円卓 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
いいコトもわるいコトも家庭環境も国籍もごちゃごちゃな世界で気になったコトをいちいち真正面から受け止めて自分なりの答えを見つけながら成長していく"こっこ"がたまらなくかわいいなぁ…最後は涙でした。心和む素敵な一冊。
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私たちは誰でも子供であったはずなのに、いつの間にかそれを忘れてしまう。子供というのは大人の縮小版ではない。むしろ、全く違う存在なのだ。ものの考え方が全く違う。よく子供の心は素直でというが、素直というのは大人の素直さとは別物だ。そもそも見ている世界が違うのだ。 この小説はそうし...
私たちは誰でも子供であったはずなのに、いつの間にかそれを忘れてしまう。子供というのは大人の縮小版ではない。むしろ、全く違う存在なのだ。ものの考え方が全く違う。よく子供の心は素直でというが、素直というのは大人の素直さとは別物だ。そもそも見ている世界が違うのだ。 この小説はそうした子供の世界を照射している。もちろんこれを書いた作者は大人であるから、あくまで大人が推測する子供の目を通した風景であるが。 作中に登場する病人、在日外国人、それに変質者などは大人の目から見ると憐れむべき人であり、忌避される存在である。しかし、この小説の主人公の琴子にとってみれば、かっこいい、憧れの存在であり、模倣の対象となる。その様子が滑稽に描かれているが、そうであればあるほどやはり子供の世界観と自分のそれとの隔絶を痛感させられるのだ。 琴子が折りにふれて印象に残った物事をメモするジャポニカ学習帳は、彼女が子供の世界から次第に脱していく過程を象徴する。途中紛失し、最後は投げ捨てるに至る秘密のノートこそは子供の世界の記録であり、そこから解放される主人公は着実に大人になっていくのだろう。大人になるということがどういうことなのかを考えさせられた。 言っておくが、この小説自体はかなり軽妙で随所で笑える。このようなひねくれた読み方しかできないこと自体が、私の子供世界からの隔たりの証明だと思う。
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ごった煮。 個性のごった煮。 美しいものも、醜いものも、おもしろいものも、汚いものも、苦しいも、嬉しいも、寂しいも、孤独も、 そういったものが名前を持たずにいっしょくたになっていたなあ、と感じます。 子どもだったころ。 自分が子どもだったころ、わからないものが多すぎたし、自...
ごった煮。 個性のごった煮。 美しいものも、醜いものも、おもしろいものも、汚いものも、苦しいも、嬉しいも、寂しいも、孤独も、 そういったものが名前を持たずにいっしょくたになっていたなあ、と感じます。 子どもだったころ。 自分が子どもだったころ、わからないものが多すぎたし、自分の非力さに嫌気がさしたし(これはいまだに多いけれど)。 でも、世界を感じる感性はとても鋭いものがあったと、思うのです。 本書は確かにそれを思い出させてくれる。 西加奈子さん。 久しぶり読みました。 僕は『通天閣』や『さくら』が大好きなので、 相対的に星は3にしています。 解説が、なんだかちゃんと解説だ。 あ、そういえば映画化するらしい。 見ねば。
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ちびまる子ちゃんに似てると思ったでも、違う。ズッコケ三人組に似ていると思った。けど、違う。読み終わる瞬間に「あぁいかんといて」と思わせる良作だと思います。
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めっちゃよかった! 子供達の大阪弁が(こっこのが特に)とても心地よい。 子供の成長を、子供の視点から何と無く感じさせる。うん、素敵だ。
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ちょっと変わった小学生 こっこの成長物語。 全編 大阪弁! 映画では 芦田愛菜ちゃんがこっこ役。 そんな配役も想像しながら読むのも楽しく さら~っと読めました。
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文字から可愛さが伝わってくる。こっこもぽっさんも出てくる人みんな、可愛い!色んなことを経験して、なんで?どうして?なにそれ?ってたくさん考えながらものすごいスピードで成長する子供。生について、性について、子供目線で描きながら読んでる側も考える。
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大阪人は必ず読むべし!個性的な登場人物達に爆笑必死!!ラストはちょっぴり涙もw 心の奥底に忘れてきた何かをくすぐられる一冊。
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西さんの文章の面白さがよく滲んでる一冊。 終わり方も爽やかでほっこりして好き。 こっこが無口になっていくその心理状態の表し方が秀逸で、手に取るようにわかった。どんな思いをしても、その思いは自分だけのもので、人はひとり。こっこはそれがわかったから、自分の思いを自分の中に留めることを...
西さんの文章の面白さがよく滲んでる一冊。 終わり方も爽やかでほっこりして好き。 こっこが無口になっていくその心理状態の表し方が秀逸で、手に取るようにわかった。どんな思いをしても、その思いは自分だけのもので、人はひとり。こっこはそれがわかったから、自分の思いを自分の中に留めることを覚えたし、人がそれぞれ自分だけの思いを抱いて生きているってことも分かった。人はもともと孤独だけど、だからこそ愛しいという気持ちがわいてくるんだなぁと感じる。
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