箱庭図書館 の商品レビュー
文善寺町と図書館員潮音さんと山里秀太と…が微妙に関わっているが… 今一つ統一感の無い短編集だ。と思ったら、投稿作品を乙一氏がリメークした作品集。 「コンビニ日和!」はソフトな伊坂幸太郎作品のようで印象に残った。 「ホワイト・ステップ」はSFではよくある物語だが、昔見た「ルート22...
文善寺町と図書館員潮音さんと山里秀太と…が微妙に関わっているが… 今一つ統一感の無い短編集だ。と思ったら、投稿作品を乙一氏がリメークした作品集。 「コンビニ日和!」はソフトな伊坂幸太郎作品のようで印象に残った。 「ホワイト・ステップ」はSFではよくある物語だが、昔見た「ルート225」という映画に切なさが似ていた。雪の上でだけパラレルワールドが交差しているというアイデアは面白い。
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読者投稿作品をリメイクしてまとめあげた一作。 他作品を読んだ時に感じる「乙一らしさ」は少ないけれど、今までにない作風の物語もあっておもしろかったです。 青春絶縁体とホワイト・ステップがお気に入り。
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読了後の感想は、「乙一らしくない」の一言に尽きる。何故、の答えはあとがきにあった。この本に収められた短編たちは、乙一さんの元へ寄せられたボツ原稿をベースに作られたものだったのだ。それならば頷ける。文体や描写は紛れもなく乙一さんのそれであったけれど、話の根っこの部分に乙一さんらしさ...
読了後の感想は、「乙一らしくない」の一言に尽きる。何故、の答えはあとがきにあった。この本に収められた短編たちは、乙一さんの元へ寄せられたボツ原稿をベースに作られたものだったのだ。それならば頷ける。文体や描写は紛れもなく乙一さんのそれであったけれど、話の根っこの部分に乙一さんらしさがなかったのだ。故に純粋な乙一ファンからしてみれば、この本は物足りなさを覚えるかもしれない。けれどわたしはそのコンセプトがすごく素敵だと思った。話のもととなったボツ原稿は、いわばダイヤの原石のようなもので、素人が磨いてもそれなりの輝きしか覗かせない。けれどプロの作家が磨いてあげることで、原石はきらきらと輝きを放つのだ。そんなプロセスを経て出来上がった作品集だと知ると、この本がもっともっと好きになる、そんな気がするのです。
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タイトルと表紙に負けて購入。内容は元ネタがどれもあるらしいけど、うまく乙一テイストをプラスした上で少しずつリンクしてて楽しめました。元ネタがあるからこその振り幅なのね、とあとがき読んで納得。
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読者のボツ原稿を乙一がリメイクしたというこの作品。 なるほど確かにそれぞれのお話を読み終わったあとの印象はバラバラでした。しかしそれぞれが微妙に繋がっていて、それぞれの作品に同じ登場人物が出てきたり、なるほど、と思わせる場面がチラホラありました。 これはきっとまた読み返したくなる...
読者のボツ原稿を乙一がリメイクしたというこの作品。 なるほど確かにそれぞれのお話を読み終わったあとの印象はバラバラでした。しかしそれぞれが微妙に繋がっていて、それぞれの作品に同じ登場人物が出てきたり、なるほど、と思わせる場面がチラホラありました。 これはきっとまた読み返したくなると思います! 個人的には、この本を読み進めているとどこか恐怖を感じました。ゾッとするような嫌な恐怖ではなく漠然と「なんだかちょっと怖い…」という不思議な感じでした。乙一さんの本読もう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
もともとどういう趣旨で書かれた作品かを知らずに読みました。 短編でどこかつながっている話になっていますが、それぞれの終わり方には曖昧な終わりもあったり、いい終わりでもあったり・・・私の中でも整理がつきにくくつながっている感じがあまりしなかったので、読み終わった時には星2つでした。 しかし最後の企画部分を読んで納得しました。 公募した作品のリメイクだったんですね。 本好きの私としては、物語を紡ぐ町、ぜひ住んでみたいです。
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6つの話がちょっとずつ関連してるけど どれも味わいが違うのが面白い。 痛い青春から、ほんわかファンタジーまで。
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まずはじめに、彼の場合は触れておかないといけないでしょう。 これは白乙の方です。 読者から募った「ボツ原稿」を乙一さんが自由にリメイクして ひとつの連作短編集にした、というちょっと変わった一冊。 連作で繋がりはあるものの、なんだか印象がバラバラだなー と思ってたけど、あとがきで...
