箱庭図書館 の商品レビュー
応募された素人の小説を乙一がリメイクした、短編集『箱庭図書館』 これが、そんな作品群だと知ったのは、あとがきを読んでからだ。 乙一といえば、『GOTH』のイメージがあって、それが頭から離れないのだけども、そのせいか、読んでいて何とも言えない既視感が漂っていた。 短編集なのだけ...
応募された素人の小説を乙一がリメイクした、短編集『箱庭図書館』 これが、そんな作品群だと知ったのは、あとがきを読んでからだ。 乙一といえば、『GOTH』のイメージがあって、それが頭から離れないのだけども、そのせいか、読んでいて何とも言えない既視感が漂っていた。 短編集なのだけども、短編連作というのか、それぞれの物語が空間・時間的に交錯していて、一つの『箱庭図書館』が作り上げられているようになっている。 スリルやファンタジやミステリの要素・・・とそれぞれバラバラなものが、一つにまとまっている感じが素晴らしいと感じた。 涙を誘うような話しではないのだけども、ジワジワくる切なさは、この雪の降る季節にちょうどよい気がする。 ---------------- 【内容(「BOOK」データベースより)】 僕が小説を書くようになったのには、心に秘めた理由があった(「小説家のつくり方」)。ふたりぼっちの文芸部で、先輩と過ごしたイタい毎日(「青春絶縁体」)。雪面の靴跡にみちびかれた、不思議なめぐり会い(「ホワイト・ステップ」)。“物語を紡ぐ町”で、ときに切なく、ときに温かく、奇跡のように重なり合う6つのストーリー。ミステリ、ホラー、恋愛、青春…乙一の魅力すべてが詰まった傑作短編集! ———————— 【目次】 小説のつくり方 コンビニ日和! 青春絶縁体 ワンダーランド 王国の旗 ホワイト・ステップ あとがき、あるいは『箱庭図書館』ができるまで 解説(友井羊) ----------------
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公募作をリメイクした短編集の文庫化。当時話題になった事を憶えている。ボーっとしてたら、いつの間にか文庫に…。 原作となった公募作の方は未読ながら、その着想が素晴らしいものばかり。それを生かし切った乙一さんも流石。 どの作品も味わいが違って読み応えがあるけど、特に「ホワイト・ステッ...
公募作をリメイクした短編集の文庫化。当時話題になった事を憶えている。ボーっとしてたら、いつの間にか文庫に…。 原作となった公募作の方は未読ながら、その着想が素晴らしいものばかり。それを生かし切った乙一さんも流石。 どの作品も味わいが違って読み応えがあるけど、特に「ホワイト・ステップ」の設定は秀逸。 ここまでの積み重なった短編のエピソードが綺麗に収束して、物語としてもこの本全体としても気持ちの良い一遍。
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さくっと読めて、全体を通して面白かったです。 短編小説なのに、全体が後から面白い形でつながるようにできていて、ち密な計算の下に作られたのかなぁと思いました。 そんななか、読み終わって解説を読んだら、なんとこの短編集、読者の皆さんからの投稿作品をリメイクしてそのたびごとに作った作...
さくっと読めて、全体を通して面白かったです。 短編小説なのに、全体が後から面白い形でつながるようにできていて、ち密な計算の下に作られたのかなぁと思いました。 そんななか、読み終わって解説を読んだら、なんとこの短編集、読者の皆さんからの投稿作品をリメイクしてそのたびごとに作った作品集だと言うではないですか! 小説家の技量ってすごいですね。驚きでした。 それはさておき。 どの作品も、言いたいこと、というか、感情のテーマがあって面白いのだけれども、同時に、重くなくて。また、不思議な世界が十二分に出ているのだけれども、同時に、村上春樹とかのように読後の気持ち悪い感じはなくて(あ、あれはあれで好きなのですが)、非常にほっこりと読みやすい一冊だったなぁと思います。 潮音さんがイケてる☆
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ほぼ毎日、仕事帰りに書店に寄って平台を見たり新刊コーナーを見たりしていますが、時々手招きをされるように手に取ってしまう本があります。今回も惹き付けられるように買い求めた一冊がありましたが、想像以上に素敵な物語でした。 ご紹介するのは乙一(おついち)さんの「箱庭図書館」という...
