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竜が最後に帰る場所 の商品レビュー

3.8

75件のお客様レビュー

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2024/11/08

遠い、遠い昔、私たちの祖先はそこからやってきた。そして私たちは今、そこに戻る最中。そこはあまりにも遠く、一匹の寿命では到底辿り着けない。だから何世代もかけて、私たちはその土地を目指している。私たちは、私たちの血が求めるままに、風の中にそこへの道を見つけ出す。百の島を超えて、千の島...

遠い、遠い昔、私たちの祖先はそこからやってきた。そして私たちは今、そこに戻る最中。そこはあまりにも遠く、一匹の寿命では到底辿り着けない。だから何世代もかけて、私たちはその土地を目指している。私たちは、私たちの血が求めるままに、風の中にそこへの道を見つけ出す。百の島を超えて、千の島を超えて、その土地を目指す。一匹では無理でも、遠い子孫がいつかそこに辿り着くために。

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2024/08/25

相変わらず唯一無二の世界に連れて行ってくれる話ばかりです。ただ、この本の話は自分にはどれもそこまでささらなかったかも…『夜行の冬』が私は好きでした。

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2024/08/02

タイトルに惹かれて読んだ。 最初の話、何…?としか思えなくて読むのやめようかと思ったけど「鸚鵡幻想曲」「ゴロンド」が面白かった。 鸚鵡幻想曲、アサノは使命感で「解放」してるんだろうけど、意思ある相手に対して無機物としか思ってなさそうで怖い。独りよがりのアサノが気付いてないだけで...

タイトルに惹かれて読んだ。 最初の話、何…?としか思えなくて読むのやめようかと思ったけど「鸚鵡幻想曲」「ゴロンド」が面白かった。 鸚鵡幻想曲、アサノは使命感で「解放」してるんだろうけど、意思ある相手に対して無機物としか思ってなさそうで怖い。独りよがりのアサノが気付いてないだけで宏のようなパターンは今までもあったんじゃないだろうか。 あそこでアサノを始末しておけば良かったのに…とか思ってしまった。最後の出会い方が鸚鵡の誘導によるものとはいえ、ひまわり畑の背景もあってなんだか神秘的だった。 「ゴロンド」って本のタイトルじゃないんだ…最初の爬虫類の誕生みたいな描写でヤモリとかかと思ってた。そういえば伝説上の竜の姿ってどうやって伝わってきたんだろう。こういう風に産まれてたのかな、本当にいたかもしれない、と思えてくるような詳しい描写が好き。 竜が最後に帰る場所を明確にどんなところなのか描写しないで、そこへ仲間と共に向かうという最後が、旅はまだ続いていくんだという期待感に満ちていて良かった。

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2023/12/01

『秋の牢獄』に続き、恒川作品四作品目。タイトルに惹かれて購入。どの短篇も良かったが——特に「夜行の冬」「鸚鵡幻想曲」がお気に入り。前者はホラー版『夜ピク』とでも言いましょうか。歩く度に世界が変わり、もし自分だったらと——いろいろ考えさせられます。後者は発想がぶっ飛んでて、まさかあ...

『秋の牢獄』に続き、恒川作品四作品目。タイトルに惹かれて購入。どの短篇も良かったが——特に「夜行の冬」「鸚鵡幻想曲」がお気に入り。前者はホラー版『夜ピク』とでも言いましょうか。歩く度に世界が変わり、もし自分だったらと——いろいろ考えさせられます。後者は発想がぶっ飛んでて、まさかあんなことになるとは——○○シーンは想像しただけで鳥肌モノでした…。解説を読み「…嗚呼、なるほどなぁ」と。まだそれほど数を読んではいないが、どの作品も本当に独特な世界観でこの著者にしか描きえない作品なんだと感心しました(^^) 星四つ半。

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2023/09/22

面白かった さすが恒川光太郎!ってのもあれば、こんなのも書くんだなってのも アサノがどうしても『しょせん他人事ですから』の主人公で再生されてしまう

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2024/06/18

1、風を放つ 小さな瓶の中に収められた、小さなつむじ風。それは持ち主が恨んだ人を殺せる力を持つ。その瓶をもしかして恨みを買ってしまったかもしれないマミさんが持っている話。結局それだけで何も起こらなかったのですが、ふんわり怖かったです。あれ?もう終わったの?というところもよかったで...

