ゼツメツ少年 の商品レビュー
なんとも複雑なプロットである。小説の中にもう一つの小説があるような、気がつけばそれがすべてひとつにつながっていくような・・・ そして話は軽い調子で小学生と中学生の夏休みを中心に進行していくが、その中心にあるのは「いじめ」という重い問題だ。ストーリーの表面をなぞっていくと、それだけ...
なんとも複雑なプロットである。小説の中にもう一つの小説があるような、気がつけばそれがすべてひとつにつながっていくような・・・ そして話は軽い調子で小学生と中学生の夏休みを中心に進行していくが、その中心にあるのは「いじめ」という重い問題だ。ストーリーの表面をなぞっていくと、それだけでは重さ、暗さを感じさせない。しかし読み終わってみるとことの重大さに気づかされる。著者はテーマの重さを直接的に我々読者に伝えるのではなく、終盤にならないと登場人物たちの抱える問題の大きさ、重さを感じさせないようにしているのではないか。 「エピローグ」は実際の重松清のことばなのか。軽い気持ちで読み始めたが、読み終わった時には胸の奥にずしりと重いものを残す小説だ。
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ちょっと分かりにくいところがあったけど、重松作品を数冊読んでいたので、ほとんどの亊は、理解できました。せんせいは、実在の人物なのでしょうか。
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現実(?)と小説(?)が混ざり合ったような構成にフワフワ漂うように物語は進んでいく。切ない最後に涙が止まらない。。 なのに、「大事なのは想像力」と作品中でも何度も書いているならば、エピローグは書かず、読者の想像力で終わらせて欲しかった。
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子供を持つ親としてはなかなか救われない物語だ。 でも、子供を亡くした親には少し救いがあるかもしれない。 生きてきたことに意味を与えることってのは、残された人たちのためにあるものだから。 忘れないために、絶対に必要なものだから。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あまりにも切ない、今時の子供達のお話。著者の過去の作品の登場人物達も出ているようで、記憶力の良い人ならさらに楽しめるでしょう。何はともあれ死んではいかんのです。とにかく生き抜くことが大事なんだという著者からのメッセージなんだと思いました。
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大好きな重松清さんの本。 小説の中に小説が描かれる。 重松清さんのこれまでの作品に描かれた主人公達に出会えたり。 不思議な世界。 生きていることが辛くなることに直面した少年たちが「ゼツメツ」しないために選んだ道。 キュンと胸を締め付けられたり、思わず目頭が熱くなったり・・・ 『大...
大好きな重松清さんの本。 小説の中に小説が描かれる。 重松清さんのこれまでの作品に描かれた主人公達に出会えたり。 不思議な世界。 生きていることが辛くなることに直面した少年たちが「ゼツメツ」しないために選んだ道。 キュンと胸を締め付けられたり、思わず目頭が熱くなったり・・・ 『大事なのは想像力。想像力とは希望。想像力とは信じること。そして想像力は約束。』
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子は親を心の底から憎めない。拒絶され阻害され存在さえ無かった事にされても、唯一無二の断ち切れないつながりなのだ。子に想われ親は在る。なぜにゼツメツを強いられるのか。この子らを目の前にしてどう受け止めよう。静かに消え行くこの灯火を、私は風よけになり身体を支える大木になって寄り添えな...
子は親を心の底から憎めない。拒絶され阻害され存在さえ無かった事にされても、唯一無二の断ち切れないつながりなのだ。子に想われ親は在る。なぜにゼツメツを強いられるのか。この子らを目の前にしてどう受け止めよう。静かに消え行くこの灯火を、私は風よけになり身体を支える大木になって寄り添えないものか。声を嗄らし呼び止めても、こちらに引き寄せる術を持ち合わせていない事に愕然とする。昔心を重ねなぞる事しか出来ない無力さを、拳で握りしめる事しか出来なかった。学友はおろか親にだって剥奪する権利はない。
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そういうオチだったのか・・・。 途中に出てくる他作品の登場人物の生き方も書かれていて、いろいろなところで自分に当てはめて考えさせられます。
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終盤にさしかかってきて、ああ、もしかしたらこういう展開なのかも…が的中してしまって、なんとも切ない物語でした。 序盤のリュウの学校での出来事などは胸が痛んでしまって、少し読み進めづらかったものの、冒険に出てからはすらすらと読めました。 重松さんらしい文体と物語で、時にぐっと涙をこ...
終盤にさしかかってきて、ああ、もしかしたらこういう展開なのかも…が的中してしまって、なんとも切ない物語でした。 序盤のリュウの学校での出来事などは胸が痛んでしまって、少し読み進めづらかったものの、冒険に出てからはすらすらと読めました。 重松さんらしい文体と物語で、時にぐっと涙をこらえながら読む場面もありました。
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