だから荒野 の商品レビュー

桐野夏生(著者)

2017/07/30

家出主婦、夫、２人の息子、それぞれの”言い分”が交錯する。家族といえど他人。理解しあえないことからスタートしよう。

2017/07/05

自分の楽しみを最優先する身勝手な夫、彼女の家に入り浸る大学生の長男、部屋に籠ってゲーム三昧の高校生の次男。主婦の森村朋美は46歳の誕生日の夜、堪忍袋の緒が切れて突然車にて家出する。東京からはるか遠く、初恋の相手が住んでいる長崎を目指し、一人旅に出るが・・・
朋美の思い切りのよい行動には、爽快感すら感じるが、夫の立場だったら、子供の立場だったらと考え出すと微妙なところも。明日は我が身とならぬよう気をつけなければ。

2017/05/11

専業主婦の朋美が、家族で外食中にレストランを飛び出しそのまま車で家出をする。東京から長崎までの逃避行。朋美のことを行け行けゴーゴー！！と応援しながら読んだ。夫のゴルフバックを売り払うところなんてスカッとする。最後は丸く収まりすぎて物足りず。

2016/12/07

図書館で借りた本。46歳の専業主婦が自分の誕生日という事でイタリアンレストランにダンナと長男と行くが、男達の優しさの欠片も無い小言連発にキレていきなり車で失踪する。行き先決めずに飛び出し昔付き合った男が長崎にいると分かり当てもなく九州を目指すのだが…途中、車を盗難されたり売春婦と間違われたり、無知な世間知らず故の失敗もあるが、何とか長崎へ。その時家族は…と言うドタバタ劇のような内容。自己中ダンナは隙あらば浮気しようと画策するし、息子達は母の心配もしないが最後は収まるところに行く軽い内容かな。

2016/11/15

専業主婦が46歳の誕生日に、自分勝手な夫と「るっせー、死ねや」などと馬鹿にする二人の息子たちに愛想をつかして家出をする物語。

登場人物の夫や息子を今の自分や反抗期だった頃の自分に重ね合わせて、奥さんや母親が抱えている（いた）だろう思いが少しは理解できました。これで家出されることはないかな(笑)

あと不思議だったのは、主人公が家出先で出逢い、「先生」と慕うことになる92歳のおじいさんの登場。彼の広島、長崎への原爆投下や福島第一原発の事故に対する怒りは、きっと桐野夏生さん自身のものなんだろうなぁ。

2016/09/23

自分たちのことばかり考えている家族に嫌気がさし
衝動的に家出をしてしまった４０代主婦

いきあたりばったりの行動だが
偶然の出会いにより九州で生活を始める・・

主婦のパートと、おいていかれた夫のパートが交互に描かれ
夫の身勝手さにイライラする（笑）

最後はおさまるところにおさまったなーという感じ
もっと波乱があってもよかったかも

2016/06/18

（2014.12.20読了）
前回の「ハピネス」に続いてまたまた桐野夏生です(^^;)
46歳の主婦があまりにも身勝手な夫や二人の息子に嫌気がさし、自分の誕生日に家族で行ったレストランから、家族をそこに残したまま一人で車に乗って遠くに行ってしまう、というお話。
気持ちはわかる。まあまあ面白かったです(^_^)

2016/01/19

2013年10月発行。
　「抱く女」で久しぶりに桐野夏生の毒に当てられ、図書館にあった作品を中身も評判も知らずに借りてきた。
　結果、これもまた面白かった。
　ここ最近、「ハゲタカ」シリーズや佐々木譲の作品を読んでいるが、どれも仕掛け、構想が大掛かり。
　それに対して、桐野夏生は日常の毒を掬い取っており、この作品でも夫と二人の息子から大切にされない専業主婦の反乱が描かれている。
　妻を蔑ろにしながら、よその女が気になって仕方ない夫や、母に感謝せず文句ばかり言う息子の姿に、自分を見るようでつらい。
　物語は、46歳の誕生日を祝おうと、自ら新宿のイタリアンレストランを予約するが、ネットゲームにはまっている次男は土壇場で行かないと言い、長男と夫からは化粧に服、予約した店もけなされ、切れる。
　夫と長男を店に残したまま、乗ってきた車で家出したのだ。
　計画性のない家出だったが、結婚前に付き合っていた男が長崎にいるという理由だけで、長距離運転の経験もないのに長崎を目指す。
　途中、助けた女に騙されて車を盗まれるといったハプニングもあったが、長崎原爆の語り部をしている「先生」に同情させてもらい、長崎に着き、「先生」の身の回りの世話をしながら、寝泊りをさせてもらう。
　妻・母のいなくなった家では、長男は彼女の家に行き、次男は引きこもりの末に母を追って長崎に向かい、家族はバラバラになる。
　最後は、長崎に逃げてきた次男が、どこに行っても自分が変わらないとダメだと分かり東京に戻ることを決める。母は「先生」のボランティアの手伝いを続けようとするが拒まれ、東京に戻り、家族の再生が始まる。
　「先生」が朋美の申し出を断った先生が言う、『あなたの使命はあなたが探すしかない。誰もが自分で探すのです。』は東北大震災後のボランティアを生き甲斐にしようとした多くの人たちへのメッセージではないか。
　そしてこの本のタイトルは、続けて先生が語る『私はこの荒野にいることを選んだのですから、それで終わればいいのですよ。荒野を選ぶというのは、そう言うことなんだと思います。』から来ているようだ。が、「だから」とついたのが今一つ解せない。
　読後感がすっきりするのは、家庭が再生されるっ希望があるから。
　それを信じられるのは、夫にも妻にも異性との不貞が無く赦せるからだろう。

2015/12/23

桐野サンの作品は女性視点のエグイのが多いけど、本作のような主婦の話は特に好き。
息子二人はまぁ仕方が無いにしても、、妻の誕生日なのに浩光のあの態度はない。(´-_ゝ-`)
朋美がブチ切れるのは当たり前だし、朋美の行動はスカッとした～！

桜田とエルチェで一気に崩れていくって言ってた男性の素性は気になる。
その二人のことはもうちょっと知りたかったな。

2017/12/09

図書館本 専業主婦の葛藤、旦那、息子にプッツンして全国放浪の家出。紆余曲折で平和に納まる。エグいダークな作風を期待していたので残念だった。また機会があれば文庫本で再読しても良いかな。