原発ホワイトアウト の商品レビュー
歴史は繰り返す、一度目は悲劇として、二度目は喜劇として(カール・マルクス) 物事は多面的に観ないといけないという点で、とても参考になりました。 プロローグと終章が素晴らしかっただけに、今後、普通の形の小説も期待してしまいますね。 お薦めできる本です。
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電力をめぐる利権構造や関連企業・団体、政治家、行政、公安、マスコミ、NPOまでの立ち位置と動きが赤裸々な内容で語られ、庶民とはかけ離れた世界に、そうなのだろうなぁと思わされる。実在の人物や施設などをイメージさせる名前も相まってノンフィクションであるかのような印象も。 原発再稼働に向けて、電気料金とCo2排出量、再生可能エネルギーの不安定さが説得力をもつことは理解されるが、原子力のリスクに目をつぶるような事態はなんとしても避けてほしいと願った。 13-164
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読んで楽しくはないが、衝撃の内容。ネット上ではもうおなじみの内容かもしれないが、小説として読むとまたグッと現実味を帯びて来る。テロに遭うのも当たり前か・・・。
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記録文書的なものかと思ったら、小説の形をとっていたので驚いた。 第一印象は内容的なものではなく『”、”が多過ぎる』でした。 小説の形をとっているので読みやすいが、結論はなく、事実と思われることの羅列だと感じました。 すでに周知の事実がほとんどで新しい衝撃的なことは特にありませ...
記録文書的なものかと思ったら、小説の形をとっていたので驚いた。 第一印象は内容的なものではなく『”、”が多過ぎる』でした。 小説の形をとっているので読みやすいが、結論はなく、事実と思われることの羅列だと感じました。 すでに周知の事実がほとんどで新しい衝撃的なことは特にありません。ただし、問題意識を社会に提示する意味合いは強いと思います。
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プロットは分かりやすいし電力業界や官僚の世界についてもよく書かれているし、さすがに売れているだけのことはある内容。送電線を破壊すれば原発は電力がたまり、暴走してメルトダウンにいたるのだろうか?そんなに単純な構造ではないような気もするが、よく分からない。 電気料金は総コストをもとに決まるので、電力会社からの発注は普通の注文の二割増し程度と、おいしい発注になっている。二割の超過利益の1割5分は受注先の、5分は任意団体である電力事業連合会(?)を通じた工作資金として使われているんだとか。任意団体なので内容は一切公表されないし、他にも広告費などとしてマスコミへのコントロールも効いているという。
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このところ、読書はiPadだったが、デジタル化されていない本もある。読むのにどうかなって、思っていた本があった。しかし、世間ではかなりの話題。講談社が出版社で反体制的な内容であることはわかりきっていたし、眉唾ものだったりする。しかし、手に取った。そう、「原発ホワイトアウト」である...
このところ、読書はiPadだったが、デジタル化されていない本もある。読むのにどうかなって、思っていた本があった。しかし、世間ではかなりの話題。講談社が出版社で反体制的な内容であることはわかりきっていたし、眉唾ものだったりする。しかし、手に取った。そう、「原発ホワイトアウト」である。内容は衝撃的なものである。電力会社とそこからおいしい仕事をもらう業者。ロッキード事件後は表立って政治献金ができなくなったので、電力会社が取引先企業の共存組合をつくり、そこに取引先企業の受注金額の一定割合プールする仕組みを作った。その共存組合が政治献金バラマキの隠れ蓑としたのだ。政治家は共存組合はパーティー券を言い値で買ってくれたりするお得意様となる。落選議員にも仕事の斡旋をする。その仕事の費用事態も共存組合が支出する。与党も野党もともに抱き込んでいくのだ。「電力会社は永遠なり」の金科玉条が出来上がる。そもそも大マスコミも原発を持ち込んだ張本人がその親方なので論調は厳しい感じではあるが、電力会社を擁護する。 政治家とその関係者は電力会社に一部食わせてもらっている。我々の電力料金に巣くっているダニみたいなものだ。
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ノンフィクションを読んでいる気がしてならなかった。どこまでが既に起きたことで、どこからがまだ起きていないことか確認したくなった。 現実がこう進む保証はないけれど、基礎にある問題の描写が外れていないとすると、それが吹き出すのに取る形の差があるに過ぎない気がする。
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おもしろかった! 日本の大人は全員これを読んで、暴利を貪るクソなシステムに群がる信念のない政治家を見抜く目を養うべき。秘密保護法の成立で著者はどうなっちゃうのか?
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ディテールが中々リアルで、著者が役所の中の人というのは本当らしく感じた。登場する人物や団体も現実の世界を想起させるものが多く、小説の形をとった内部告発の書という評価もあながち嘘ではなさそうだ。 ただ、エネ庁次長の日村などは人物造形がやや極端な気がして、そこは、小説として読ませるた...
ディテールが中々リアルで、著者が役所の中の人というのは本当らしく感じた。登場する人物や団体も現実の世界を想起させるものが多く、小説の形をとった内部告発の書という評価もあながち嘘ではなさそうだ。 ただ、エネ庁次長の日村などは人物造形がやや極端な気がして、そこは、小説として読ませるために、鼻持ちならないエリートの究極のイメージを埋め込んだように思う。実際には、こんな人はいないだろう。 権力の恐ろしさを誇張した部分もあるように思うが、全体としては、電力業界や政界・官界の実態やロジック・思考法を的確に捉えていて、現実味ある内容になっていると思う。公開されたり報道されたりする個々のパーツだけでは分からない全体の動きを読みやすく描ききっているのではないだろうか。
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フィクションとしては二流だけど、フィクションを装った告発本としては割と面白かった。 だいたい、新崎原発の再稼働に慎重なキャリアあがりの伊豆田清彦知事、脱原発俳優で衆議院議員の山下次郎、保守党に在籍しながら原発に反対する山野一郎、ってそのまんま(笑) ややネタバレですが、悪い冗談と...
フィクションとしては二流だけど、フィクションを装った告発本としては割と面白かった。 だいたい、新崎原発の再稼働に慎重なキャリアあがりの伊豆田清彦知事、脱原発俳優で衆議院議員の山下次郎、保守党に在籍しながら原発に反対する山野一郎、ってそのまんま(笑) ややネタバレですが、悪い冗談としか思えない結末も、やけにリアリティがあった。
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