花のベッドでひるねして の商品レビュー
世界をありのままに受け入れ、その中にある自分と周囲の人々を何の躊躇いもなく真っ直ぐに愛することができる女性の物語です。 外の世界にほんの少しの憧れを抱きながらも、結局は確信を持って「ここ」に戻ってくるのって、実はすごく勇気のいることなんじゃないかな。 亡くなった人を思い出す時。...
世界をありのままに受け入れ、その中にある自分と周囲の人々を何の躊躇いもなく真っ直ぐに愛することができる女性の物語です。 外の世界にほんの少しの憧れを抱きながらも、結局は確信を持って「ここ」に戻ってくるのって、実はすごく勇気のいることなんじゃないかな。 亡くなった人を思い出す時。 自分の気持ちのあり様を探る時。 誰かの小さな悪意に触れた時。 誰かと一緒にいたいと思った時。 どんな時でも、控えめだけどキラキラした言葉を綴る主人公・幹の語りに、気づけば魅入られていました。 これは、ちょっと、小川洋子作品とは違った美しさだなあ。ものすごく優しい夢を分けてもらっているような感覚でした。 本関係のイベントで何度か会ってお話させて頂いたことのある、ある女性を思い出しました。あの方は、こういう本、読まれてるかもしれないなあ。「この本を読んで、あなたを思い出しました」って言うのは、気障かなあ(笑)。 いつもは自分の言葉で物語の概要をまとめたり、 疲れてる時は引用したりするんだけど、 この作品に関しては、どちらも味気なかったのでやりません。
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きらきらした透明感のある、 それでいてもの悲しい小説 違うことをせずに生きていきたいけれども、 とてもこんなふうには生きられないともおもう とても静かで、強い生きかたについてのおはなし。
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世界には、綺麗なことや汚いことも溢れている。 そのなかで、綺麗なものを集めて心で感じることが、日々の幸福につながっていく。 乳児のころ、海辺に捨てられた幹は今の両親に拾われた。 人や物を引き寄せる不思議な力を持つおじいちゃんに、 出不精だけど優しい無口なお父さん、フィッシュ&チップスが上手なお母さん、章夫おじさん、幼馴染だった野村くん。 ある日母が交通事故に遭い 幼馴染だった野村くんが村に戻ってきて 時々見る夢の意味を考えたり 家の隣の廃墟だったビルから漂ってくる不気味な空気の正体 小さな村だけどそれなりに色々なことが起こって、 悲しいことも怖いことがあっても 大好きだったおじいちゃんは亡くなったけどその優しい力強さに見守られて 血のつながりはないけれど、本当の親以上だと感じる両親の理解力に包まれて そういった存在がいるからこそ、今を幸せに生きていける。 唐揚げが食べたくなった。 幹のような、ひとりよがりっぽい私はこれでいいの的な自己肯定ばかりしてると世界観狭まりそう。。。 って意地悪な気持ちになってしまう心の狭さ?! p152の一番最後「おとなしい優しい人だったようよ」のようよって誤植?!)^o^(
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とっても身にしみた。私ももしかしたら花のベッドでお昼寝してるように思われがちなので、それでよかったのね〜それって実はものすごい調整がいるよね〜とホッともした。あんまりスピリチュアル的だとか言うのは好きじゃないので、それに分類はしたくないけれど、物語を越えた、人生訓に近いものだと思...
とっても身にしみた。私ももしかしたら花のベッドでお昼寝してるように思われがちなので、それでよかったのね〜それって実はものすごい調整がいるよね〜とホッともした。あんまりスピリチュアル的だとか言うのは好きじゃないので、それに分類はしたくないけれど、物語を越えた、人生訓に近いものだと思う。私の中の、ばななさん本ベスト!!
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あったかいお話。 亡くしてしまった人たちの思い出と寄り添いながら生きること。 私も、なんだかんだ言いながら、この田舎の北国で一生暮らしていくんだなぁ。 時々嫌になるけど、同じくらい大好きだと思うこの町に、この家族とともに。 大きく物事が動く時には、良いことも悪いことも起きて...
