キレイゴトぬきの農業論 の商品レビュー
農業はビジネス。 我々カフェ業もビジネスだ。 本当にキレイゴトのない潔い内容に惚れ惚れした。 久松氏のお作りになる野菜を今度いただこうと思う。 無農薬だから無化学肥料だから安心なのではない。 沁みる。
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農業の本というよりも、マーケティングの本といった方が正しいのかもしれません。それほどまでに、筆者が異業種の中でどのようにすれば「売れるのか」を模索している姿が、印象的でした。 米と野菜ということで扱っている対象は異なり、また生産者と流通業者という面からも異なりますが、しかして、付...
農業の本というよりも、マーケティングの本といった方が正しいのかもしれません。それほどまでに、筆者が異業種の中でどのようにすれば「売れるのか」を模索している姿が、印象的でした。 米と野菜ということで扱っている対象は異なり、また生産者と流通業者という面からも異なりますが、しかして、付加価値のつけにくいもの、規模の小さい業者がどのように生き残っていくのか…という視点では腹の底で深く同意できる内容でした。
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これは農業の話ではない。経営の話だ。 99年に脱サラして就農した久松氏は野菜づくりはうまくないそうだ、しかも本人曰くセンスもガッツもない。しかししゃべりは得意で日本一しゃべれる農家にはなれるかもと言う。めざすはエロうま野菜。脂のしたたるステーキやスイーツが体に悪いと言われてもや...
これは農業の話ではない。経営の話だ。 99年に脱サラして就農した久松氏は野菜づくりはうまくないそうだ、しかも本人曰くセンスもガッツもない。しかししゃべりは得意で日本一しゃべれる農家にはなれるかもと言う。めざすはエロうま野菜。脂のしたたるステーキやスイーツが体に悪いと言われてもやめられないように、やみつきになるような美味しさだ。年間50品目以上の野菜を有機栽培して直販している自称変態だ。 久松氏は野菜の美味しさの三つの要素は栽培時期、品種、鮮度だと言い切る。だから野菜づくりが下手でも旬の野菜はうまい。有機でやるのは健康な野菜を売るためだ。だから健康な野菜を作るために農薬を作ると言う方法を否定していない。それぞれが選ぶ事だと言う。大規模で低価格路線の普通の農家を否定しているわけでもなく、ただそれは元々受け継いだ農地を持ってることが参入障壁で脱サラでは難しいようだ。例えば虫食い野菜のほうがうまいと言うのも根拠はない、畑では弱った野菜から病害虫にやられていく。農薬や除草剤を使うと本来淘汰されていたはずの個体が出荷されるかもしれないが有機でやる事で健康な野菜が残る。そう言う考え方だ。 久松農園(http://hisamatsufarm.com)では契約したお客さんに取れ立ての旬の野菜セットを送ったり注文販売をしたりしている。 ホームページにある3つの約束はこうだ。 ・鮮度 ご注文を受けてから収穫して発送します。 ・時期 旬の野菜だけをつくります。 ・品種 味を重視した品種を選びます。 周りの農家からはよくそんな面倒な事をやってるなと言われるらしいが久松氏にすればしめたもの、脱サラ農家が参入障壁を作ってしまっているのだから。一方で有機栽培の労働生産性はやはり大規模農家に比べると低い。高価格ー直送と言う方法を選んだのもちゃんと合理的な理由がある。直販は消費者からの直接フィードバックが得られると言うのもポイントだったりする。有機農業の世界には反市場的な空気がいまだに存在し、「あなたのやってる事はビジネスだ!」と言われた事もあるらしい。当たり前だし、久松氏に対しての非難にはなっていない。 茨城県でほうれん草から基準値以上の放射線物質が検出された時にはキャンセルが相次ぎもう農業が出来ないかもと言う所まで追い込まれた。「先行き不安と言いつつ、滞りなく作業は進むのであった。マルチ(農業用フィルム)を張ると心が安らぐ。アホだ。」このスタイルで野菜を売って、うまいと言わせるのが喜びであり、保証金をもらっても満たされない。自分の育てた野菜は安全だと信じながらも安心を買いたい消費者がいるのは当然であり、風評被害に対しては不安に勝てるほどの商品力がなかったのは経営者としては「負け」なのだ。目指すべきは「ふぐ」危険はあっても食うのを目指す方が経営者としては合理的で前向きだからだ。
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今まであまり考えたことのなかった野菜について知ることができた。重複する文章が気になるところもあるが、全体としてとても面白い内容だと思う。
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農業もマーケティングをキチンと行い農家自身が経営視点を持てば、個人で小規模の農園であっても、ちゃんと生きていけるんだ。 大量生産だから、有機野菜だから、これは理由にすらならないんだと勉強になりました。そもそも有機野菜の本来の意味を我々は履き違えているのかもしれない。農薬を使って...
