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開かせていただき光栄です の商品レビュー

4.2

129件のお客様レビュー

  1. 5つ

    45

  2. 4つ

    48

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2019/03/29

ミステリが苦手なのかな、なぜだろうな 内面描写がないから感情移入できないのか、人となりと考え方が分からないというのか(弟子も師匠もかなり個性的な人だったけど)、一つの事件の真相が明るみにというよりもはしばしの謎が変わるって感じで、しっくりこなかった。

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2019/03/17

重厚なミステリをがっつり読みたくなっていざ。当時のイギリスの生活風景や時代背景の描き方も緻密で豪華でとても贅沢。読ませていただき光栄です。

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2019/03/10

すこしまえに「王妃の離婚」を読んだが、知らずに似た時代の傑作を読んでいた。 ミステリーとしても、時代考察の資料としても、最高に面白い一冊だった。「壁」「恋紅」以来の皆川博子作だったが、歳を重ねても衰えない筆力に脱帽。

Posted byブクログ

2019/01/17

18世紀末ロンドン、近代医療の黎明期。未だ解剖は認められておらず、近代医療を目指すものは非合法に死体を手に入れ人知れず解剖を行い学んでいた。そうした私設解剖教室を主宰するダニエル・バートンが解剖を行っている最中に警察の手入れが入った。死体を隠しその場をやり過ごそうとしたのだが、そ...

18世紀末ロンドン、近代医療の黎明期。未だ解剖は認められておらず、近代医療を目指すものは非合法に死体を手に入れ人知れず解剖を行い学んでいた。そうした私設解剖教室を主宰するダニエル・バートンが解剖を行っている最中に警察の手入れが入った。死体を隠しその場をやり過ごそうとしたのだが、その日手に入れたしたいが貴族の娘だったために治安判事のジョン・フィールディングが直に乗り出している。盲目のため人の嘘に敏感なフィールディングに嘘を暴かれたダニエルとその弟子達は死体を引き渡すことになる。ところが令嬢の死体を隠し場所から出したところ、見知らぬ男の死体がもう1体そこにあった。おまけにその死体の手足は切断してあった。この死体は誰なのか、そして誰が、何故そこに隠したのか、フィールディングは姪で助手であるアンと共に事件解決を始める。 時間の経過が途中錯綜するので、丁寧に読んでいないと今自分がどこにいるのかが判りづらくなる。 法廷場面のどんでん返しは予想外だったが、この展開がなければ陰鬱な結果しか残らなかっただろうし、弟子達の態度も腑に落ちる。 エンドロールの後の追加シーンは、やっぱりあった方が良いのかな・・・

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2018/12/22

「開かせていただき光栄です」  ひさびさに読書が夜通しになりかけた(笑)。  18世紀、ロンドン。私的な解剖塾を開いているダニエル・バートン医師は今日も住み込みの弟子とともに解剖をしていた。  だが、彼の屋敷内から見覚えのない死体が2体も出てきて・・・  という出だしで始ま...

「開かせていただき光栄です」  ひさびさに読書が夜通しになりかけた(笑)。  18世紀、ロンドン。私的な解剖塾を開いているダニエル・バートン医師は今日も住み込みの弟子とともに解剖をしていた。  だが、彼の屋敷内から見覚えのない死体が2体も出てきて・・・  という出だしで始まるミステリー。  主人公の一人でもある、ダニエル・バートンのモデルともなった天才外科医にして解剖学者のジョン・ハンターの伝記を読んでいた私には、ストーリーもさることながら、いろいろな設定や当時のロンドンの描写がたまらなかった。  冒頭に出てくる、ダニエルたちがいままさに解剖しようとしていた妊娠6ヶ月の妊婦の遺体や、それを描いた細密な銅板画はその伝記の冒頭の美しい口絵として並んでいる。  いまだと考えにくいが、解剖学の黎明期にはその遺体の解剖図の画集を出して儲けにするとともに、自身の手柄として喧伝する必要もあったらしい。  それから作中でもダニエルがことあるごとに「解剖するための死体が足りないんだ!」と相手かまわず力説し、作中でも墓泥棒がたびたび登場する。  さきほどの「ジョンハンター」の伝記でももっとも私が好きなエピソードが、絞首刑犯の遺体のぶんどり合戦の話である。  18世紀、ロンドンでは不衛生な環境からぽこぽこ人は死んでいたが、それでも解剖に回す遺体が足りず(公式に認められていたのは年間6体のみ!)、解剖教室が乱立するロンドンではとうてい足りなかった。  ではどうするか?  墓から失敬するのである。  そこで墓泥棒の登場である。  実際のハンター医師も墓泥棒と懇意にして死体をかなり調達していたらしい。  しかし、それでもなお貴重なものが妊婦の遺体と、死んだばかりの遺体である。  なので、絞首刑犯の刑が執行される場所は、墓泥棒と、ハンターたちのような死体調達をねらう解剖学者と、そうはさせまいとする絞首刑犯の家族(刑執行後には遺族となる)の3つどもえで死体のぶんどり合戦があったらしい。  不謹慎で申し訳ないが、その様子を想像するだにおかしくて笑える。  残念ながらそのぶんどり合戦は「開かせて〜」では描かれていなかったが十分楽しめた。  18世紀ロンドンの、大英帝国が我が世を謳歌する中での奔流のようなエネルギーと、悲喜こもごもが堪能できた。

