キレイゴトぬきの農業論 の商品レビュー
脱サラして、オンライン野菜販売の農園を経営している筆者による、現代日本の農業論である。 有機農業だから安全だ、に代表される有機農業の誤解から始まる本書は、ガチガチの農業論かと思いきや、次章から自分の実体験に基づく農業の実態の説明が始まる。 野菜は旬がおいしいなど基本から、筆...
脱サラして、オンライン野菜販売の農園を経営している筆者による、現代日本の農業論である。 有機農業だから安全だ、に代表される有機農業の誤解から始まる本書は、ガチガチの農業論かと思いきや、次章から自分の実体験に基づく農業の実態の説明が始まる。 野菜は旬がおいしいなど基本から、筆者の農園経営論まで、幅が広い。独立心の強い新規就農者はこういう農業経営になるだろうな、と思わせるような日本の農業の問題点も指摘している。 地震後の原発事故の風評被害や、行政の就農支援システムの疑問点などにも触れていて、実際に土や野菜と向かい合っているからこその説得力が感じられる。 本書を読むと、日本の農業はまだ潜在力があるという筆者の主張に同意する人も多いだろう。
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有機農法は安全で美味しい、とは限らない。 農業界はマーケットレビューより、仲間内での評価が先行する社会=ピアレビュー社会になっている。 農業の名人ほど、そのノウハウが言語化・数値化されておらず、暗黙知化されている。 農業技術はまだまだ整理されていない。 センスが無いから考えること...
有機農法は安全で美味しい、とは限らない。 農業界はマーケットレビューより、仲間内での評価が先行する社会=ピアレビュー社会になっている。 農業の名人ほど、そのノウハウが言語化・数値化されておらず、暗黙知化されている。 農業技術はまだまだ整理されていない。 センスが無いから考えることで、農業技術が拓ける。 実際の農業の現場が少し分かる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
<畑に論理を持ち込んだ久松農園の今後に期待> ◆この本を読んで、野菜の有機非有機よりも、旬と鮮度にこだわる様になった。新鮮な有機野菜は高いから、見切り品のを買うとか、愚かな行為なのかも知れない。 ◆要約。野菜の味は、旬、品種、鮮度で決まる。農薬とか化学肥料とか、役所が厳しく規制していて(ある農薬が残留基準上限に達しており、それを一生涯毎日、国民平均の100倍食べても動物実験上では影響がないレベル)今やそんなに危険ではない。それに、コメ作りの初期の雑草除去のために紙マルチと呼ばれる有機栽培法があるが、これは他の栽培方法と比べて突出して二酸化炭素排出量が大きく、必ずしも有機農業が環境に優しいとも言えない。有機が美味しい、安全、環境に優しいと妄信するのは論理的に妥当ではない。 ただ、有機野菜は「健康」ではあると思われる。理由は、畑の生物多様性が確保されている事と、不健康な野菜は虫に食われたり天候の影響を受けてダメになってしまうから。
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野菜の味を決める要因は、栽培時期、品種、鮮度であり、栽培方法ではないと強調している.通読した後、その通りだと感じた.確かに、真冬にホーレンソウがあるのはおかしいことだ.最終章で現状の農業への苦言を呈しているが、実際に農業をやっている人の本音であり、重要な指摘だと感じた.農薬が通常...
野菜の味を決める要因は、栽培時期、品種、鮮度であり、栽培方法ではないと強調している.通読した後、その通りだと感じた.確かに、真冬にホーレンソウがあるのはおかしいことだ.最終章で現状の農業への苦言を呈しているが、実際に農業をやっている人の本音であり、重要な指摘だと感じた.農薬が通常の使い方をする場合は、全く無害であることは理論的には予測していたが、農業従事者からのこのような意見が出てくることは価値あることだと思っている.
