の社会生活を送れなくなる。 例えば、常に親からの罵倒や暴力を受けた子は24時間もの間緊張状態を維持する、辛い現実を忘れるために無意識に意識を飛ばす、根元的な損失を埋めようと自分に虐待を行使した親に愛を求め続けるなど。 体に一生消えない傷が残り、その傷が脳や精神の構造を大きく歪め、本来子供がえるであろう気持ちや思いを抱けず、社会に馴染めず孤立していく。 また、里親も里親で、虐待が生んだ子供の暴力や異常な行動に頭を悩ませている。 いくら里親でも虐待時を安心させるのは容易ではなく、求められる対応の数々に頭を悩ませ、お手上げ状態なのだ。 本書は全て実話であり、我々が犯罪と呼ぶようなことを子供は何とも思ってないほどの恐怖の数々が刻まれている。 何の苦労も痛みもなく育った自分がどれほど恵まれてきたかを思い知らされた。

Posted byブクログ

2018/10/13

衝撃的な内容。 児童虐待について、これほど踏み込んだノンフィクションはないと思った。 是非、読むべき本。

Posted byブクログ

2018/07/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「子どもは愛情さえあればスクスク育つものだと思っていました」という里親さんの言葉にドキリとしました。そうでない場合もあるのだということを私も初めて認識しました。最近のことでは“ゆあちゃん”の事件がそうですが、虐待による子どもの死は悲しいことに無くなりません。虐待が疑われる場合は児童相談所が施設に保護して、それで良かった助かった、と終わらないところが難しいところです。 この本を読む前は、虐待するぐらい子どもを育てるのが苦痛なら預けてしまえばその子にとっても幸せなのに、と思っていましたが、施設に保護されてそれで終わりではないのですよね。 虐待され続けた子にとっては様々な影響が残り、“普通の子”のような生活をおくれるようになるには、里親さんのように我が子と同じかそれ以上の愛情や手間をかけないと心の傷、トラウマが癒されるのは難しいのだと思いました。それにいくら愛情があったとしても上手くいかない場合も多いでしょうね。 この本で紹介されている中で明日香ちゃんのケース「奴隷でもいいから、帰りたい」は本当につらいと思いました。親も精神的に未熟で自分の気持ちをコントロール出来なくて虐待してしまうのでしょうが、どんなつらくあたられても子どもは母親の愛情を求めてしまうのです。 母親の気まぐれな一言に一喜一憂して振り回され、「やっぱりあんたなんていらない」と見捨てられてしまったら、本当につらく悲しいです。親の子どもに対する無償の愛というより寧ろ子どもの親に対する無償の愛を思う、というような本書の文面がとても印象に残りました。  虐待の問題、どうしたらよいのか、とてもとても考えさせられた本でした。

Posted byブクログ

2018/04/22

虐待をする側の境遇や心理、虐待の残酷さを書いた本は多いが、虐待された子どものその後を書いた本はあまり見当たらない。 本著は、被虐待児が児童養護施設からファミリーホームに移り新しい家族の中でどのように生きているのかを書いている。 被虐待児は、保護され再び社会の中で生活したらゴール...

虐待をする側の境遇や心理、虐待の残酷さを書いた本は多いが、虐待された子どものその後を書いた本はあまり見当たらない。 本著は、被虐待児が児童養護施設からファミリーホームに移り新しい家族の中でどのように生きているのかを書いている。 被虐待児は、保護され再び社会の中で生活したらゴールではなく、まだまだ虐待の後遺症に苦しめられる。 過酷な環境の中で適応するように生きてきた子どもたちは、サバイバーである。 サバイバーとして常に緊張を強いられ続けた子たちが、保護され家庭に入ったとしても、すぐに「普通の子」にはなれない。 排泄したあとのお尻の拭き方すら知らない子。 何かのきっかけで思い出す虐待の記憶。 保護者からの愛情を受けずに育つということは、私が思っていた以上に子どもを傷付け苦しめ続けていた。 愛着障害という言葉が本著ではよく見られるが、それは脳の器質まで損傷させてしまうほどに深刻な障害であった。 そして、被虐待児を受け入れる側の苦悩もある。 サバイバーの子達が、安心して穏やかに暮らせるように切に願う。

