だから荒野 の商品レビュー
一歩間違えると、これは自分かもしれない。そんかことを考えながら、平凡な主婦の突然の出奔をハラハラしなが読んだ。 こんな風に行動できる人はほぼいないだろう。 だから小説があるのだな。2019.5.2
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どこにでもありそうな日常のちょっとした行き違いをきっかけとして、ここまで物語を膨らませて読者を引き込む筆力はさすが!!毎日接している家族などに対して、軽く扱ったりしてないか等、ちょっと反省させられたりもした。 ラスト長崎まで行ってどうなるかと思いきやなんかグダっとなって東京に帰る...
どこにでもありそうな日常のちょっとした行き違いをきっかけとして、ここまで物語を膨らませて読者を引き込む筆力はさすが!!毎日接している家族などに対して、軽く扱ったりしてないか等、ちょっと反省させられたりもした。 ラスト長崎まで行ってどうなるかと思いきやなんかグダっとなって東京に帰る下りは、盛り上がりには欠けるが現実は往々にしてそんなもんかと逆にリアルな感じもした。
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これまでのドラマティックな桐野ワールドに比べると、ずいぶんと身近なところをモチーフにした作品。 しかし、これだけの筆力のある作家に身近なところを攻められると、なんだか身につまされるようなリアリティを感じてしまう。 やはり自分としてはダメ旦那・浩光に、10年後くらいの自分の姿を重...
これまでのドラマティックな桐野ワールドに比べると、ずいぶんと身近なところをモチーフにした作品。 しかし、これだけの筆力のある作家に身近なところを攻められると、なんだか身につまされるようなリアリティを感じてしまう。 やはり自分としてはダメ旦那・浩光に、10年後くらいの自分の姿を重ねながら読んでしまうのだけれど。 もちろん、こんなダメなヤツではない(と思っている)けれど、それでもところどころ思い当たる精神性を見つけてしまってちょっと恥ずかしくなったり。 浩光に限らず、主人公は皆デフォルメされている。 が、言動一つ一つが無理なく造形されているというか、基本的な行動原理が違和感なく形作られている。 だからこそ空恐ろしい。 女性作家が女性を主人公にして書いた小説なので、男性の登場人物はやや不利な立場に置かれてはいるものの、男性読者としてはそこをグッと堪えて、謙虚な姿勢で読まなきゃいけないんだろうな、とは思う。 その意味で「痛い」小説。 一日で一気読みでした。
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夫と二人の息子がいる専業主婦。 傲慢な夫、無神経な長男、引き籠り気味の次男から軽んじられる。 46歳の誕生日、二度と戻らない決心で家を出る。 「特別変な家族」ではなくて、自分の家もそうなることも十分あり得ると思わせる。 日常にある恐怖。
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主婦の逃避行 ・第一章 夜の底にて ・第二章 逃げられ夫 ・第三章 逃げる妻 ・第四章 世間の耳目 ・第五章 素手で立つ ・第六章 破れかぶれ ・第七章 人間の魂 息子2人と夫と暮らす朋美は、日常の中で自分の価値観を見出せず、たがいに優しくない家族に愛想をつか...
主婦の逃避行 ・第一章 夜の底にて ・第二章 逃げられ夫 ・第三章 逃げる妻 ・第四章 世間の耳目 ・第五章 素手で立つ ・第六章 破れかぶれ ・第七章 人間の魂 息子2人と夫と暮らす朋美は、日常の中で自分の価値観を見出せず、たがいに優しくない家族に愛想をつかして、46歳の誕生日に突然家出する。 意のままにならぬ逃避行を続けながら、長崎まで辿り着いた朋美は、旅の途中で出会った老人によって、自分と向き合い、着地点を見出していく。 「家族はバランスの悪いもの」という現代家族の問題点を指摘しつつ、後世を生きる者たちの生きる意味を解く。
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そりゃあこんな夫と子供だったら、逃避行もしたくなるわな~とはじめに主人公朋美には同情した。その後も踏んだり蹴ったりの道中、いろいろ思うところありで結局モトサヤに収まるというストーリー。桐野さんの作品のなかでは日常的なストーリーだと思うが、やはり要所要所でエッジが効いている部分もあ...
そりゃあこんな夫と子供だったら、逃避行もしたくなるわな~とはじめに主人公朋美には同情した。その後も踏んだり蹴ったりの道中、いろいろ思うところありで結局モトサヤに収まるというストーリー。桐野さんの作品のなかでは日常的なストーリーだと思うが、やはり要所要所でエッジが効いている部分もある。尻すぼみ感は否めないもののロードムービー的な雰囲気が結構お気に入り。
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一気読み必至。逃げる妻。逃げられる夫。家族の誰も素敵ではない。けど、意外な方向で落ち着く。実際は現実の家族など素敵な人の集まりばかりではないし、こんな思い切ったこともできないかもだけど 離れてわかること、新しく築ける形もあるよねという。
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46歳の誕生日。身勝手で冷たい夫や息子と決別し、専業主婦の朋美は二度と帰らない決心をし、車に乗って家を出る。 なんと無責任で勝手気ままな主人公だろうと呆れていたら、その夫も捨てられて当然の素晴らしく自己中のカス男だった。 それでも離れてみたからこそ、夫婦とは親子とは家族とは…と、...
46歳の誕生日。身勝手で冷たい夫や息子と決別し、専業主婦の朋美は二度と帰らない決心をし、車に乗って家を出る。 なんと無責任で勝手気ままな主人公だろうと呆れていたら、その夫も捨てられて当然の素晴らしく自己中のカス男だった。 それでも離れてみたからこそ、夫婦とは親子とは家族とは…と、見つめ直す事が出来たのかもしれない。
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桐野さんの作品はすぐに引き込まれる。 普通の専業主婦が、夫や息子たちに軽視されるのに耐えられず、食事をしていたレストランからそのまま車で家出する、という話。意外なことにハッピーエンドだった。
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ハチャメチャ具合がとても面白く、実際にはこんなに事件が相次いで起こらないのではとは思いつつも 最後は綺麗にまとめたかな。 自分で思っているほどにダメな自分でなかった主人公。 人それぞれの評価があって、落としどころをつけながら 微妙な距離感を保つのが家族なんだろうか。 息子や...
ハチャメチャ具合がとても面白く、実際にはこんなに事件が相次いで起こらないのではとは思いつつも 最後は綺麗にまとめたかな。 自分で思っているほどにダメな自分でなかった主人公。 人それぞれの評価があって、落としどころをつけながら 微妙な距離感を保つのが家族なんだろうか。 息子や夫との日常が痛すぎるのも事実で 前半はかなりきつかった。。
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