ほぼ毎日、仕事帰りに書店に寄って平台を見たり新刊コーナーを見たりしていますが、時々手招きをされるように手に取ってしまう本があります。今回も惹き付けられるように買い求めた一冊がありましたが、想像以上に素敵な物語でした。 ご紹介するのは乙一(おついち)さんの「箱庭図書館」という一冊。独特の世界観を持った素敵な一冊でした。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 僕が小説を書くようになったのには、心に秘めた理由があった(「小説家のつくり方」)。ふたりぼっちの文芸部で、先輩と過ごしたイタい毎日(「青春絶縁体」)。雪面の靴跡にみちびかれた、不思議なめぐり会い(「ホワイト・ステップ」)。“物語を紡ぐ町”で、ときに切なく、ときに温かく、奇跡のように重なり合う6つのストーリー。ミステリ、ホラー、恋愛、青春…乙一の魅力すべてが詰まった傑作短編集! 【目次】(「BOOK」データベースより) 小説家のつくり方/コンビニ日和!/青春絶縁体/ワンダーランド/王国の旗/ホワイト・ステップ この物語は6つの短編がそれぞれ独立して書かれているものの、すべての物語がひとつにつながっているという連作短編という形式をとっています。 他の連作短編では主人公が固定されているか、主人公の周辺の人物が短編の主人公になっていることが多いと思います。しかし、「箱庭図書館」ではそのどちらでもなく、まったく違う主人公の物語がところどころで交錯しあいます。 短編の内容もヒューマニズムな話があったり、ミステリーやホラーやラブストーリーがあったりと、多種多様なのも面白い。さらに、それらが他の物語に影響を与えたり、単なる日常の事件とした扱われたりするのもまた面白いなと思います。 特に最終話の「ホワイト・ステップ」は素晴らしい。個人的には、この物語を読むためにその前の5話を読んだと思えるぐらい、切なくて温かい物語でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
告白すれば、乙一さんの本は初めて読んだ。そうして、これから何冊も読むことになる。 一気に…喫茶店でわざわざ珈琲を二回お代わりしてまで、読まずにはいられなかった。 連鎖するストーリーには、いつも潮音という女性が登場する。 ある時には主人公の一人として、ある時は脇役として。時にはっきりとした輪郭で、時にほんのり謎めいて。 図書館に勤めるこの異常なまでの読書好きな女性…ようやく「箱庭図書館」の意味がわかったような気がした。 すべてのストーリーは、潮音の中にあり、潮音から生まれ出ているのだろう。 東京の文善寺町…「物語を紡ぐ町」。 紡ぎ手は、潮音。そう思いたい。 いい本…というより、書き手に出会えました。この本お勧め。
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乙一さんの作品を初めて読んだ…と思うのですが。これはそもそもリメイク作品集だったんですね。 でも、どれもこれも設定も文体も面白くてハラハラして暖かい。そんな作品が揃ってますね…。さりげなく毎度登場する潮音さんが主人公になるお話をぜひとも読んでみたいものだと思いました。
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乙一新刊でてるーーー!!!は や く い っ て よ !!てかブクログありがとー!登録してなかったら全然気づかなかったわ・・・てか、銃とチョコレート以来なんじゃないのこれwww仕事しろwwwと思ってたら、貴方・・・別名義で書いていたのね!!!は や く い っ て よ !!(2回...
乙一新刊でてるーーー!!!は や く い っ て よ !!てかブクログありがとー!登録してなかったら全然気づかなかったわ・・・てか、銃とチョコレート以来なんじゃないのこれwww仕事しろwwwと思ってたら、貴方・・・別名義で書いていたのね!!!は や く い っ て よ !!(2回目)周りにも乙一スキーさん結構いるのに・・・みんな気づかなかったのか全く← 得したような、損したような気分ですw黒を山白朝子、白を中田永一でやっているらしいので早速読んでみようと思います。久々に読むので文体どうなってんだろーと楽しみ!
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『Webでボツ原稿を募集、それを乙一がリメイクする』というユニークな企画から生まれた連作短篇集。 著者もあとがきで書いているが、確かに普段の作風と傾向がやや異なる。核となるアイデアを全くの他人が考えた、というところがキモなのかもしれない。
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