Posted byブクログ

2017/10/18

虐待を受けている人がいるという事実は、ニュースでもよくみる。しかし、その後の後遺症やどうやって生きているかなどは、あまり語られることはない。 いろんなパターンを盛り込んでいるので、十人十色だということはわかるが、そのひとつひとつをもう少し掘り下げて欲しかった。

Posted byブクログ

2017/07/01

こんなにも多くの子供たちが日本で苦しんでいることに驚いた。遠い異国の飢餓に苦しむ子供たちの問題も重要だが、自分の国ですごく身近に起きているこういう問題にもっと関心をもつべきだと思った。 子供たちは純粋だ。純粋だから深い傷を抱えてしまうが、純粋だからこそ方向転換も可能だ。最後に登場...

こんなにも多くの子供たちが日本で苦しんでいることに驚いた。遠い異国の飢餓に苦しむ子供たちの問題も重要だが、自分の国ですごく身近に起きているこういう問題にもっと関心をもつべきだと思った。 子供たちは純粋だ。純粋だから深い傷を抱えてしまうが、純粋だからこそ方向転換も可能だ。最後に登場する人物のように、わかっているけどどうにもできないジレンマを抱えている親や、様々な要因で子育てをできなくなって親たちは、心中や虐待をするくらいなら自分の子供を手放すという勇気を持ってほしい。

Posted byブクログ

2017/01/06

読んでよかった。虐待の後遺症、思っていた以上だった。脳が変わってしまうなんて… おかあさん=恐怖、不安などの感情、というすりこみから、こどもたちは自らをどんどんそういう状況に追いやってしまう。これは本当に悲しいこと。 もう一度読む。

Posted byブクログ

2016/07/26

凄い濃かった~。 凄いな。もう…それしか言いようがない。 施設育ちって、くくっちゃいけないんだろうけど、 そんな色んな弊害があるんだね…。 ファミリーホーム。いい試みがあるんだね。 そうゆう活動をする人を「凄い」とか言っちゃいけないんだろうけど、 きっと、そ~ゆ~人は「凄い」とか...

凄い濃かった~。 凄いな。もう…それしか言いようがない。 施設育ちって、くくっちゃいけないんだろうけど、 そんな色んな弊害があるんだね…。 ファミリーホーム。いい試みがあるんだね。 そうゆう活動をする人を「凄い」とか言っちゃいけないんだろうけど、 きっと、そ~ゆ~人は「凄い」とか言われるの嫌だろうし… でも、凄い。凄いなぁ。 色々凄いとしか言いようのない本だった。

Posted byブクログ

2016/02/01

泣いた。その努力と愛情に。現実の厳しさに。 皆が幸せになることは、簡単じゃない、とてつもなく難しい。支援者たちがそれぞれの立場で一生懸命頑張ったとしても、子供たち全員を幸せにできる訳じゃない。虐待がなくなるたわけじゃない。それでも目の前の子供一人ひとりを幸せにしようと生きてくれる...

泣いた。その努力と愛情に。現実の厳しさに。 皆が幸せになることは、簡単じゃない、とてつもなく難しい。支援者たちがそれぞれの立場で一生懸命頑張ったとしても、子供たち全員を幸せにできる訳じゃない。虐待がなくなるたわけじゃない。それでも目の前の子供一人ひとりを幸せにしようと生きてくれる人ちに心からの敬意を送りたい。 社会的養護という言葉を知らなかったことが恥ずかしい。税金はそういうことにも使われているのか。募金とか寄付とか里親とかできなくても、私たち一人一人にできることをやる社会を作りたい。 今まで虐待関係の本を読んで、社会の構造とかはなんとなくわかったつもりでいたけど、本書では当事者たちがどんな風に苦しみ、立ち直っていくのかが上手に書かれていた。専門家では逆に書きづらそうなことを書いている感じも良かった。「若い母親が生みっぱなしにする」とか。 「生きることは、涙を流すこと 生きていくことは、涙を拭くこと」 ということを、こどもたちや支援する大人たちに改めて気づかされた。

Posted byブクログ