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悪と仮面のルール の商品レビュー

3.9

79件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

    19

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2024/01/09

新年早々に読み終わった本がこれかー よーわからん 世界が違う もう少し悪になるかのかと思ったけど 想像とは違う展開だった 中村文則の小説はちょっと嫌悪しがちだが 何故か手に取ってしまう、、

Posted byブクログ

2023/12/18

この世界を不幸にする存在『邪』を生む風習のある家系で、『邪』として育てられた男、久喜文宏は、本来地獄を経験させられるはずだった父を殺し、他人の顔と身分になり代わりました。 男がした幾度ものルール違反によって、様々なことが奇妙に歪んでいきます。 全体として、陰鬱な物語です。男の人...

この世界を不幸にする存在『邪』を生む風習のある家系で、『邪』として育てられた男、久喜文宏は、本来地獄を経験させられるはずだった父を殺し、他人の顔と身分になり代わりました。 男がした幾度ものルール違反によって、様々なことが奇妙に歪んでいきます。 全体として、陰鬱な物語です。男の人生はずっと地獄のようで、読んでいて重苦しくなります。 でも、地獄の中でも、男が少年時代に少女と過ごした日々は、間違いなく輝いていました。 「人を殺すとはどういうことなのか」という重いテーマですが、読み終わる時には、少し前向きに生きられるような気がしました。

Posted byブクログ

2023/11/10

前から読もうと思っていてようやく読めた本。 人間の精神のかなり濃密な世界が描かれていて、読んでいる間その世界にどっぷりハマる感じでした。 思っていたより辛い結末ではなくてホッとしました。

Posted byブクログ

2023/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

周りに良いように言う人がいなかったので 敬遠してた中村文則の本を初めて読みました。 いやあ 普通に面白い。 もっとドロドロ、気持ち悪く、意味不明な小説かと思いきや いい恋愛小説じゃないの。 理由はどうあれ殺人を犯すことの罪の重さに苦しむ点も常識的でよい。 「…ベトナム戦争では飛躍的に発砲率が増加する結果となった。人間はいくらでも自分を創りかえれるんだよ…」 「…確かに発砲率は上がっている。だけど引き換えに、ベトナムから大勢の精神の不均衡に苦しむ兵士たちが帰還することになったんだろ…」

Posted byブクログ

2023/08/31

中村文則さんの初長編。それまでは200ページ以内で中編の延長的な作品だった。やはり長編だと明らかに中編と差別をつける所が沢山あり個人的にチャレンジ成功だと思う。 掏摸から作風も変わり、扱うテーマも徐々にずらしているが、核となる部分は変わらず死、悪、罪など、人間の闇に対する心理的探...

中村文則さんの初長編。それまでは200ページ以内で中編の延長的な作品だった。やはり長編だと明らかに中編と差別をつける所が沢山あり個人的にチャレンジ成功だと思う。 掏摸から作風も変わり、扱うテーマも徐々にずらしているが、核となる部分は変わらず死、悪、罪など、人間の闇に対する心理的探究。 今作もやはりドストエフスキーの影響がありまくる。笑 特に終盤にある神への言及、罪と罰の流れを連想させられる。 ただ、殺人は殺人だが、ルール違反という意味の罪ー今作では善を成す為の罪ということになるがーの場合がメインテーマになる。 悪については戦争、カルト的宗教、テロなど、様々な悪が主人公を運命的に巻き込むサブテーマも、ドストエフスキー的な総合的小説の手法を初使用している。どこか村上春樹の作品も連想出来る構成もあった。 エンディングはやはり今までの作品と同様、希望を残してくれた。読者として救われるが、作品の重さは多少影響される。けど非現実ではない。 更に進化する余地があるが、これはこれで個人的に100点。欠点は強いて言えば邪の家系の形成した経緯というか、邪悪な血が存在することに対して合理性が足りなかったと感じた。ただフィクションだし、推理小説でもないので、そういう前提、そういう設定だと思えば全く問題ないし、むしろ発想が面白い。

Posted byブクログ

2023/06/25

「掏摸」の兄弟編といった感じでしょうか。 今回の「王国」は、邪の家系を維持する血筋の頂点が、表社会で財閥を築き上げよう裏社会まで支配しているといったところ。 主人公は、その邪の家系を引き継ぐ為生まれ、育てられようとしていた。知らされたのは、11歳の時。そこから家系と父親からの逃亡...