1、風を放つ 小さな瓶の中に収められた、小さなつむじ風。それは持ち主が恨んだ人を殺せる力を持つ。その瓶をもしかして恨みを買ってしまったかもしれないマミさんが持っている話。結局それだけで何も起こらなかったのですが、ふんわり怖かったです。あれ?もう終わったの?というところもよかったです。 2、迷走のオルネラ 悲惨な経験をした少年が気の毒でした。これは科学的に証明できない要素がたしか出てきませんでした。なので実際にあってもおかしくはない話でした。人間の執念が怖かったです。 3、夜行の冬 お散歩をして帰ってきたら別の人生になっている話。以前「ミッドナイトライブラリー」で似たような展開を読みました。その人生に満足したらそのまま居着いていい。飽きたら再チャレンジ、ということですが、そうなるとそこそこ満足した人生に巡り会えても、ひょっとしてもっと素敵な人生が待っているのでは?と欲が出てきそう。 いろいろな人生を渡り歩く設定も面白かったですが、夜行の途中に脱落して闇に飲まれるシーンが怖かったです。 4、鸚鵡幻想曲 本書では、これが1番面白かったです。始まりと途中と最後でどんどん話が変わっていきます。集合体は、どうしてこんなこと筆者さんは思いつくのでしょうか?どんな想像力をしているのでしょうか?鸚鵡が元人間だったから少し喋れて、大介に報復するシーンで、老婆が祈祷したりして、人間ってなんか滑稽に思えました。 5、ゴロンド 完全なファンタジーでした。 毛無し猿、ことヒト。 ゴロンド目線からうかがえる毛無し猿はなんだか無駄な争いばかりを繰り返し、 これもまたなんだか人間って馬鹿馬鹿しいな。無駄なことばかりやっている、と感じました。 完全なファンタジーなら好きだけど、現実社会での話の中にいきなり科学的に説明のつかない要素が出てくると途端に冷めてしまう私でしたが、恒川光太郎さんのホラーは全然冷めないです。むしろ本当に面白いです。現実とそうじゃない事を融合させる展開がうまいのかなあ。「そんなことありえないでしょ」ということも普通に淡々と書いていらっしゃるので、そこなのかなあ。 もっと恒川光太郎さんの独特の世界に浸っていたいので、他の作品も読んでみようと思います。

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2023/07/30

奇譚・SF・ファンタジーなどにカテゴライズされる5つの短編集。 SFといっても宇宙的なものはなく、強いて挙げれば登場人物が描く漫画が作中作になっていて、その舞台が花が咲き誇る月面ってところぐらいかな? とにかく着想が珍妙で面白い。 何か変わった小説を読みたい時や、複雑なプロットが...

奇譚・SF・ファンタジーなどにカテゴライズされる5つの短編集。 SFといっても宇宙的なものはなく、強いて挙げれば登場人物が描く漫画が作中作になっていて、その舞台が花が咲き誇る月面ってところぐらいかな? とにかく着想が珍妙で面白い。 何か変わった小説を読みたい時や、複雑なプロットが面倒な時にサクサク読めるのでおすすめしたい。

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2023/07/21

よく分からない世界へ連れていってくれる作家という印象の恒川さん。幻想的でありながらも現実的でもある読み口は独特でやはり他では例を見ない人だと実感。面白かったのは「夜行の冬」と「鸚鵡幻想曲」前者は百鬼夜行のテイストにリセットものをくっつけた感じでこの人の得意とする恐ろし系物語。怖さ...

よく分からない世界へ連れていってくれる作家という印象の恒川さん。幻想的でありながらも現実的でもある読み口は独特でやはり他では例を見ない人だと実感。面白かったのは「夜行の冬」と「鸚鵡幻想曲」前者は百鬼夜行のテイストにリセットものをくっつけた感じでこの人の得意とする恐ろし系物語。怖さと幻想さのバランスが絶妙で良かった。後者は発想が素晴らしい奇妙な作品。星新一さんらしさはあるがそこからもうひとひねり加えている所に凄さがある。これがめちゃくちゃに面白い。奇妙なので面白いとしかいえないのがもったいないくらい面白い。

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2023/05/31

日常とその日常からわずかにズレた確実に非日常な5つの短編。 「鸚鵡幻想曲」も好きですが、やっぱり「夜行の冬」に惹かれてしまう。シャラン、と錫杖の音が聞こえてしまったら、私はきっと玄関のドアを開けてついていってしまう気がする。後悔しながら、自分が今まで築いてきた生活と同じものは二度...

日常とその日常からわずかにズレた確実に非日常な5つの短編。 「鸚鵡幻想曲」も好きですが、やっぱり「夜行の冬」に惹かれてしまう。シャラン、と錫杖の音が聞こえてしまったら、私はきっと玄関のドアを開けてついていってしまう気がする。後悔しながら、自分が今まで築いてきた生活と同じものは二度とその手には戻らないとわかりながら、それでもついていってしまう気がするよ。

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2023/01/05

夜市に続く2冊目の短編集。5つの短編が収録されていて、1つ1つは本当にすぐ読み終わる短さ。 読んでいて、不思議な感じのする世界観に引き込まれてどんどん先を読みたくなるものの、最後は「あれ?結局どう言う話だったの?」という感じで終わるものが多かった印象。 ただ、読んだ後の、このちょ...

夜市に続く2冊目の短編集。5つの短編が収録されていて、1つ1つは本当にすぐ読み終わる短さ。 読んでいて、不思議な感じのする世界観に引き込まれてどんどん先を読みたくなるものの、最後は「あれ?結局どう言う話だったの?」という感じで終わるものが多かった印象。 ただ、読んだ後の、このちょっと取り残された感はある意味癖になりそうな、この作者の短編作品における特徴なのかなと思った。 ただ、最後のゴロンドのドキュメンタリーのような話は本当に何だったのだろう…?笑 とても不思議だった。

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