1,800円以上の注文で送料無料

骨を彩る の商品レビュー

4

105件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    40

  3. 3つ

    23

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2013/12/23

http://tacbook.hatenablog.com/entry/2013/12/23/224736

Posted byブクログ

2013/12/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とても良かったです。 彩瀬さんの作品は『あのひとは~』で凄く良いな、と思っていたので、新作が読めるのを楽しみにしていました。 作中の登場人物たちが緩やかな繋がりを見せながら綴られる5編の連作短編。 物語の中で象徴的に描かれる「骨」が非常に印象的。 繊細に紡がれていく言葉の連なりの静寂を破る、ピリッとした僅かな痛みを伴う苦味の魅せ方が巧いなぁと。 彩瀬さんの言葉選びのセンスの良さと描写の美しさがとても好みです。 銀杏の葉が落葉するあのシーンには思わず感嘆の溜息が出てしまった。 今後も注目していきたい作家さんです。

Posted byブクログ

2013/12/13

瀧井さんの帯の言葉、彩瀬さんはほんもの、に強くうなずく。 じんわりとしみこんで、一冊読み終えたとき、一周めぐった物語に、ため息が出る。ぽっかりした気持ちに寄り添ってくれる、大事にしたいお話だと思った。

Posted byブクログ

2013/12/13

読んでいて素直に好きだな、と思える作品。彩瀬まるさんは選ぶ言葉が繊細なのに強い。毒っ気がないから読んでいて素直になれる。 最初一話完結式の、一話一話に出てきた脇役たちを次々と主人公にしていくよくある連作短編かな、と思いがっかりしました。それは一章めがとてもよかったから。この親子の...

読んでいて素直に好きだな、と思える作品。彩瀬まるさんは選ぶ言葉が繊細なのに強い。毒っ気がないから読んでいて素直になれる。 最初一話完結式の、一話一話に出てきた脇役たちを次々と主人公にしていくよくある連作短編かな、と思いがっかりしました。それは一章めがとてもよかったから。この親子の物語をもっと読みたいって思ったから。 妻を早くに亡くし、男手一つで幼い娘を育て上げ、娘は中学生になった。新たな恋の兆しもある。その相手は弁当屋の女で少し病のにおいのする女。ずいぶん長い間見ることがなかった妻の夢をたびたびみることになり、出てくる夢々のなかで妻の指の骨は欠けてた。欠け続けていった。 第二章ではその弁当屋の女がかたりてとなり、第三章では弁当屋の女の旧友、第四章では弁当屋の女の旧友がふらりと旅に出た土地で出会った若い女の子とネット上で話をする男の目線になる。 第三章あたりで、いい話なんだけどもう第一章の親子たちは出てこないのね、と思っていたら第四章のネットの男の上司として復帰! ラストは娘の小春目線で話が進んで行く。よかった。まとまりかたが良かったし、骨というエッセンスの散らばし方が見事だった。骨をこんなに儚く美しく描写するなんて、小春ちゃんの気持ちわかるな。かわいそうがらないでほしいのに、当たり前なことに妬み、普通になれない自分への腹立ちもどかしさ。 とてもいい小説でした。

Posted byブクログ

2013/11/29

骨に刻まれる記憶がある、という。 時に黒いしみとなったそれを嫌い憎み目をふさぎ、時に骨を飴に置き換えその甘さにうっとりする。誰にも触れて欲しくないその記憶を、それでも誰かに覚えていて欲しいと願う、そこにあるのは矛盾。 傷となったその記憶をなかったことにして生きていくことはできない...

骨に刻まれる記憶がある、という。 時に黒いしみとなったそれを嫌い憎み目をふさぎ、時に骨を飴に置き換えその甘さにうっとりする。誰にも触れて欲しくないその記憶を、それでも誰かに覚えていて欲しいと願う、そこにあるのは矛盾。 傷となったその記憶をなかったことにして生きていくことはできないけど、傷を丸ごと包み込んでそっと頭を撫ぜてくれる誰かの温かい手があれば、きっと生きていける。生きていることを受け入れることができる。 この一冊が、骨の傷の痛みに苦しんでいる誰かの頭を撫ぜてくれる手になればいいな、と思う。

Posted byブクログ