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悪と仮面のルール の商品レビュー

3.9

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    26

  3. 3つ

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2023/01/17

悪を描く物語の筋に血筋が欠かせない! スターウォーズもゴッドファーザーも鎌倉殿の13人もギリシア神話も血が騒いでる。 血縁者に悪を感じるとショックが大きいからなのか、おぞましさが想像しやすいからなのか、血脈を用いて物語にすると悪が生じる現象を理解しやすくなる...。 幼い頃の記憶...

悪を描く物語の筋に血筋が欠かせない! スターウォーズもゴッドファーザーも鎌倉殿の13人もギリシア神話も血が騒いでる。 血縁者に悪を感じるとショックが大きいからなのか、おぞましさが想像しやすいからなのか、血脈を用いて物語にすると悪が生じる現象を理解しやすくなる...。 幼い頃の記憶を絞り出してみると祖父や父や兄弟から小さな悪を感じとって良いことや悪いことの感覚を学んだような気がしてきます。 そんな発見をさせる小説でした! 実写じゃなくてアニメ化の方がしっくりしそう。

Posted byブクログ

2022/10/23

悪と正義。 正義が悪に勝つその闘いを、 僕は読んだのだろう。 でも虚しい読後感しかない。 やりきれない やるせない もやもやが心にこびりつく・・ ラストの吉岡恭子の存在で 僕のような心が疲れた読者は 少なからず救われたのかもしれません。

Posted byブクログ

2022/08/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

代々伝わる財力と力で、様々な我意を尽くしてきた『邪』の家系。 そこで『邪』を成すために育てられた久喜文宏は、十一歳の時、父の口から自身の運命を言い渡される。 「思春期に入った時、お前がこの世界を否定したくなるような地獄を見せる。そしてお前は将来、この国の中枢か、国に対峙する何かの中枢に入り、悪をなす。」 ある日、香織という少女が久喜の屋敷の養女になり、文宏と同じ学校に一緒に通い始める。そして父の思惑通り、二人の距離は縮まっていく。 父の言う地獄とは、香織が文宏にとって最も大切になった時、それを損なうというもの。香織を守るためには狂った父を殺害するしか方法がなく、文宏は計画を実行する。 殺害に成功したものの文宏の精神は病み、父の顔に似ていく文宏に対し、気持ちとは裏腹に身体が拒否反応を起こしてしまう香織。そして二人は距離を置くことに。 時は進み、大人になった文宏は顔を変え新谷弘一という男の身分を手に入れていた。探偵を雇い、久喜香織の現在を調べるように依頼する。そこで、香織が詐欺師に狙われていると知り、直接行動に出る。 詐欺師の狙いが金だけでなく、香織を薬漬けにして快楽を得ようとしていると分かり、殺害する。しかし、その裏で糸を引いていたのは『邪』の家系の兄、久喜幹彦だった。 人を殺すとはどういうことなのかを考えさせられる作品。 理不尽な状況下で、殺す以外の選択肢を絶たれ、しかも相手が死を受け入れている場合、果たしてそれは罪と言えるのか。 生物は基本的に同種を殺さないように作られているのかもしれないが、ゲームや漫画で仮想の殺し合いを楽しんだり、画面ばかり見て生に対しての実感が薄れている現代人にとっては、そこまで罪の意識が精神を蝕むことになるのかが気になった。まぁ、それは殺人をした人にしか分からないかもしれないが。 作中のテロ集団「JL」の犯行声明で、「総理大臣が記者会見を開き、100%の力で郷ひろみのモノマネをしないと政治家を暗殺していく。」というのがあったが、約束を守る保証がもしあった場合、殺人を止めるために恥を覚悟でモノマネをするのかとか、色々想像してしまった。 実際にあったナイラ証言や軍需産業についての話は少し調べたが、興味深い内容だった。 『邪』の運命に立ち向かう主人公が、好きな人を救うために罪を重ね、人殺しではあるが悪ではない感じは良かったと思う。 最後、主人公の香織に対しての選択は切なかったが、吉岡恭子の存在で救われた。 冒頭にあった「刑事の日記」が、読み終わった時にどう見え方が変わるのかを期待していたが、最後の会田刑事の認識と、冒頭の会田刑事の日記が、読み直しても微妙にしっくりこないのが残念だった。個人的にはそう感じた。

Posted byブクログ

2022/08/04

悪の連鎖に思惑通り呑み込まれないために新しい悪・ルール違反を重ねる主人公だけど、悪も正義もそれはある側面の話というのを体現しているように思った。 もちろんそれが人を殺めたりすることの肯定に繋がるというのでは決してないんだけど、それはじゃあどうしてそうなのか、が秀逸に描かれてるし書...