農業もマーケティングをキチンと行い農家自身が経営視点を持てば、個人で小規模の農園であっても、ちゃんと生きていけるんだ。 大量生産だから、有機野菜だから、これは理由にすらならないんだと勉強になりました。そもそも有機野菜の本来の意味を我々は履き違えているのかもしれない。農薬を使っていないから良い野菜だなんて判断基準は意味がないんですね。 本当に キレイゴト は抜きにしてこういう農家が増えてくると、そして価値判断をしっかり持った消費者が増えてくると、日本の農産業面白く発展してきそうって期待させられます。 JAの縛りがどうの、TPPの脅威がどうのって言ってるのがちょっと馬鹿らしいです。
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HONZ で紹介されていた本書。 著者が茨城県土浦市に住んでいるということもあって、親しみやすい印象。(自分も茨城在住) 著者の農業に対するこだわりや本当の農業に関する知識など詳しく書かれていたので、読みやすかった。ただこだわりのページが比較的多かったのが、「もうちょっと知識のペ...
HONZ で紹介されていた本書。 著者が茨城県土浦市に住んでいるということもあって、親しみやすい印象。(自分も茨城在住) 著者の農業に対するこだわりや本当の農業に関する知識など詳しく書かれていたので、読みやすかった。ただこだわりのページが比較的多かったのが、「もうちょっと知識のページがあったほうがよかったな」と思った。 これだけ消費者のことを考えてくれる農家の人がいることが改めて分かったし、いい本だと思います。
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農業や酪農に関わり始めて私自身が感じていることの多くが、この本には散りばめられていた。 著者はごく真っ当な主張をしているだけだと思う。 私たちの食を真に豊かにする、こういう農業ビジネスの人たちが増えてきてほしいなと思う。 「エロうま野菜」―言葉の刺激の強さだけでなく、その志向する...
農業や酪農に関わり始めて私自身が感じていることの多くが、この本には散りばめられていた。 著者はごく真っ当な主張をしているだけだと思う。 私たちの食を真に豊かにする、こういう農業ビジネスの人たちが増えてきてほしいなと思う。 「エロうま野菜」―言葉の刺激の強さだけでなく、その志向するものに共感する。
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20131017 新規参入だから言えること、農業の現実がそのまま語られていて参考になる。これから農業を始めたいと思っている人は読んだ方が良いかも。
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農業はクリエイティブな仕事。既存農家は法や規制に守られた持てる者だから、新しいことにチャレンジするインセンティブが働かない。 農地の所有者と、職業としての農業従事者のずれ。過去の遺産・遺物があまりに大きすぎる。
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新規就農した筆者の農業奮闘記。 久松農園のコンセプトが、この1冊にぐっとつまっている感じです。 記載されている内容は、共感できるものでした。 プロダクトアウトになりがちな農業界に新風を巻き起こしているものと期待するが、ずっと農業をやってきた人はなかなか変われないのだろうなぁとも...
新規就農した筆者の農業奮闘記。 久松農園のコンセプトが、この1冊にぐっとつまっている感じです。 記載されている内容は、共感できるものでした。 プロダクトアウトになりがちな農業界に新風を巻き起こしているものと期待するが、ずっと農業をやってきた人はなかなか変われないのだろうなぁとも一方で考えさせられました。 また、「有機農法に神話」、「旬」の話、野菜の敵(害虫・病気・雑草)の話は、この本を読んで新たに気が付かされた観点でした。 久松農園ホームページ http://hisamatsufarm.com/ 書評(新潮社ホームページ) http://www.shinchosha.co.jp/nami/tachiyomi/20130927_03.html
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