あったかいお話。 亡くしてしまった人たちの思い出と寄り添いながら生きること。 私も、なんだかんだ言いながら、この田舎の北国で一生暮らしていくんだなぁ。 時々嫌になるけど、同じくらい大好きだと思うこの町に、この家族とともに。 大きく物事が動く時には、良いことも悪いことも起きて一緒に起きてしまうんだものね。 なんだか今までたくさん読んできたばななさんの本に教えてもらってきたことを、改めて教えてもらったみたいな気分です。
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朝から大雪の片づけをして 小山のようになってる車を出すのは諦め 電車に乗った今日の様な日に 読むと夢のような村が舞台 それは人々が努力して作り上げても いるのだけれど。 とても温かい小説だけれども いく種類もの悲しみが 描かれていて 同じ悲しみを持つ者の心が 癒やされるのを感じた
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大好きなよしもとばななさんの本。 久しぶりに読了。 やはり私にとっては癒し&気付きの要素満載。 お話は、大好きだった祖父から受け継いだ小さな村のパブ兼宿を守る、主人公・幹の日常と日々考えていることの記録。そして幼馴染の野村くんが村に帰ってくることにまつわる出来事など。 幹は血のつながらない両親に本当の子と同じように育てられ、そのことに屈折せず(いやある意味屈折したかもしれないけど、そこを乗り越えて)純粋な生きる喜びと感謝を持って毎日を生活してる。すごいと思った。 自分が一番ぐっときた箇所は、 前半の方にでてくる祖父と幹のやりとり。 この本の題名である「花のベッドでひるねして」 るように生きるんだ、と諭されるシーン。 ばななさんがいつもエッセイなどで言われている、 引き寄せる、執着せずにいると手に入る、 自分を大切にする、そして自分の救うのも自分、 といったことが端的にうまーくまとまっている気がします。 なんだかもう、信仰レベルで捉えてしまいそうな勢い。笑 あぶないあぶない~ あとは、幹の家の前に毎日石を置きに来る 村のおばあさん。 口の中でネガティブな言葉をもごもご言ってるあたり 私も一歩間違えばこうなりかねない!?かも。 抽象的に描かれているから、ここからどう個々人が読み取っていくかは人それぞれだと思う。 これから私も深めていきたいなぁ、 そう思った。 しかしよく「花のベッドでひるねする」 なんて言葉、思いつくなぁ! さすがです。
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あとがきに書かれているように、「さりげない作品」、「小さいけれど大きな作品」と言う言葉がぴったりの作品。主人公の幹ちゃんと言う姿を借りて、ばななさんのより素に近い気持ちが表れてくる、随筆に近い作品だなと。 静か過ぎて物足りない気もしつつ、言い換えるなら、穏やかで、まさに霧に包まれ...
あとがきに書かれているように、「さりげない作品」、「小さいけれど大きな作品」と言う言葉がぴったりの作品。主人公の幹ちゃんと言う姿を借りて、ばななさんのより素に近い気持ちが表れてくる、随筆に近い作品だなと。 静か過ぎて物足りない気もしつつ、言い換えるなら、穏やかで、まさに霧に包まれた朝焼けを楽しむような、浄化された優しい感覚が残る作品。 ところどころにちりばめられた夢の話は、ちょっと出来すぎな気もして、嫌な言葉で言うと、うさんくさい感もあって、純粋に好きにはなれなかったけど、主人公が夢で見た内容から力をもらって、前向きに生きようとしているならば、それはそれでいいかなと。 ツインピークスの丸太おばさん、スカボローフェア、コーヒーと言えば藤岡弘みたいな、ちょっと年齢を絡めた例えに遊び心も感じた。 本を開いて最初の方にある、大野舞さんの緑の丘のイラストが素敵。表紙のイラストはパステルカラー過ぎて、好みの枠から外れるけど、この本をきっかけに、このイラストレーターさんの他の絵も見てみたいなぁと別の出会いがあったので、ラッキー。
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よしもとばななさんのグッと来る言葉カタログのような小説。いつもは1冊に数カ所ある「そうそう!これこれ!」と思うような心に灯りをともすような言葉がみっしりと詰まっています。いつも「この部分だけ集めて読めれば良いのに」なんて思ってたけど、実際にこの小説でそれを体験。有難みが半減して残...
よしもとばななさんのグッと来る言葉カタログのような小説。いつもは1冊に数カ所ある「そうそう!これこれ!」と思うような心に灯りをともすような言葉がみっしりと詰まっています。いつも「この部分だけ集めて読めれば良いのに」なんて思ってたけど、実際にこの小説でそれを体験。有難みが半減して残念な気持ちになるという自分の身勝手さを感じた1冊でした。ワガママでごめんなさい。
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ちょっと前にすごく落ち込んでる時に少し読んだだけで泣きそうになりあわてて閉じてまた読み始めた。この人は私の人生を大きく変えた作家さんだから、どうしても感情が揺さぶられてしまう。最後がとても良かった。ちょっと元気になって物語にそれはないわーとかつっこめる自分にもなれて良かった。
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