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骨を彩る の商品レビュー

4

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

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2023/03/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

綾瀬さんの柔らかい文章と、感情の描き方がいいなあと思いながら読了。 ある喪失感を抱えながら生きていく人たちの話。その喪失感は日常的に沁みついていて、じわじわと心を蝕んでいるけれどどの話も鬱々とした暗さはない、むしろ清々しさもあるような不思議な感覚でした。 連作短編集ですが、最初の父から最終話の娘への着地が良かったです。

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2021/03/07

タイトルと装画に惹かれました。凄く凄くよかったです。何度も読みたいです。 初めて彩瀬まるさんを読みましたが、表現がとても豊かで私の好みでした。 私は、登場人物の玲子と自分が重なって、凄く苦しかったです。玲子が想う”ばらばらを心の内側に持たない、みずみずしく傷つきやすいものを憎ん...

タイトルと装画に惹かれました。凄く凄くよかったです。何度も読みたいです。 初めて彩瀬まるさんを読みましたが、表現がとても豊かで私の好みでした。 私は、登場人物の玲子と自分が重なって、凄く苦しかったです。玲子が想う”ばらばらを心の内側に持たない、みずみずしく傷つきやすいものを憎んでいたい気持ちがある”という言葉がとても印象的で、まさに一番苦しかった時の私。 ブログにて詳しいレビューしています* https://happybooks.fun/entry/2021/02/26/170000

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2020/08/01
  • ネタバレ

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2020/08/01 読了 リレーのような短編がつながっていく小説。 指のたより は 津村さんのお話 小春ちゃんのお父さん、奥さんの朝子さんはだいぶ前に病気で亡くなっている。不動産業を営む。実家のお弁当屋さんで働いている、32歳の出戻りの相川光恵さんと交際中 古生代のバームロール は 光恵さんのお話 光恵さんの高校時代の教師のお葬式の話。 離婚して以来、千代紙工作にハマりすぎ。津村さんとはおそらく千代紙のこともありうまくいかなかった。 ばらばら は 玲子さんのお話 光恵さんの高校時代の同級生のなんでもできる優等生の玲子さん。小学校でいじめられてるっぽい息子とうまくいかなくて悩んでる。苗字が3回変わっている。 少し気持ちを変えるために、仙台の実父の墓参りに行く。 ハライソ 槌田浩太郎さんのお話 玲子さんが仙台に行くバスで隣になったサクラコ(ハンドル名:ヨシノ)のオンラインゲーム友達。サクラコより5歳上。津村さんの不動産会社で働く。 やわらかい骨 津村小春ちゃんのお話 津村さんの娘。3歳の時母朝子さん病死。転校してきた葵ちゃんと付き合いだした烏丸悠都くんのお陰で、感情に変化あり。 それぞれのリレーの仕方がうまい。 こういう、いろいろな人の背景や思考がわかる小説好きだわ。

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2020/05/25

第2回(テーマフリー) 音声リンク:https://www.dropbox.com/s/tdi5cnl6cwnls6p/3.2.mp3?dl=0

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2020/04/07
  • ネタバレ

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皆それぞれの「事情」がある。この本書の登場人物が語るように、そこに踏み込まずに程よく距離を置いてうまくやっていくのが大人なのだろう。だけど、傷つき、傷つけるかも知れないけれど、あえてそこに踏み込むことでしか得られない関係性がある。繋がっているのにどこか寂しい、そんな孤独感がどこかに潜む現代社会に足りないものがこの物語にはある気がする。様々な事情を抱えた私とあなた。理解したくてもその全てを分かち合うことはきっとできない。それでも、その事情も含めて互いを丸ごと受け止めることで得られる人の温もりや信頼。そんな友人を、家族を、増やしていきたいなと思った。

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2019/07/10

「ふつうに」暮らせる、頑張って生きてる、その中でいつのまにかひたひたと溜まる澱のような心情を掬い取ってくれる作家だと思う。暗いだけじゃなく解決が描かれるのも良い。環境によるハンデをハンデとは思わぬように生きてきたひとに読んでほしい。

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2019/05/07

いい本に出会えたなぁと、しみじみ。 それぞれの人が孤独を抱えている。でもみんな自分に正直。応援したくなるような人たちがいっぱい。

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2019/04/30

どこか孤独で、それでも分かりあいたくて、でも傷つきたくなくて、不安で、言葉にするのをためらってしまう。 様々な人の孤独のアンソロジー。 周りにいる人に自分の事をわかって欲しいという気持ちや、相手を理解したいと思っても拒絶された時の気持ちが切なくて辛かった。 理解したい、伝えた...

どこか孤独で、それでも分かりあいたくて、でも傷つきたくなくて、不安で、言葉にするのをためらってしまう。 様々な人の孤独のアンソロジー。 周りにいる人に自分の事をわかって欲しいという気持ちや、相手を理解したいと思っても拒絶された時の気持ちが切なくて辛かった。 理解したい、伝えたい、分かりたい、という気持ちが心に残って、寂しい気持ちにもなったけどいい話だった、と思えた。

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2019/03/07

ゆっくりと穏やかに話が繋がる連作集。 最後のやわらかい骨のラストでわたしも思わず父親と同じ表情を浮かべてしまいました。

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2019/01/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

見て見ぬふりをして、喪ったと思っていた、あの人、あの記憶、あの言葉が今、降り注ぐ――。 何も喪わず、傷つかず生きている人なんていない――。 色彩をなくした過去、記憶、日々に、あらためて向き合い、彩ってゆく希望の物語。 妻を喪い、少しずつ妻のことを忘れてしまっている自分に気付く夫――「指のたより」、恩師の葬儀に現れないかつての友人との過去のやりとりをたどり、今彼女に何かを言わんとする女性――「古生代のバームロール」、息子がいじめられているかもしれないという不安を抱えながら、自身の過去の記憶に向き合う母親――「バラバラ」、ゲームの中でしか雄弁になれない童貞――「ハライソ」、転校生のある宗教を信仰している少女と出会い自分たちを苦しめる"普通"について模索する、母親を喪った少女――「やわらかい骨」など、登場する人たちは皆、心のどこかで骨がひっかかっているような、自分の骨が足りないような、何か不安定な喪失感を持っています。 その喪失感は、不思議と読者にヒタヒタと浸透し、やがて「私には、ここに穴があったんだ」と、心の沁みのような喪失感を気付かせます。 この物語は、読む人によって涙する場所が違う、不思議な物語です。 (アマゾンより引用) オムニバス形式の短編集。 最後のページ読んだとき「あ~…」ってなった

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