「掏摸」の兄弟編といった感じでしょうか。 今回の「王国」は、邪の家系を維持する血筋の頂点が、表社会で財閥を築き上げよう裏社会まで支配しているといったところ。 主人公は、その邪の家系を引き継ぐ為生まれ、育てられようとしていた。知らされたのは、11歳の時。そこから家系と父親からの逃亡を計る。 好きな女の子を守る為、父親を殺害。大人となった彼は、他人の顔と経歴を手に入れた。再出発を試みているが、邪の世界から逃れられない。 「邪念の種子はやがてしかるべき無意識と因の支援により生い育ちながら各地でうごめく」作者あとがきにあるように、一貫してそういう状況を描いている。その邪の種子を蒔くのが、邪の家系かな。 アメリカでの評価は高くて、ノワール小説の賞をとったみたいだし読者も多いようです。 邪のうごめく先に、ナイラ証言からの湾岸戦争突入とか、テロによる殺人破壊行為といったものが描かれているのも、アメリカで評価が高い要因かなと思います。 個人的感想ですが、前2作の揺るぎない悪の木崎から比べると、邪の側の人間に弱い部分が見えるし、邪に反抗する主人公の存在が、ノアールさを思ったほど感じなかったです。

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2023/04/15

始まりからテンポが良く、読んでいて自然に頭の中にイメージが形成される描写は流石。結末もガッカリさせられることなく一気に読了。

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2023/04/13

終盤の車の中での描写。こんなにも感情の爆発力のある本は見たことない。この2ページのためにこの本があると言っても過言では無いと思った。

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2023/02/25

“たった一人のために書いてくれたのだろうか_” 中村文則さんの作品を読むたびに いつも世界の片隅に生きる“たった一人”のために 書いてくれているように感じる 読む全ての方に…ではなく 読んでいる者 そのたった一人のために… この作品は特に『たった一人のために』と ...

“たった一人のために書いてくれたのだろうか_” 中村文則さんの作品を読むたびに いつも世界の片隅に生きる“たった一人”のために 書いてくれているように感じる 読む全ての方に…ではなく 読んでいる者 そのたった一人のために… この作品は特に『たった一人のために』と 少年時代に出逢った愛する少女(香織)を守るための物語_ 香織を守るため 少年は悪の道へと自ら飛び込んでいく… 自分の人生が損なわれることが分かっていながらも 香織という価値が自分の全てであり… 自分の人生と天秤にかけてでも その価値は少年の中で眩しく映る やがて…大人になった彼は 顔を変え 他人の身分を手に入れ 香織を守るために再び動き出す すべては彼女の幸せのために… 事件を追いかける刑事や 絶対悪とされる人物も 今までの作品にはいない程 魅力的な人物だった 特に香織の言葉は 彼だけでなく 読む側にも希望の光を感じるられるほど優しさに満ちている 香織から放たれる言葉が 彼の中に広がり 枯れていた心に灯がともり 温度となって届いている描写に 私は何度もウルウルとしてしまった… 窓から入る太陽の光が彼の目に映る その瞳に映った強くも優しい光が彼を包み込んでくれていて 直接見たわけではないのに… その眩しさをずっと私は覚えておきたい…と思えるような 素敵な読後感でした

Posted byブクログ

2023/01/17

悪を描く物語の筋に血筋が欠かせない! スターウォーズもゴッドファーザーも鎌倉殿の13人もギリシア神話も血が騒いでる。 血縁者に悪を感じるとショックが大きいからなのか、おぞましさが想像しやすいからなのか、血脈を用いて物語にすると悪が生じる現象を理解しやすくなる...。 幼い頃の記憶...

悪を描く物語の筋に血筋が欠かせない! スターウォーズもゴッドファーザーも鎌倉殿の13人もギリシア神話も血が騒いでる。 血縁者に悪を感じるとショックが大きいからなのか、おぞましさが想像しやすいからなのか、血脈を用いて物語にすると悪が生じる現象を理解しやすくなる...。 幼い頃の記憶を絞り出してみると祖父や父や兄弟から小さな悪を感じとって良いことや悪いことの感覚を学んだような気がしてきます。 そんな発見をさせる小説でした! 実写じゃなくてアニメ化の方がしっくりしそう。

Posted byブクログ