悪の連鎖に思惑通り呑み込まれないために新しい悪・ルール違反を重ねる主人公だけど、悪も正義もそれはある側面の話というのを体現しているように思った。 もちろんそれが人を殺めたりすることの肯定に繋がるというのでは決してないんだけど、それはじゃあどうしてそうなのか、が秀逸に描かれてるし書かれてる。 ずっと陰鬱と死が渦巻いてるのに、作者が書く言葉・文章の上手さが、プールで息継ぎをするみたいな、息苦しさからのある種の救いみたいに思えた。

Posted byブクログ

2022/02/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初めての中村文則でした。 勝手にものすごくドラマチックで暴力的で激しい物語かと思っていたのだけど、文体が淡々としていたせいかそこまでアグレッシブに感じなかった。 内容としては人は殺すわテロだ戦争だなのに。 そんなわけで収束に向かうにつれ、若干あれれ?と感じてしまった。 期待しすぎたかなぁ?

Posted byブクログ

2022/01/03

悪と仮面のルール 中村文則著 1.初めての中村文則さんの著書 中村文則さん自身の後書きを読んだことにより、 ⭐️5個となりました。 「人を殺めるとはどんなことなのか?  それが、この著書でもテーマとなっている。」 創造性 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 陰湿さ ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ ...

悪と仮面のルール 中村文則著 1.初めての中村文則さんの著書 中村文則さん自身の後書きを読んだことにより、 ⭐️5個となりました。 「人を殺めるとはどんなことなのか?  それが、この著書でもテーマとなっている。」 創造性 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 陰湿さ ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ テーマ一貫性 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 2.物語 主人公は戦後生き残り財閥の息子です。 大切な人を危険から守るために、彼は人を殺めます。 そう、自身の父親を殺めます。 彼自身は、みずから行方不明になったうえで、別人の人生を歩むこととします。 そう、整形まで行って、、、。 彼の唯一の願いは、当時守った大切な人の今の消息を知ることです。 ここから、物語の展開が早まります。 3.著書より 「人間を殺すことはこの世界にある決定的な第一線を踏み外すことだ。」 「生物は基本的には同種を殺めない。」 「殺人を正当化し、理性で包むのはまやかしである。」 ラストシーンでようやく、ようやく、少しだけ光が見える、そんな小説です。

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2021/10/07

半分くらいまでがどきどきしてどんどん読めた。 わりと良い話の展開で終わったのが意外だった。 でも登場人物に感情しやすかった。 ★3.5

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2021/06/20

読者初心者にはむずかしかった。R帝国を読んでおもしろくてこちらも読んでみたがまだはやかった。いつか読めるようになるといいな。

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2021/06/16

一つの会話文がかなり長い場面も多くあり、自分には読み疲れてしまうときもあり。内容は最初の設定を丁寧に引っ張り過ぎた感あり。父の存在、大きさ、考え方を知らしめるためと思うが、殺すまでが長かった。香織が愛おしくてたまらなかった。

Posted byブクログ

2021/10/18

★3.5 不幸と幸福について、当たり前のことをつらつらと難しい言葉で語ってる小説。幸福は閉鎖のうえで成り立つ。人を殺めることは自分を傷つけ、とことん堕ちてしまうが、それを抱え、真っ直ぐ生きようとする主人公がかっこいい。殺人は犯罪だけど、それを真に理解しながら、生きていく姿に胸を打...

★3.5 不幸と幸福について、当たり前のことをつらつらと難しい言葉で語ってる小説。幸福は閉鎖のうえで成り立つ。人を殺めることは自分を傷つけ、とことん堕ちてしまうが、それを抱え、真っ直ぐ生きようとする主人公がかっこいい。殺人は犯罪だけど、それを真に理解しながら、生きていく姿に胸を打たれた。純愛要素も入っており、憂鬱にならずに読み切れた。難しいな。

Posted byブクログ