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○茨城県で農業・販売業を営む久松氏の著作。 ○自信の農業経営や消費者への直販を通して、有機農業とは何か、国の農業政策の課題と提言などを行っている。 ○自らの経営を元にした、地に足の着いた議論で、農業の実態がよく分かる作品。 ○特に、有機農業という言葉の持つ意味については、普通の消...
○茨城県で農業・販売業を営む久松氏の著作。 ○自信の農業経営や消費者への直販を通して、有機農業とは何か、国の農業政策の課題と提言などを行っている。 ○自らの経営を元にした、地に足の着いた議論で、農業の実態がよく分かる作品。 ○特に、有機農業という言葉の持つ意味については、普通の消費者もしっかり理解しておきたい。
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脱サラして有機農家となった著者の経験と思考を積み重ねた農業論。農業について何も知らない私も、農業界の現状と課題を垣間見ることができました。 小さな畑を近所に借りて、野菜づくりをはじめた私にとって、有機農業って?野菜の安全と安心の違いって?美味しい野菜の作り方って?などなど 初歩...
脱サラして有機農家となった著者の経験と思考を積み重ねた農業論。農業について何も知らない私も、農業界の現状と課題を垣間見ることができました。 小さな畑を近所に借りて、野菜づくりをはじめた私にとって、有機農業って?野菜の安全と安心の違いって?美味しい野菜の作り方って?などなど 初歩の初歩から解説されているので、農的な生活に憧れる人にとって、理解しやすく、勉強になる一冊だと思います。
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新規就農を考えている人にも・・ 食に対して 不安や疑問を抱えている人にも読んで見て欲しい・・ 消費者の目も経営者の目も持った著者だから こんなにわかりやすいのかもしれない・・
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有機農業者の著者が、「有機農法なら安全で美味しい」は誤解(おいしさを決める要素はもっと他にあるということ)等、率直に書かれています。
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『日本一 話の上手い農家』とわるびれず、 言い切れることが、すがすがしい。 自分に対して 客観的に 見ることができるのが ここまでの本を 作り上げることになったのだろう。 論理は 簡単明快。 『栽培時期、品種、鮮度』の3つの条件がそろえば 美味しいものとなる。 有機栽培は 目...
『日本一 話の上手い農家』とわるびれず、 言い切れることが、すがすがしい。 自分に対して 客観的に 見ることができるのが ここまでの本を 作り上げることになったのだろう。 論理は 簡単明快。 『栽培時期、品種、鮮度』の3つの条件がそろえば 美味しいものとなる。 有機栽培は 目的でなく 手段である。 いいね。ばっさり,論理的で。 読んでいて,なぜか 塀のうえを 歩いているような 危うさが あるが、一つ一つを つきつめて 考えていることに 意味があると思う。 有機だから 安全。安全と安心は違う。 有機は 安全で売れる とは,2周おくれ。 有機農業には 選別基準がある とおおらかに見る。 入れ込まないから、できる。 コンビニのおでんのダイコンが 煮崩れしない。 セブンイレブンでは5500万個うれて、1200万本。 コンビニでは,2000万本のダイコンを使用する。 安売りの土俵に乗らない。 ひっかかりは 多いほうがいい。 手持ちの武器で闘う。 水質と水の流れ というのが、 この本の中で 一番共感できた。 本当の価値は モノ 以外のもの。 会話が弾む 野菜。がつくれたら。 エロうま野菜。をめざす。 ユニバーサルデザインの7つの法則。 どんなヒトでも 公平に つかえること。 使ううえで 自由度が高いこと。 使い方が 簡単で すぐにわかること。 必要な情報がすぐにわかること。 うっかりミスが キケンにつながらないこと。 身体への負担がかかりづらいこと。 接近や利用するための十分な大きさと空間を確保すること。 農業にいるのは センスとガッツ。 センスがないから やらねばならないこと。 農業は、ビジネスであり いくらでも攻め方があるのだ。
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農家が清貧だというイメージが農業をダメにしている気がする。 丹精込める必要はない。 農業だって普通のビジネスなのだ。
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