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2018/11/12
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散りばめられた伏線、魅力的な登場人物、どれをとっても至高のもので、あっという間に読み終えてしまった。 ただ、氏の作品を読み慣れていると、文の端々から先の展開が読めてしまうところもあるなと思った。それも楽しくはあるのだけれど。

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2018/08/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

いつもと違う読書体験でした。 舞台が18世紀ロンドンってことと、文体が翻訳調だという事前情報を持って読みはじめる。 始めは(というか最後まで)この癖のある文体が私には分かりづらくて、読むのにとっても苦労した。 物語の展開がつまらなかったら絶対挫折してた。 ところが物語は最初から、隠した死体をまた出したら何故か別の死体になってた、っていう驚きの展開で、何とか文章に食らいついて読み進めた。 だんだん登場人物の区別がつくようになると、ますます面白くなる(しかし文体には苦戦を強いられる)。 この世界では賄賂横行で正義が貫かれず、金のある者は無罪に、貧乏人は死刑になる。こんな設定でどうやったらミステリが成立するのか、はらはらしてしまった。最後は、そういう価値観を逆手に取って、告訴されないと確信した上で殺人したりして、なんかいつものミステリと原理が違うところに頭を使った気がする。 エド、ナイジェルがネイサンを殺したんじゃないことが分かった時は安堵した。そんな極悪人だったなんて…ってショックだったから。 (ネイサンの母親が裁判中にお守り娘に駆け寄っていったの、初見では意味が分からなかった。) 一方、イイ人そうだったエヴァンスがとんでもない悪人だったり、エドがいろんな人を掌で転がしてたり、ナイジェルがとんだ役者だったり、人間不信になりそうな物語だった(笑)。 一部の登場人物は実在した人らしいし、ロンドンの汚い景観やら上流社会と庶民との深い溝とか、時代感の描写がリアルで、この時代のロンドンには絶対住みたくないと強く思った。 これだけ文体に拒否反応出るのに読めたってことは、流れるような文体なら凄く面白かったってことかな。

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2021/05/29

本格ミステリー大賞受賞作品ということで、手に取りましたが・・ 残念ながら、「紙芝居殺人事件」「死の泉」の方が断然楽しめました。 以上が2018-5-20時点での感想(一つ星)でしたが、2021-5-26再読した結果は・・ 皆川ワールド全開の名作です。目の見えない判事のキャスティ...

本格ミステリー大賞受賞作品ということで、手に取りましたが・・ 残念ながら、「紙芝居殺人事件」「死の泉」の方が断然楽しめました。 以上が2018-5-20時点での感想(一つ星)でしたが、2021-5-26再読した結果は・・ 皆川ワールド全開の名作です。目の見えない判事のキャスティングが読者に複雑になりそうな展開の理解を容易にする効果を発揮しています。5人の弟子のキャラ立ちも素晴らしい。また、わざわざ「解剖ソング」まで作りこむ手の込みようです。 今回、いかに昔の自分の感想が当てにならないかという点を再認識することになりましたが、それ以上に読了するまで既読だったことに気づかず楽しめたというのがよりショックでした。

Posted byブクログ

2018/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 ミステリの流れ・伏線が緻密で、最後まで読むのに、何回騙されたか。 最後まで読みのすべてが繋がった時は、良いミステリ小説を読んだと思った。 貧富や腐敗がある世界観、解剖を主とする話であり、ダークでグロテスクな感じがした。 物語が暗くて、心苦しく読みにくかったが、その物語の中で、個性的で陽気なキャラクターが生きていて、多少緩和され、読み切ることができた。

Posted byブクログ

2018/01/04

解剖医ダニエル・バートンと、その弟子達の物語。舞台は18世紀ロンドン、まるで翻訳小説のよう。本格ミステリ大賞受賞作ですが、社会派ミステリと呼んだ方がしっくりきます。犯人はメスを入れました。愛に満ちた作品。

Posted byブクログ