まずはじめに、彼の場合は触れておかないといけないでしょう。 これは白乙の方です。 読者から募った「ボツ原稿」を乙一さんが自由にリメイクして ひとつの連作短編集にした、というちょっと変わった一冊。 連作で繋がりはあるものの、なんだか印象がバラバラだなー と思ってたけど、あとがきでそれを知って納得。 (あとがきは最初の一段落以外は読了前に読まないほうが良い) 乙一さんらしいのも、らしくないのもあります。 途中までは、「うまいけど他著作のような強烈な印象」が無い。 ただ、最後の『青春絶縁体』や『ホワイト・ステップ』は それ単体でもかなり素敵な物語。 そして、一冊を通して読み終えた時、 「やっぱり乙一さんは凄いわー。うまいわー」 って思わせてくれる。 個人的に乙一さんの著作では『失はれる物語』が好きなんだけど それに匹敵する面白さ。読めて良かったなー。 乙一さんに「ボツ原稿」を提供してくれた方々、 この本のタイトルを考えてくれた方々(twitterで募集したらしい)にも 感謝したい。オススメ!
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読者から寄せられたボツ原稿に乙一氏が手を入れ、作品に仕上げたもの。 5人の作品(全5作品)が、少しずつ関連性を持たせて収録されています。 読んで見ると、確かに普段の乙一氏のタッチとは違う印象を受けるが、どの作品も完成度が高く、非常におろしろかったです。 全作品を通じて、主人公...
読者から寄せられたボツ原稿に乙一氏が手を入れ、作品に仕上げたもの。 5人の作品(全5作品)が、少しずつ関連性を持たせて収録されています。 読んで見ると、確かに普段の乙一氏のタッチとは違う印象を受けるが、どの作品も完成度が高く、非常におろしろかったです。 全作品を通じて、主人公が「本当の自分を捜し求める」というのが共通のテーマになっている様に感じたのは気のせいだろうか。 普段人前では出せないが、心の内に潜むもう一人の本当の自分。どちらが本当というわけではなく、どちらも本当の自分。周りが気になり、自分の行動に自信が持てない。自分のした選択が、実は間違っていたのかもしれないと後になって思い悩まずにはいられない。誰もが抱えるそういう自分と向き合う機会をもらったように思います。 「あのとき、そうしていなければ、別の人生が待っていたかもしれない。」長く生きていると、ときどきそう感じることがあります。 本書の一作に、その「あのとき別の選択をしていた結果生じた世界」が今の世界と平行して描かれているものがあります。 全部読み終えて今思うことは、今の世界に至るまで繰り返してきた無数の選択を信じ、今の自分を精一杯生きたいということ。そして、たとえうまくいっていないとしても、この世界にも存在する意義があると信じることが大切だということ。 全体的に読みやすい文体の中に、実はとても深いテーマが秘められている様に感じるので、時間がたったら是非また読み返したいと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
アンソロジーというカテゴリにしてみたが、若干違う。 元は読者からのアイディアを乙一が直すと言う斬新且つ楽できるぜ的な。 それで割と毛色の違う作品もあったりしてますが、 どれも乙一らしいと言える作品に仕上がっているのも確かでした。 個人的には、青春絶縁体の掛け合いが素晴らしかったかなあと。 そして、この後書きで、乙一の別名義の本の存在を知ったのでありました。 いや、以前から聞いたことはあったような気がしたんだけど何故かスルーしてたんだよねえ。 次はそっちにも手を出そうっと。
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